これからの時代になぜ、モンテッソーリ教育が必要なのか?
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目次
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◎ モンテッソーリ教育の開発者『マリアモンテッソーリ』について
◎ モンテッソーリ教育とは?
◎モンテッソーリ教育=英才教育?
◎なぜこれからの時代にモンテッソーリ教育が必要なのか?
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◎ モンテッソーリ教育の開発者『マリアモンテッソーリ』について
マリア・モンテッソーリは1870年にイタリアローマで産まれました。
19世期にローマ大学医学部に初めて入学した女性であり、1886年に女性初の医学博士号を取得した大変優秀な女性です。
卒業後も医学会で差別的扱いを受け、ようやく得た職は治療らしい治療はうけられない当時監獄のような精神病院でした。
ここでマリアモンテッソーリは障害児の治療法を産み出すのです!
医師であったマリアモンテッソーリが障害児を注意深く観察し、感覚的な刺激を求めることを認め、感覚教育法を応用していきます。
この方法を追求するために医師を辞め、ローマ大学に再入学。
哲学を学び、生理学と精神医学の研究をし、のちにモンテッソーリ教育と呼ばれる独自の幼児教育法を確立します。
女性に厳しい社会の中で道を切り開いていった、まさに女性の社会進出の最先鋒です。
1950年にはノーベル平和賞の候補にも挙げられています。
◎ モンテッソーリ教育とは?
モンテソーリ教育のスタートは観察です。
この事からも分かるように、子どもをよく観察し今この子は何を感じていて何をしたいのかを観察することがモンテソーリ教育と言えると思います。
モンテッソーリ教育で大切な要素は
1 環境を整える 2 敏感期を知る 3 自主性を高める
だと考えています。
1、環境を整える
大人と子どもでは明らかに見えている景色が違います。
子どもの感じ方や理解度は大人とは違うのです。
まずは子どもを知り、子どもと大人の違いを理解することが重要です。
そして子供にとって快適な環境を用意します。
子どもの小さい手でも使える、子どもサイズのはさみやお箸を用意する。
服やおもちゃは自分で選んで自分で片付けられるように整理整頓をして、いつも決められたところに置く、などです。
また子どもを取り巻く大人も環境の重要な一つということを意識します。
子どもは大人を見て学ぶので、言葉で言って聞かせるよりも行動で示すと理解が増します。
水の注ぎ方も「見ててね」と言い、順序立てて、ゆっくり、子どもの見える視線に先でやってみせます。
言葉の遅れが気になっている場合は、いつもよりゆっくり丁寧に、絵本を読んであげると効果があると思います。
大人の話している口元を子どもの目線に合わせて、ゆっくり話しかけることも効果的です。
誠実な人間になってほしいと願うならば、周りの環境である大人が子どもに誠実でなければなりません。
2、敏感期を知る
一般的に言われているイヤイヤ期。
これは自我が芽生え始め、感受性が非常に敏感になる時期です。
敏感期は大きく分けて以下の6つです。
1、言語の敏感期
2、秩序感の敏感期
3、感覚の敏感期
4、運動の敏感期
5、数の敏感期
6、文化の敏感期
個人で強く出る敏感期の差はありますが、発達段階で必ず現れる敏感期です。
これらの興味関心が出た時が、人生で一度とも言える驚くべき成長を遂げる感受性の現れなのです。
敏感期を理解できれば子どもの主張も見えてきます。
イヤイヤ期にお困りのお母さんも子どもと自分を客観的に、冷静に観察し、対応していくことができます。
3、自主性を高める
環境を整え、敏感期を知っていれば、自主性を高めることができます。
大人が先回りしてやってあげたりはせず
【 子供に任せてひとりでやる → 失敗 → やり方を見せる、環境が悪かったら直す → ひとりでやる → できる → 自主性が育つ 】
この繰り返しが大切です。
私も日々反省していますが、時間と心にゆとりを持って子どもと接したいです。
◎ モンテッソーリ教育=英才教育?
