「2020年 第23回みうらじゅん賞」受賞者の展示をハシゴする
昨年末、「第23回 みうらじゅん賞」の発表がありました。名前のとおり、みうらじゅんさんが独断で決め、独断で贈る賞。だいたい毎年発表されてて、なんとなくチェックし続けてます。
なんとなく。きっと、そのくらいの熱量がちょうどいい賞。
昨年度のものも、年末年始の休みにYouTubeで観ました。
ここではこの賞に関連する2つの展示レポートなどを書いていきます。
第23回みうらじゅん賞は8組が受賞
新型コロナの影響もあり、今回は多く出そうと、例年の倍近い8組が受賞した「みうらじゅん賞」(それも、みうらじゅんさんの匙加減ひとつ)。
内容は様々ですが、選考基準のゆるさも含めて楽しんでいる方がほとんどでしょう。
なんせ、みうらじゅんさんですから(蛇足ですけど、昨年のタモリ俱楽部での「日本で最も不要不急の男」には笑いました)。
そして、2020年の第23回みうらじゅん賞。
受賞8組は、人物、文房具、施設……と様々。
詳細は発表動画などを観ていただくとして、ここでは、発表動画でも紹介されていた、受賞者に関連する展示会などについて触れていきます。
DOUBLE FANTASY -John & Yoko
まずは、1番目の受賞者「ジョンとヨーコ」。
言わずと知れたビートルズのジョン・レノンと、その妻、オノ・ヨーコ。
この2人についての展示会が、2/18までソニーミュージック六本木ミュージアムで開催されています。「DOUBLE FANTASY -John & Yoko」。もともとは、イギリス・リバプールで開催されていたものの巡回だそう。
印象深かったのは、ヨーコの作品「天井の絵」。
脚立に上ると天井に小さく“YES”と書いてあり、ジョンとヨーコの出会いに重要な役目を果たしたという伝説的エピソードを持つアート作品。これが観られます! 虫眼鏡を使わせるほど小さな“YES”に大きな力が感じられます。
ヨーコの存在感と優れたアーティスト活動に意識がいく点で、メッセージ性の高い展示でした。
残念なのは、チケット代。一般当日2,600円……。良い内容でしたけどね。
春川ナミオ追悼展
続いて、5番目の受賞者の「春川ナミオ」。
知らなかったのですが、こちらも展示が開かれているとのことで、行ってきました。場所は銀座と新橋のあいだにあるヴァニラ画廊です。
「春川ナミオ追悼展」。タイトル通り、2020年に亡くなったイラストレーターの春川ナミオさんの追悼展で1/7まで開催されています。
豊満な女性への顔面騎乗愛あふれるイラストがこれでもかと飾られています。
来場者(2人とも女性)が話してました。
「ハイヒールの艶がすごくない?」
「サテン生地の質感がすごい!」
むちっとしたお尻や体に目がいきがちですが、それらファッション小物とのギャップが肉付きを強調させる。
まさにフェティシズム。
おまけ:ビルとテッドの大冒険
展示のある受賞者は以上2組でしたが、もう1組、触れておきます。
おそらく、発表動画を観たほとんどの人にサプライズを与えた受賞者。
「ビルとテッド」。
キアヌ・リーヴスの出世作と言われる『ビルとテッドの大冒険』の3作目『ビルとテッドの時空旅行』が公開中。合わせて、いくつか宣伝を見かけました。そのどれもが、B級(あるいはC級)映画として紹介。
果たして、みうらじゅんさんも、バカ映画として紹介していました。
私自身はキアヌと言えば『スピード』『マトリックス』世代で、作品自体を知らなかった。
で、その1作目『大冒険』を観ました。
「B級だ(笑)!」
くっだらないです。
でも、観ながら、終盤には主人公2人の「Excellent!!(エクセレント)」を待っちゃいます。
ひとつサプライズだったのは、EXTREME「Play With Me」が使われていたこと。ロックでした。
みうらじゅん賞の幅広さは、食い合わせがわるい(いい意味で)
さて、これら3組。
私は1日で観ました。とっても食い合わせがわるかったです(笑)
高尚なのかチープなのか、よくわからなくなる。頭の中がめちゃめちゃ。
関連性の遠いこれらをつなげる「みうらじゅん賞」。
実際、DOUBLE FANTASY展と春川ナミオ追悼展には、みうらじゅんさんからのメッセージカードとトロフィーが飾られていて、見つけるたびにちょっと嬉しかったです。
幅広さを楽しめる点で、みうらじゅん賞オリエンテーリングは面白かった。極彩色の刺激がありました。
改めて、みうらじゅんさんの幅広さと面白さを体で感じた、そんな年明け。