野菜って、畑でもいだものを、その場で食べるのが一番おいしいと思います。
一口噛んだときに溢れ出る水分、そのみずみずしさの中の生命力(養分)が、一気に身体に入る感じ。
この瞬間のおいしさ、小手先では敵いません。
僕は野菜を料理するとき、いつもこの究極を目指しています。
店の前に畑があるわけではないので、目指しても届かないんだけど、採れたてには敵わなくても、その良さに近づける、その良さを損なわない料理。
「採れたての野菜のおいしさを最小限の調理で食べてもらう」のがテーマです。
しっかりと時間をかけて作り込んだフレンチ惣菜に、生き生きとして軽やかな野菜を添える。
そんなイメージで。
だから、グリーンサラダには敢えてドレッシング的なものは使いません。
その時々で、その日の野菜のコンディションにあわせて対応できるよう、ビネガー類とオイル類を、野菜の味を確認しながらその場で合わせて使っています。
僕が使っているビネガーは、
シェリービネガー、フランボワーズビネガー、バルサミコなどなど。
オイルはオリーブオイル、クルミオイル、米油などなど。野菜や料理に合わせて変えています。
野菜も生きているものだから、毎日同じではありません。一個一個、形も味も違うのが当たり前。僕の仕事は、そのそれぞれの個性を最大限に生かすことで、それがプロとしての役割なのかなと、大切に手をかけられ、たくましく育った野菜を見ていると思います。
少し前から調布と八王子に畑をもつ、三ツ木農園さんにお世話になっています。
朝、採れたての野菜を仕入れる事ができ、とてもありがたいです。
当店は世田谷区のはずれですが、三ツ木農園さんの直売所がある調布の深大寺までは自転車で15分。こういう農家さんのおかげで、僕らは美味しい料理をお客様にお届けできています。
三ツ木農園さんは、近隣の農家さんの野菜も一緒に販売していまさ。直売所はこちら。
↓
深大寺のタケノコも、こちらのものです。
流通が発達して、海外のものもすぐに手に入るようになった今、大手スーパーの野菜売り場には、旬を問わずたくさんの野菜が並びます。
が、やはり見た目以上に水分が失われ、そのおいしさが半減したものが多いなと思うことが多いです。
流通にかかる時間は、味をものすごく左右しますね。
しかしその一方で、輸入野菜や輸入食材があるおかげで、天候による不作があったとしても、日本では食料不足に見舞われる心配がないのも事実です。それぞれ価格は上がりますが、国民が飢えるということがないのは、ありがたいことです。
どっちが正解でも不正解でもないですが、ただ、僕たちの暮らしの衣食住を支えてくれる農業、漁業、林業などに携わる方々が海外との価格競争でやっていけないという現状は、なんとかしたいなと思います。高いか安いかではなく、適正な価格かどうかを見極めること、輸送費をかけて遠く離れた海外から運ばれてくる輸入品の方が安いことの背景に隠された事など、興味を持ち見る角度を変えれば「野菜」一つからも見えてくることがたくさんあります。
そういう壁の向こう側のこと、色々と見て聞いて考えて、僕としてはなるべく地域に根差したものの地産地消、そして日本の農家さんを応援したいという思いになりました。
三ツ木農園さんは東京都から「東京エコ認定」を受けた力強い野菜をたくさん作られています。
東京にもそのような農家さんはけっこうあるので、興味のあるかたはお近くの直売所に是非立ち寄ってみて下さい。
レスラーみたいな体型の僕ですが、
おいしい野菜が大好きです。
季節が変わるごとに、そんな野菜と出会うのがとても楽しみです。
つまり
ではまた。。