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点を繋げて面を作り、シームレスな体験を実現する。そんなデザイナーが目指す「新しい働き方のモデルケース」とは。

「優れたデザイン」と聞いて、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか? シンプルで理解しやすい画面配置や、色鮮やかで目を惹くグラフィックなど、その対象や目的によってその答えは変わってくるかもしれません。


BitkeyでProductDesignチームマネージャーを務める竹内さんは、「体験に寄り添ったデザイン」が、その答えの一つだと語ります。

顧客とユーザー、エンジニアの橋渡しをしながら、より良い世界を実現してゆく。竹内さんがそのようなビジョンを持つに至った足跡について探ります。
 
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雑誌や音楽など90-00年代カルチャーへの憧れをスタートに、デザインに興味を持ったという竹内さん。いまや伝説とも言える雑誌「STUDIO VOICE」などを古本屋で買い漁り、中島英樹や信藤三雄ら人気デザイナーなどの作品に触れるうち、デザイナーを志すように。
広告・雑誌・WEBなど媒体を問わないデザイン制作会社に就職すると、そのチャレンジ精神やコミュニケーション能力の高さなどが買われ、デザインだけでなく制作ディレクションや撮影なども任せられるように。そうした横断的な活動を続けることで社員優秀賞や社内デザインアワード賞を受賞、デザイナーとしての自信を持てるようになったのだという。
 


竹内:こちらの制作会社では様々なクライアントワークにチャレンジさせて頂き、本当にお世話になったと思います。でも、次第に「新しい領域のチャレンジをしたい」という思いを持つようになったんです。

事業会社への転職を決意し、人気のwebアプリで知られる会社へと入社。



竹内:リードデザイナーとして、メンバーと密にコミュニケーションをとりながら、社内webサービスのUIからオリジナルグッズまでデザインしていました。エンジニアと二人三脚でサービスを作り上げていく楽しさを知るとともに、マネージメントに近い役割も経験させていただき、とても勉強になりました。
 
さらにグラフィックでも、運用フロー設計でも、[デザイン]は顧客の体験性を良くするためのもの、ということも実感、学びました。どんな媒体でも、ゴールに対するアプローチの仕方が違うだけで目的は同じなんですよね。
 
 


事業会社でのサービスを成長させていく楽しさを知る一方、「点=個人としてだけでなく、面=チームとしての価値を高めていきたい」という考えを抱き始めたという竹内さん。

さらなる理想の仕事を追い求めて、エージェントに登録。リードデザイナーとして活躍する経験を買われ、Bitkeyを紹介されることとなる。
竹内:最初の面接の時に『将来的にはデザインチームのマネージャーになってほしい』ということを言われて。自分としてももっとマネージメントに向き合いたいと思っていたのに加えて、『人』を資産と捉えて大事にする人たちが職場に多いことを魅力に感じて、Bitkeyで働くことにしました。
Bitkey入社後は、workhubソリューションの従業員管理ツールのUIUX担当に。

 
これらのプロダクトは、PdM(プロダクトマネージャー)とデザイナーである竹内さん、そしてエンジニアが互いに協力し合いながら作り上げられていきます。デザイナーは、画面上でのボタン配置などの目に見えるデザイン以外にも、多くの工程に携わっています。

竹内:PdMから『こんな体験を叶えたい』という提案があり、それを実現させるにはどうするか、ユーザーの行動を一つずつ分析し、整理・分解しながら、具体的な体験に落とし込み、エンジニアと相談しながらUIUXを進めていくのが私たちの役割です。要件を整理し、体験が見えたときは本当に嬉しいですね。
 
個別最適にならないよう注意しながら、ユースケースを考慮し、ユーザー体験を担保するのが、今のProductDesignチームの役割です。多くの人が使用するプロダクトの場合、それぞれの使い方が異なることもあります。いくつものパターンを想定しつつ、既存のシステムの制約や開発工数を考慮して、実現可能な形へと落とし込んでいくんです。
 
SaaSの場合は1日何回も使われることもあるため、表層的にかっこいいけれども使いにくい、というのでは意味がない。ユーザーの使い方に寄り添いつつ、情緒的なデザインを実現したいと思っています。
 
 
さらにUIUX以外にも、テックイベントなどでの展示物のデザインも行なっている。homehubとworkhubの製品を網羅できるプロダクトボードも制作。一目で見て伝えたいことがわかる一覧性の高いデザインは、コンセプトデザインなどの経験も豊富な竹内さんならではといえる。

