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仕事の「指示」の正しい出し方

フリーコンサルタント・中小企業診断士の小林慶志郎です。
コンサルタントとして働く中で「もっとみんなが楽しく働ける環境を作りたい!」と思い、
「好きな人と好きな仕事をする」を当たり前の世の中を作りたくて、情報発信やスマホアプリ「BiSE」(バイス)の開発をしています。

今回は、最近仕事をしている中で感じたことについて、昔読んだ記事に絡めながら書いてみます。

城島健司氏の捕手論

ずいぶん昔に読んだ記事なので言い回しは正確か分ではないかもしれませんが、心に残っている言葉があります。
それは当時ダイエーホークス(現ソフトバンクホークス)に所属していた城島健司捕手のインタビュー記事に載っていた言葉でした。
「キャッチャーは、サインを出したところにピッチャーが投げられない可能性まで考えてサインを出す必要がある。ピッチャーが失投して打たれたとしても、失投する可能性まで考えてサインを出すのがキャッチャーの責任だ。」という趣旨の発言をされていました。
例えば、カーブのコントロールが悪いことが分かっているピッチャーに、勝負所できわどいところにカーブを投げるように要求して、その通りに投げられなくて打たれたら、それは当然キャッチャーの責任ですよね、という話です。

一人一人のピッチャーにクセや得意不得意があって、キャッチャーとして「ここに投げてほしい」と思ったときに、どんな指示を出せばそこにボールが来るかを考えるのがキャッチャーの責任だということですね。

こうやって書いていくと当たり前のことに聞こえますが、なかなかそういう心情にもなれないものです。

仕事でも一緒じゃない?

これって仕事でも全く一緒だと思います。
仕事を発注したり、部下や後輩に依頼するときに、どんな指示を出したら期待するアウトプットがあがってくるのかを考えて発注するのは、指示を出す側の責任ではないでしょうか?
にもかかわらず、「思ったとおりに動いてくれない!」と言ってイライラしてしまうことってありませんか?もしくはそういう状況でイライラしている人を見かけることが多くありませんか?

昨今のパワハラ撲滅の流れもあって部下や後輩に怒鳴り散らす人は減ったかもしれませんが、発注先に対して叫んでいる人はいまだに見かけます。
ですが、期待に合ったアウトプットがあがってこないのであれば、まずはその理由が自分の指示の出し方の問題ではないかをまずは考えてみる必要があります。
その人のスキルに合った指示になっているか、前提となる情報や知識は揃っているか、それらを踏まえて指示を出せているかです。

そもそもスキルが全く足りていないのであれば、その人をその役割で使ってはいけません。冒頭の野球の例でいうと、その人をマウンドにあげてはいけない、ということになります。
その人員のコーディネートや役割の采配まで含めて「指示する側の責任」です。

発注先であれば取引先を変更するなどの対応をとる必要があります。ミスマッチは解消した方が双方にとって幸せです。
「そんなこと言ったって会社の部下は使うしかないんだよ!」という場合もあると思います。それならそれで、その人ができる範囲の仕事をちゃんと作って渡すのがあなたの仕事になります。

そんな時、「じゃあ全部自分でやるよ」と言いたくなってしまう気持ちはありますが、それがクセになると自分の仕事を手放せなくなっていきます。自分の仕事のステージを前に進めるためには、自分ができることは(一時的に品質は下がっても)人に渡していくクセ付けが重要です。(自戒を込めて、、)

そのためには、まず自分の指示の出し方が適切かどうか、依頼している相手と"自分の指示の仕方"(内容ではなく"仕方")がマッチしているかをチェックしてみる必要があるでしょう。

これからの「指示」のあり方

ここまで「指示」という表現を使ってきました。
この言葉には上下関係のニュアンスが含まれます。

この先の働き方を想像すると、一人一人が自律してフラットな関係性で仕事をしていくことが増えると考えています。
すると、あらゆる仕事上のやり取りが「指示」ではなく「依頼」になります。

そう考えるとますます、相手を”ムリヤリ動かす”のではなく、”積極的に協力したくなる依頼の仕方”が必要になっていきます。
相手が前向きに”やろう”と思えて、こちらの求めるものを正確にリクエストする力が、この先ますます重要になっていく、ということです。
ミスマッチが発生しているのに相手を糾弾するような指示の仕方をしている人には、今後ますます協力者はいなくなっていってしまうでしょう。

そうなると、依頼する側も、依頼を受ける側も、相手のスキルや求めるものを分かっていたり、前提知識が一致している(共通言語がある)状態の方が、ロスが少ないですよね。それが私たちの提唱する「自分の好きな仲間とワークコミュニティを作る」ことのメリットでもあります。

そんな風に自分で働く仲間を選んでいく時代はこれからさらに加速していくはずですし、それを推進していく役割をBiSEとしても果たしていきたいと思います。


子育ても一緒かも。。。

完全に余談ですが、子育ても一緒だなと思いながらこの話を書いていました。
何回注意しても同じことを繰り返す子供に対して「何回言ったら分かるのぉ!!」と叫びたくなることが多々あります。ですがそれって、1回出した指示が伝わっていないということです。そのお願いの仕方では伝わらないってことですよね。にもかかわらず、こちらから同じ言葉で指示を繰り返してしまっている状態です。
よそから見たら、不毛なやり取りにしか見えないんじゃないでしょうか。

そういう視点を持つと子供との接し方も変わってきます。子供に対する言い回しを工夫してみたり、一つ一つがトライ&エラーの実験に思えてきます。とはいえ、それでこちらのイライラがすべて解消するわけではなく、まだまだ私も修業が必要なんですが。。。

はい、最後は脱線しましたが、働き方の変化に合わせて、人との関係性も変わっていくと思います。
今回はそんな中で気をつけるべきことについて書いてみました。


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小林慶志郎

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