2022年 カタールワールドカップ グループF 第1節 モロッコvsクロアチア 備忘録記事
モロッコ0-0クロアチア
得点者(MAR)
なし
得点者(HRV)
なし
両チームのフォーメーション
ハイライト
グループFの初戦となったこの試合。前回大会準優勝のクロアチアは、今年の8月にハリルホジッチ氏からレグラギ監督に変わったモロッコと対戦した。
基本的にはクロアチアがボールを持つ試合の入りとなった中、モロッコは4ー1ー4ー1のブロック敷いて守備を行う。両WGはSBを見つつ、中を閉めるような守り。アンカーの脇に絞ってくるWGはSBが捕まえるような守り方であった。
ここで、落ちながら2CBをサポートするモドリッチやコヴァチッチにはモロッコのIHが着いて行き対応するシーンが多め。とにかくゾーンで守ってから人に出て行く形を徹底していた。
1トップのエン=ネシリはアンカーのブロゾヴィッチを消しながら、ビルドアップ隊となる2CBにボールを蹴らせないようするために追いかけるハードタスクを行っていた。
そのため、角度をつけられるとブロゾヴィッチにボールが入ってしまうシーンはしばしばあった。ただ、モロッコのスリーラインは非常にコンパクトであるため、ボールホルダーへの迎撃は間に合っていた。
エン=ネシリが走り続けるのも、コンパクトなDFラインの背後にボールを蹴らせないためと予想。ここでクロアチアの2CBが距離を取ると、今度はIHの選手がCBに出てくるため「蹴らせない」という意思統一はしっかりしているように感じた。
また、アンカーに入っているアムラバトも広いカバー範囲を見せる。IHが出て行った裏のスペースを掃除することで、斜めのパスや楔をカットしたり、自分のテリトリーに入った選手からボールを奪うなど、非常に素晴らしい働きをしていた風に感じる。
クロアチアとしてはサイドから打開する形を狙うが、モロッコのSBに遅らされた隙にプレスバックしてくるWGに挟まれそこで失うケースが多め。左のマズラウィとブファルの縦関係は良かったと思う。
一方でモロッコの保持はサイドのWG―IH―SBがトライアングルを形成し、旋回しながら立ち位置を変えるケースが多め。例えば、WGのツィエクが下がることでハキミが高い位置を取り、ツィエクのロングボールにハキミが抜け出すシーンがあった。
また、ウナヒがサイドに開いてハキミが外に叩いてインナーラップでのワンツーをしたりと、サイドでの連動性は良かったように感じる。右で作った後は、左WGのブファルが絞って受けてシュートを狙う形もあった。このブファルは内側でボールを引き出すのが凄く上手い選手だなと感じた。
前半はクロアチアが保持するも、モロッコのコンパクトなスリーラインを攻略できないまま、時間が経過した感じである。それでも前半終了間際には、落ちてきたモドリッチの長いボールに抜け出したクラマリッチがチャンスを作る。
その二次攻撃から、左サイドをオーバーラップしてきたソサのグラウンダーのクロスにヴラシッチが合わせるもGKのセーブに阻まれてしまう。
後半に入りパシャリッチを投入したクロアチア。48分にそのパシャリッチがモロッコDFラインの背後を狙う良いシーンが見られた。後半はこれをベースにするのかなと思いきや、この形はなかなか続かず。
基本的にボールホルダーに選択肢を余り与えないで守り続けるモロッコDF陣が素晴らしかった。マズラウィが負傷交代するアクシデントにも見回れたが、変わりに入ったアッラーもバックステップを踏んで背後をケアしていた。
しかし、試合を通して「良い守備」を貫き通したモロッコであったが、得点までの形はあまり作れず。終盤カウンターでひっくり返す場面も見られたが、中々ゴール前でチャンスを作ることは出来なかった。
良い守備に苦戦したクロアチアとクロアチアを追い込むビッグチャンスを作れなかったモロッコという構図になり、試合はスコアレスのドローとなった。
雑感
Windtoshさんのアーカイブ企画でモロッコの記事を書くことになりました。そのため、今日からモロッコ定点観測がスタートします。
ということで、1試合目はモロッコvsクロアチアの一戦を振り返ってみた。
モロッコの現段階での印象と言えば、「高い強度」と「統一された守備」と言ったところだろう。4ー1ー4ー1のブロックから、高い強度で人に出て行く守り方でクロアチアの保持を封じ込めたのは圧巻の一言である。
全体的に出足が良いため、常に人を捕まえ続けてサンドして奪うのが徹底されていたし、クロアチアが何度もサイドを変えても、スライドが間に合うため、ズレを作らせないという感じだった。
後半クロアチアが芋づる式にモロッコの選手を動かした場面があったが、そこもCBがカバーに飛んでくるなど、この辺の徹底っぷりは流石かもしれない。
そんな守備が光っていたモロッコが残り2試合でどのように得点をあげ、グループFを首位通過出来たのかは今後書いていくとする。
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今回はおやすみ!