
美想空間が手掛けるリノベーションショールーム『KLASI COLLEGE』を徹底解剖!
大阪市港区築港エリア。
かつて港湾都市として栄え、多くの人々が集い賑わっていたこのまちも、時代の変化と共に人の流れは変わり、いつしか、南側の海遊館周辺以外のエリアは静寂に包まれるようになりました。
そんな築港の中心に立つ1952年築の古ビルを、私たち美想空間は「KLASI COLLEGE」というリノベーションショールームとして生まれ変わらせました。
「KLASI COLLEGE」は、暮らしに寄り添った提案を通じ、単なる建物のリノベーションを超えた、エリア全体の活性化を目指したプロジェクトです。
今回は、「KLASI COLLEGE」のこれまでの活動内容や官民連携の手法などを詳しく解説します!
プロジェクト概要
築港エリアは、高度経済成長期に栄えた歴史的な港湾エリアであり、レトロな建物が立ち並ぶ街並みが特徴です。
しかし、その繁栄も時代と共に終わりを迎え、次第に人々は離れ、商店街もシャッター通りに変わっていきました。
この現状を目の当たりにした地元住民の「どうにかして地域を再生できないか…」という思いがこのプロジェクトのはじまりでした。
地元住民の想いを聞きつけた私たちは、「新しい人の流れ」を作り出すべく、港区とともにこのプロジェクトを官民連携で推し進めていくことを決めました。
2018年 港区プロジェクト始動!
(※リノベーション前のKLASI COLLEGEの様子)
官民連携協定の締結
2018年、わたしたち美想空間は大阪市港区と官民連携協定を調印しました。
官民連携の基本的な方針は、【行政と民間双方の視点から、築港エリアの”持続可能な再生”を図ること】です。
わたしたちは行政が提供するリソースを活用し、地元住民や長く地域に根付いている企業との対話を大切にし、ビジョンを共有したり地域の暮らしに寄り添ったイベントやマーケットを通じて、徐々に信頼関係を築いていきました。
大きな資本を投資した「再開発」ではなく、既存の建物やモノ・コトを生かし「今あるものをよりよくすること」、これがわたしたちの当初からの変わらない考え方です。
また、補助金を使わず民間資本による事業計画である点も重要視しました。
行政からは主に広報サポートを受けつつ、あくまでも自社で収益を上げられる「持続可能な計画」にこだわりました。
(※当時の港区区長(筋原区長)との対談の様子)
KLASI COLLEGEの活動
まちづくりとショールーム、両面から見るKLASI COLLEGEの役割
KLASI COLLEGEは、「まちづくりの拠点」と「リノベーションショールーム」、2つの役割を担っています。
築67年の歴史ある建物には、石造りのカウンター、鉄砲階段、丸柱、レトロな建具など、趣のある意匠が随所に残されており、ここを訪れた方は「リノベーションされた空間」を十分に体感することができます。
住宅リノベーションを主軸事業としているわたしたち美想空間のお客様も、打ち合わせの際などにはショールームであるここに訪れてくださっています。
また、年間を通じて「暮らしを楽しむ」をテーマにした多種多様なイベントを開催しており、これにより地域住民の方との交流はもちろん、築港エリアへの新しい人の流れも創出しています。
こういった取り組み・活動は、既存建物の有効活用のモデルケースとして注目され、美想空間には、住宅リノベーションだけではなく「空きビル(価値ある建物)」の利活用相談も寄せられるようになりました。
グッドデザイン賞受賞
KLASI COLLEGEは、①築67年の歴史あるレトロビルを活かしリノベーションの魅力を体感できる空間に変えた点、②ワークショップやマーケットの開催を想定したフレキシブルなフロア構成、③地域活性化のプラットフォームとしての役割を果たしている点が評価され、2020年にグッドデザイン賞を受賞しました!
建物といったハード面のみならず、活動内容や存在意義といったソフト面にも評価をいただけたことは、社内はもちろん社外からも喜びの声がたくさん届き、大きな達成感を感じた瞬間でした。
リノベーションのショールームとは珍しい。
この手のものは、モノというより、コトの見える化であるが、これは逆にコトのモノ化とでも言おうか。
しかし、実際にリノベし、利用し、共有することで、地域における選択肢が広がり、Uターン、Iターンなど働き方生き方のキッカケを作る場となるのであれば非常に意義深いものになるだろう。
実際に若い人が集まる写真を見ると建築が醸す世界観がしっかり伝播しているようだ。
KLASI COLLEGEでのイベント実績
KLASI COLLEGEでは大小含めると年間20件近いイベントを開催しています。
ここでは、中でもKLASI COLLEGEでおなじみのイベントを紹介します!
もった市
わたしたち美想空間はリノベーション会社であるため、現場に行くと「いい感じの雰囲気をまとった古き良きもの」に頻繁に出会います。
捨てることで終わらせてしまうには「もったいないもの」たちを、次の持ち主に繋ぐべく、「もった市」というイベントを不定期で開催しています。
「もったいない」は日本にだけ存在する言葉で、元々は「ものが持つ本来の価値をなくしてしまうことが惜しい」という意味があります。
一度役目を終えたものが、新たな価値を見出してくれる次の持ち主と出会えますように!そんな思いのもと、活動しています。

