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2022ー23 プレミアリーグ 第21節 フラムvsトッテナム 備忘録記事

フラム0-1トッテナム

得点者(TOT)
45+1' 10ハリー ケイン

得点者(FUL)
なし

両チームのフォーメーション

ハイライト

 現在リーグ戦連敗中のトッテナムは1つ下の順位に付けるフラムと対戦。アウェイの地でシックスポインターゲームに臨んだ。

 トッテナムはマンチェスターシティ戦と同じ11人を起用。対するフラムは、前節のニューカッスル戦から1人の変更。左SBのクルザワに代わりロビンソンが出場している。

 序盤から両チーム共に長いボールを多用しつつハイプレスを狙う入りを見せた中、主導権を握ったのはホームのフラムだった。

 非保持では4-2-3-1で構えつつプレッシングに出て行き、狭い方のサイドに追い込んでボールを奪うシーンが多かった。ここはトッテナムのビルドアップの拙さが目立った側面が強いが、効果的なプレスに行けていたのはフラムという印象である。

 それでも開始4分にはベンタンクールとホイビュアが良い感じの横関係になり、アンカー番に来るペレイラを剥がして前進できるケースがあった。ただ、真ん中を使って上手く押し込めたのは序盤はこのシーンだけである。

 フラムは保持でも優位を作る。GKのレノから1トップのミトロヴィッチにボールを当てて前進するケースがメイン。トッテナムも前からプレスをかけに行くも、ボールホルダーに牽制をかけられないため、レノのキックで引っ繰り返され、ダイアーとロメロがミトロヴィッチに競り勝つことが出来ずにセカンドボールを拾われ続けてしまった。

 ここで気になったのは、ミトロヴィッチがデイビスと勝負せずにトッテナムの右サイドばかり固執していた点だ。ここは、トッテナム目線で言えば助かった部分である。

 仮にセカンドボールを拾ってもフラムの強烈なカウンタープレスによってボールを失うことが目立った。ここは日程的にもフラムが優位だったこともあり、トッテナムはなかなか自分たちのペースで進めない時間帯が長く続いた。

 ボールを前進できたフラムは、サイドチェンジで広い方に持って行き同サイドで3角形を作りながら押し込んで行く。保持の際に1つ前の位置に出るHリード、もしくはトップ下のペレイラに加え右サイドのテテ、Bリードの関係が非常に良く、そこからクロスを入れる形が多かった。

 19分にはテテの長いボールに抜け出したBリードがキープをし、サポートに来たペレイラに渡すと左足に持ち替えてインスイングのクロスを入れる。これにHリードが合わせるもロリスが防いでゴールならず。

 25分にはディオプの持ち運びからテテがクロスを入れ、シンプルにミトロヴィッチに合わせる場面もあり、攻守共にフラムが優性の中で試合が進む。

 一方でトッテナムが流れを掴んだのは31分あたりから。ここでホイビュアが相手に捕まった状態で無理矢理ターンした場面からチャンスを掴むようになっていった。

 具体的に配置を換えて云々では無く、個々の質的な部分で剥がすことが多め。右サイドクルゼフスキが何枚も剥がして、エメルソンがシュートを打った場面を見ても、属人的な部分に頼っている感じはした。

 そんな中で迎えた前半アディショナルタイム。コーナーキックの流れからホイビュアのパスをスペースで受けたソンがターンからケインに繋ぐと、リームのマークを振り切ってシュートを決める。ケインのスーパーゴールで均衡を破った。

 後半はローラインで5-4-1を敷きつつ守る時間帯が多め。特にレノ→ミトロヴィッチのラインをケアしてなのか、ケインがプレスに出ても2CHが前に出て行かず、セカンド回収係としてDFラインと近い距離感を保っていた。ここは前半との違いである。

 ここまで来たらトッテナムがやることは明白。5-4-1をコンパクトに保って凌ぎつつ、カウンターで局面を打開する形だ。この辺から、降りてくるケインも前を向けるようになってきたし、そのケインを起点にカウンターを打てる場面も多々見られた。

 一方のフラムのブロックを組まれた相手を崩そのにかなり苦戦を強いられた様子を受けた。時たまトッテナムのCHがプレスに出すぎたことにより、その背中に出来たスペースを使って前進する形もあったが、シュートの形までは作れず。

 個人的に気になったのはフラムの両WGがトッテナムのDFラインを押し下げるような動きが無かったこと。ウィリアンとBリードは足元で受けたがっており、背後に抜け出すような動きが少なかった。そのため、サイドチェンジをしてもトッテナムのWBと正対した状態で1on1を余儀なくされていた。

 トッテナム目線で言えばエメルソンのウィリアンへの対応はかなり良かったように感じる。単騎での突破はほぼ許さなかった。

 試合終盤、フラムはDFラインを1枚削り、元トッテナムのカルロス・ヴィニシウスを投入し、前に圧力をかける。しかしソロモンに訪れた決定機もロリスがシャットアウトしゴールを許さず。

 試合は1-0でトッテナムが勝利。重要なシックスポインターを何とか逃げ切った。

雑感

 アーセナル戦とシティ戦で大きなダメージを受けた中で迎えた直接対決で勝利出来たことは大きかったと思う。正直戦術の部分もこの短期間で良くなるとは思えないので、そう考えたら妥当な試合だったのかなと感じた。

 本音を言えば自分たち次第では防げた場面はあったのではという疑問符は常に残っている。特に、レノへのプレスを速くすることで簡単にミトロヴィッチに蹴らせないようにするとかはもう少し欲しかったところである。

 まぁなんにせよこの直接対決に勝ったことで、上位追撃の望みは繋がった。この勝ち点3を無駄にしないよう、次節はホームでシティとのリベンジマッチに臨む。

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