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世代を超える。

私には、不定期だけど、必ず会う、
年の離れた友人が居る。


元々は、娘が幼稚園の年少さんから、お世話になっていた習い事で、音楽学校の受付をしていた女性だ。


その学校は、音楽家の妻と、建築家の夫が、
音楽を楽しむ人の為に鴛鴦之契で創立した、
とても雰囲気を感じる3階建ての建物だ。
子供から大人まで、通常は個人レッスンだが、
発表の際には、年代性別区別無く、全生徒で、
ソルフェージュする。

歴史あり、古めかしいながらも、四季を眺められ、
温かさを感じる、とても不思議な空間でもある。


毎週木曜日。娘を先生と共に、
階段下で手を振り見送り、
受付前にある椅子に座って待つ。
各部屋から、演奏と、
愉しげな話し声が聞こえる。
そんな時間が好きだった。

人間観察も興味深い。
此処で働く女性たちは、(少ないが男性も)
穏やかながら、
皆、自己を確立した人ばかりだった。
(音楽を愛しているのが分かる)
娘も成長した。

友人はその中でも、さらに
しなやかな強さを感じる女性だった。

服装は黒が多い。(しかし似合う服を熟知してる)
アクセサリーを楽しむ。(また絶妙な合わせ、唸る)
化粧、ネイルも楽しむ。(自分の感性で)
グレイヘアを楽しむ。(似合う人が居るものだ)
姿勢が良い。(見てるとこちらも背筋伸びる)
言葉が丁寧だけど、厳か。
(経験値に基づくだけでは無い、頭の賢さ…)

人間、自分で分からないものには、恐怖を感じるものだ。初対面した時は怖そう…と思ってた。


会う時は、一緒にお茶をしながら、
そのままランチの時間を共有する。
話しにもテーマがあったりなかったり。

前回は「想像力の欠如について」他者を思い遣れ無い人が増えたのは、他者の心の存在すら、考えることが
出来ないからだとか…
新聞やニュース、芸術、音楽、ファッション、子育て、大切なこと、
さまざまに、
思い思いに話して聞き合う。
長居はせずに、「又会おう」とサヨナラして、
それぞれに帰宅する。

心が満たされます。
お互いにお互いの思いが、
通じ合う瞬間があって、
決して愚痴は話題にすら出ない。


女同士って、立場も変われば
(嫁姑問題とか)難しい関係にもなり得るから、
こういう間柄って、
貴重だし、神様に感謝しかないと思う。


今日は、東京は雨。
友人も窓の外を眺めている。
そんな姿が、頭に浮かんで
…ふいにジンと来た。

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