ファイナルアカウント第三帝国最後の証言 罪悪感と誇りの狭間で
「ファイナルアカウント 第三帝国最後の証言」を鑑賞しました。
こちら、めっっちゃ貴重な映画です。
人類の争いの歴史や残忍さを知っておくための資料として、これほどうってつけなものはないでしょう。
今回の記事では、「ファイナルアカウント 第三帝国最後の証言」をより深く味わうために、押さえておくべき知識やポイントをお伝えします。
はじめに
まずは、このセンシティブな内容を映像化した、ルーク・ホランド監督について解説します。
ルークホランド監督
ルーク・ホランド監督は、今作を撮り終えた直後、2020年6月にお亡くなりになりました。
強烈なメッセージのこもった残したものです。
ホランド監督は、10代になって初めて、母がウィーンからのユダヤ人難民で、祖父母はホロコーストで殺害されたというルーツを知りました。その後、10年間の間に、250を超えるインタビューを行い、本作完成直後、71歳で癌で亡くなりました。
監督の生前のメッセージ動画が公開されています。
彼らが、なぜ沈黙を守り続けたのか。
こちらのメッセージ動画を観てから映画を鑑賞すると、よりよくわかります。
罪の有無への答えとは
「ファイナルアカウント」のインタビューを受けた人は、そこまで階級が高くなかった人が多いです。
自身で直接手をくだしていない軍人や、収容所でパートタイムをしていた女性などが半数以上でした。
そういった人たちへも、監督は罪の有無を尋ねています。
彼らの答えは
「自分の意志で行動したなら罪」という意見が多数でした。
これらの意見を受けて、OPの「生まれながらの犯罪者はいない。作られるのだ」という監督のメッセージに繋がるのです。
上官クラスは
親衛隊の上官クラスは、また違った意見を述べていました。
こちらの内容はブログにて。
見どころは学生との座談会
私が最もオススメしたいシーンは、学生と元親衛隊の男性との意見交流会のシーンです。
こちらはインタビュー形式ではなく、交流会の様子を監督が撮影しているシーンとなりますが、かなり胸にくるものがありました。
若者と衝突するシーンや、それでも大切なことを次の世代へ伝えたい。
そんな思いが爆発しているシーンで、見ごたえあります。
ドイツの若者の生の意見を聴けるのも面白いです。
用語紹介
「ファイナルアカウント」に登場する、ナチスドイツに関わる用語を解説しておきます。
おさえておくと、インプットしやすくなるはずです。
また、手塚治虫氏の「アドルフに告ぐ」も比較的読み進めやすく、学びが深いのでオススメです!
青少年への洗脳や、ヒトラーユーゲントに関しては、こちらが一番よくわかります。
水晶の夜
映画の中で、ピックアップされる出来事です。
暴動に加わったのがどこまでの範囲なのかは諸説あります。
映画の中では「当時はそれほど悪いことだと思っていなかった」という意見が。
それほど、ユダヤ人迫害の勢いが慣習となっていたのですね…。それが恐ろしいです。
親衛隊
SSと略して言われることが多いです。
また、武装親衛隊と呼ばれる組織は、親衛隊が武装した組織で、国家の軍隊ではなく、党もしくはヒトラー個人の私兵の総称です。
優れた国民として、エリート意識を持たせ、私的に利用するための軍といったところでしょうか。
インタビューを受ける人の中には、もと武装親衛隊もいます。
彼の受け答えはなかなか恐ろしいですよ。
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます!
「ファイナルアカウント 第三帝国最後の証言」について解説しました。
恐くて触れたくない気持ちも分かりますが、ぜひ見て学んでいただきたい作品です。
ブログでは更に詳しく情報をお届けしています。ぜひ遊びにいらしてください。