載っているものすべて、”もった商品”です。



珈琲万博
関西の人気コーヒーショップやロースタリーが大集結するイベント「珈琲万博」!
2022年の第1回開催以来、たくさんのコーヒーラバーたちの支持を受け、瞬く間に成長を遂げたこのイベントは、今や関西を代表するコーヒーフェスとなりました。
珈琲万博では、ただコーヒーを楽しむだけではなく、会場に集まったお客様と出店者さんたちがコーヒーを通し繋がり、自然と会話を交わし、心地よい時間が流れます。
コーヒーだけでなくこうした時間も楽しめることが、珈琲万博 最大の魅力です。
珈琲万博 はこれまでvol.01~04までを開催し、延べ4000人が来場しました。


ゆったりとした空気感で開催したvol.04。

まさに、贅沢な時間!

みなとくらしマーケット
みなとくらしマーケット(通称”みくまけ”)は、ハンドメイド作家や飲食店など、約30店舗が集結して開催されるマーケットイベントです。
OPEN当初から開催しているKLASI COLLEGEを代表するイベントで、これまでに延べ約2,500人以上が来場しています。

冬の焼き芋が(←常連出店者さん)たまらんのです◎

ワイワイガヤガヤ、いい雰囲気!

美想空間お手製のピザ窯でピザも焼きました!
築港エリアリノベーション協議会
「築港エリアリノベーション協議会」は、美想空間代表 鯛島が発起人となり結成された有志団体で、地元住民や、築港エリアに所在を置く企業、築港に関わりのあるクリエイターたちが所属し、「築港のまちを元気にしたい」という共通の想いのもと、新たな人の流れを生み出すイベントを企画したり、空き物件をリノベーションして新規事業を誘致するなど、様々な活動を行っています。
KLASI COLLEGEは、この団体の活動の中心となり、KLASI COLLEGEを飛び出したイベントも行っています。
築港エリアリノベーション協議会主催の代表イベントはこちらに詳しく書かれていますのでぜひご覧ください!
KLASI COLLEGEの建築
仕様
敷地面積:683.66㎡
建築面積:575.511㎡
延床面積:1,269.469㎡
主体構造:RC造 一部鉄骨造
階数:3階建て
設計と法的対応
この建物は、建設当時最先端であった建築的意匠や工夫が随所に残されていたので、極力既存を生かしたリノベーションを計画しました。
また、消防法に則り、誘導灯と自火報を設置し、飲食店・店舗(美容室)などは200㎡以下に区画し、用途変更申請は不要としました。
そして、度重なる増築や改修により複雑になっていた動線を整理し、フレキシブルなフロア構成にして各用途に適した空間を設けました。
そうすることで、訪れたみなさんは、館内をぐるぐると回るうちに目的としていた場所に加え、新たな暮らしの「発見」ができるつくりとなりました。


グラフィック担当者の工夫のおかげで、複雑なフロア構成も非常にわかりやすい!
メディア掲載
KLASI COLLAGEはコトの評価だけでなく、建物としても高く評価を受け2022年7月号の建築企画に掲載されました!


KLASI COLLEGE、今後の展望
KLASI COLLEGEは、今後も、単なるリノベーションのショールームではなく、訪れたみなさんが”自分の暮らしをもっと豊かにできるヒント”を持ち帰ってもらえるような場を目指して、「まちづくりの拠点」と「リノベーションショールーム」2つの役割を軸に活動を続けていきます。
イベント情報は、随時、公式ウェブサイトやSNSにて発信しております!
ぜひ引き続きご注目ください!
美想空間公式HP
美想空間公式instagram
KLASI COLLEGE公式HP
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