モンテッソーリ教育=英才教育、と言われることがありますが、私はそうは思いません。
モンテッソーリ教育=子どもの育ちを手助けすること と考えています。
赤ちゃんが自然に母乳を飲めるようになったり、ハイハイができるようになったり、歩けるようになったり…教えなくても自然にできるようになる育ちがあります。
そのような事から、人は皆生まれたときから【自己教育力】というものを備えているとモンテッソーリ教育では考えられています。
「子どもには成長のための与えられた宿題があり、それを成し遂げるための自己教育力が自然に備わっている」という考え方です。
それは医学的な視点で子どもの様子をじっくりゆっくり観察し続けた、マリアモンテッソーリが見つけた大発見だと思います。
ですから大人は子どもに教えるのではなくて、子どもに敬意を払い生命に仕える事が重要なのです。
大人が今まで作った価値観や常識を当てはめては、子どもの成長を阻害してしまいます。
大人は「大人と子どもの違いを知る事」「子どもに合ったサイズの環境を整える事」そして何よりも「子どもを小さくて未熟なものと捉えず、1人の人間として尊重し敬意を払う事」が求めらます。
ですからモンテッソーリ教育を英才教育とは思わないのです。
子どもを観察して子どもの成長を助ける事、これこそが大人の役割であり子どもの自己教育力を阻害しないただ一つの方法ではないでしょうか。
モンテッソーリ教育=英才教育 ではなく、特に幼児期の敏感期に子どもの成長にあった環境を整えて、子どもが本来持って生まれてくる自己教育力を引き出すお手伝いをすることです。
◎ なぜこれからの時代にモンテッソーリ教育が必要なのか
世界中の全人類が直面しているパンデミック。
COVID−19という未だ未知のウイルスが私たちの日常だったものを奪っていきました。
それを「幸」ととるか「苦」ととるか
間違いなく新しい時代が始まろうとしていて、その変化に対応できる人間が求められます。
新型ウイルスだけではなく、今日の世界では様々な社会問題や環境問題を抱えています。
未来を生きるのは子どもたちであって、それらの問題を解決できるのは今の大人ではなく、可能性に溢れた子ども達です。大人は子どもの成長を助け、より良い方向へ導き、バトンを繋ぐとこが使命と考えています。
問題を作りあげてしまった時代と、その子どもが一生懸命に問題を解決しようとしても限界がある、と私は思います。
もっとグローバルで柔軟な視点で物事を理解し、考え、創造しなければならないのです。
どうしたらそのような人間を育てることができるでしょう?
私はその鍵がモンテッソーリ教育にあると考えます。
モンテッソーリ教育の目的は「自立していて有能で、責任感と他人への思いやりがあり、生涯学び続ける姿勢を持った人間を育てる」事です。
有名大学に進学するためのお勉強ではありません。
モンテッソーリ教育では様々な個性的ともいえる教具がありますが、教具を使いこなす事が目的ではありません。
自分のお仕事を自分で選び、最後までやり通す事こそが重要なのです。
そして生きていく上で最も大事な「日常生活」を大切にしています。
規則正しい生活を送り、自分で身支度を整え、自分で靴を履き、自分で水を汲み自分で飲む…
幼児期のモンテッソーリ教育の幼稚園である「子どもの家」では、自分のことは自分で、整頓された教室に教具が並び 自分で片付けまでできる環境、そして本物を使うこと、を一貫しています。
ですから今の日本では認可が下りないのですね。
認可を取るには、子どもの数に対して先生の数が多すぎる、危険なものは置けないのでハサミや包丁や陶器などの本物の道具を使えない、など大人ファーストな選択が求められてしまうからです。
モンテッソーリ子どもの家は、認可を取ることよりも子どもの成長を一番に考えた体制なのです。
これからの厳しい時代を生き抜く人間を育てるためには、大人ファーストで保育重視の幼児教育では成り立たないと思います。
マリアモンテッソーリの墓碑銘には「愛する全能の子らよ、人類と世界平和のために、私と力を合わせよう」というメッセージが記されています。
マリアモンテッソーリは平和と子どもの生命の尊重を訴える続けているのです。
まさに今の時代に必要なことではないでしょうか?
子どもたちと毎日生活する中で、豊かな発想力や行動力や集中力、そして短期間での著しい成長に驚かされます。
そしてその子どもの力を受けて、大人も輝けるのです。
モンテッソーリ教育は子どもだけのものでは決してありません。
敏感期のように著しい成長を遂げられなくとも、いつでも学び成長できると考えています。
私たち大人もモンテッソーリ教育から自分が幼児期に足りなかったお仕事を理解し、補うことができるはずです。
モンテッソーリ教育は科学と文化を大切にしていると感じます。
宇宙や体の仕組み、自分たちとは違う動物や昆虫や、住まう地球のこと、数字や言葉の概念などを幼児期に学びます。
小学部中学部高等部大学部…と進むにつれて、知的好奇心が刺激される教具や体験が用意され、自分が関心のあることをより深く探究していきます。
これこそが必要な教育ではないでしょうか?
しかし日本にはまだたったの一校の小学校と、2歳から15歳までの一貫校インターナショナルスクール一校しかなく、大変選択肢が狭いのが現状です。
藤井聡太棋士も受けたとして話題になりましたが、アンネ・フランク氏、現代経営学の父マーク・ザッカーバーグ氏、世界を変えた企業とも言われるGAFAの創始者達、前アメリカ大統領であるバラクオバマ氏、俳優のジョージ・クルーニー氏、等世界で活躍する多くの方がモンテッソーリ教育を受けて育っています。
今では世界140カ国以上の国に広まった教育法です。
日本の教育が遅れてい流ことが伺えます。
様々な問題に直面している私たちは「テストの点数が高く、親や大人の話をよく聞けるいい子」ではなく「主体的に問題を解決していく力のある子」を育てていく必要があるのです。
そのヒントはモンテッソーリ教育に詰まっているのではないでしょうか?
最後までご覧いただきありがとうございます。