うたたねと黄昏と。
冷たく深い霧の中。
白い蒸気と化した彼が歌をうたう。
あたし女だったら良かったわ
力ずくで女の思うままにならずにすんだかもしれないだけ
あたし女に生まれれば良かったわ
歌詞があまりにシュールだよ、心中を察すると、
『いや、そこは男だよ、あの曲は…』
なんて言葉をかけることも出来ずに
目醒めた。
寝室の天井に陽が差し込み、起き上がる。
いろんなことを棚卸ししたせいで、うっかり忘れてた
スランプサーフィンがやって来たのに気がついたのは
だいぶ後。そもそも生きること自体が重さのあるものなんだから、荷を下ろせば当然軽くもなる。
加味して、ボードに立つバランスを全力で保て。
あれほど、「気をつけてね」と自分の使用説明書に赤線を引いたはずだったのに。
大丈夫。まだ波に上手く乗れるはず。
いろいろな感情が行き交うのは、リアルだけじゃなくネットの世界でも全く同じなんだと分かってから避難するように扉を閉めた。
特にマイナスの感情ほど、ダイレクトに伝わって来る場合がある。自分に向けられる悪意のようなものを不意に投げつけられて、あまりに直球過ぎると息が止まるんじゃないか?と思ってしまうくらいダメージを受ける。
ある友人が言っていた、「人間もいろんな人が居るから、言霊もいろいろなのね。考える生き物だから、考えているだけで、念を飛ばしてたりするんだよ」と。
当時はよく理解していなかったけど、なるほど…こういうことか…
子供の頃、人混みの流れが異様に怖かった。
大人になって、[陽気な振りして悪意を振りまく人間]がいる事を知った時の衝撃は忘れられない。それ以来、違和感を抱いた人とは一線置いた方が良いと学んだ。
でも例え悪意を向けられても、わたしはそれを、ちょっと明るく軽くしてから、とにかく手離す。
群れなくていい。その他大勢に紛れ込まなくていい。
常に自分に問う。問い続ける。
自分は自分だから、他人を羨んだり妬んだり、そんなことは時間の無駄だと思うのだけど、それは自分が他人から見れば、場合によっては恵まれた環境にいることに気がついてないだけだから…なのかも知れない。だから自分で考えて自分で行動する大切さがある。
ファイト
たたかうきみのうたを
たたかわないやつらがわらうだろう
ファイト
つめたいみずのなかをふるえながらのぼってゆけ
満島ひかりさんバージョンも素敵。
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