竹内:このボードはVPoPの町田さんのアイデアで作ったものですね。Bitkeyのプロダクトが埋め込まれているんですが、それぞれが連動して実際に動くようになっています。workhubのReceptionシステム(右下エリア)でチェックインをすると、右下のプリンターからQRコードが印刷され、そのQRコードを右側iPadにかざすと受付が完了する、というような形で、Bitkeyのデバイスやプロダクトを介してすべてが繋がっているのが一目でわかるんです。
 

他にもBitkeyが推進している「ドアマエ配達」の一環としてパナソニック製マンション向けインターホンとhomehubの連携機能における、UIUXも手掛けている。
 
竹内:「ドアマエ配達」はゼロベースで考えることができたため、逆にすごいやりやすかったですね。多くの方に使ってもらえる可能性があるため、もっともっとデザインもプロダクトもブラッシュアップしていきたい!

そんな竹内さんがデザインを行なう際、重視していることが3つあるという。


竹内:1つめは『WHYとWHATに責任をもちつつ、実現可能な体験に着地させる』ということ。デザイナーはPdMと共にプロダクトの理想を描き続けるため、説明責任があると思っています。常に目的と価値を意識し、軌道修正が必要な場合は立ち返って見直すことが重要です。



2つめは『点でなく、一連の体験になるようにする』こと。弊社のサービスは、利用シーン、場所、ターゲット、感情など、ユースケースが多岐に渡ることが多いんです。例えばworkhubの場合は、[勤怠打刻]、[会議室予約]、[同僚の位置検索]、[エリアの混雑状況]など、ワーカーが出勤して退勤するまでのほとんどのシーンで利用されることを想定しています。そのため、それぞれのシーンが点と点になることなく、シームレスな体験になるように心がけています。
 


3つめは、2つめの言い換えに近いですが『個別最適にならないようにする』ということですね。
 
 


マネージャーとして活躍し始めて以降、「自分はさまざまな人たちに育ててもらっていたんだな」ということを改めて実感しているという竹内さん。
 


竹内:だからこそ、メンバーにはいい環境の中で育って欲しいと思っているんです。各メンバーたちが得意なことを活かしながら成長していくのを見ると、本当に嬉しい。さらにそれぞれの成長が自然と刺激になって相乗効果につながるよう、手助けできれば、と思っています。

イベント準備でメンバーとはしゃいでいる1コマ

インタビューしている際にも「ここ、わかりにくいですよね?」と細かい気遣いをされる竹内さん。しっかりと相手のことを見ながら、全体も俯瞰しているという印象を受ける。
 
竹内:自分では、俯瞰するということはあまり得意ではないと思っています。ただ、何事に対しても『WHYとWHAT』という目的を意識しているからそうなっているのであれば、嬉しいですね。ありがたいことに『いろんな人に目を配っているね』といってもらうことは多いです。
 
homehubやworkhubは、さまざまな方が日常的に使うプロダクト。ハンディキャップのある方が利用する場合でも、ある程度のユーザビリティが担保できるよう、アクセシビリティの向上を図りたいと考えているという。
 

竹内:例えば読み上げ機能を使う場合でも、現状のシステムそのままでは使い勝手が悪いことも多いんです。今すぐに対応するのは難しいかもしれませんが、今後は組織としてもアクセシビリティの向上に取り組むべきだと思ってます。

最後に「Bitkeyが社会に果たすべき役割」について、竹内さんに尋ねてみた。

竹内:2024年に「つなげよう。人はもっと自由になれる。」というミッション・ビジョンが設定されて以降、「コト」を重視する成果主義から「ヒト」を重視する方向に会社全体がなってきたな、ということを、マネージャーという立場からも実感しています。
 
個人としての「ヒト」の多様性を尊重するBitkeyという会社が、新しい働き方のモデルケースとなればいいな、と考えるとともに、自分でもそんな働き方を実践していければと思っています。

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いかがだったでしょうか。
Bitkeyは2024年から、「Being経営」を掲げ、一人ひとりの「在り方」を磨きあうことを通じた事業成長を目指しています。それを「新しい働き方のモデルケース」と表現するその姿からも、竹内さんのマネジメントに対する真摯な姿勢を感じ取ることができるインタビューでした。

ビットキーのUIUXデザイナーは「Bitkey Design Team」noteにて日々の取り組みを発信をしています。ぜひ、こちらもご覧ください。