「情報共有」と「確認会話」の重要性 #2
こんにちは。
ブライトンスタッフのバースコンシェルジュです。
前回、情報共有の大切さについてお話させて頂きましたが
今回は確認会話について思うところを書かせて下さい。
(長文失礼いたします)
私は長く航空会社にいましたので、
安全に対する意識は高い方だと自負しています。
広く深く時間をかけて訓練された賜物です。大変感謝しています。
十年以上前だったと思いますが、
社外の有識者で構成されたアドバイザリーグループからの
安全に関する提言書が社員に配られました。
分厚い資料で内容もかなり重たいものでしたが、
中でもとりわけ興味をひかれたのは
ヒューマンエラーに関しての項目でした。
“ To err is human ” エラーをするのは人の常
エラー(ミス)は人間についてまわるものであって、
起こした人を責めるだけでは事故を防ぐことは出来ない
ということを表しています。
ヒューマンエラーが起きるのは航空業界に限ったことではありません。
何の仕事をしていても起きる可能性はあるわけですが、
特に命を扱う現場では、個人の些細なミスがエラーチェーンとなって、
取り返しのつかない甚大な事故につながる場合があります。
そういう現場にいる人間は日常作業においてもより一層、
安全に対してモチベーションを高くもち、エラーチェーンを断つために
様々な取り組みをしていく事が大切なのです。
確認会話とは、
・言っていることが相手に正しく伝わっているかの確認
・聞いた内容の確認
・相手がやろうとしていることに対して自分が感じた疑問の確認
・これから起こす行動が正しいかどうかの自己確認
を言います。
それは疑問点なく業務を遂行するために「ひとこと念押し」することです。
その確認会話の失敗事例が、前出の提言書に資料として載っていました。
某大学付属病院の看護師によって起きた
“確認会話の失敗による患者取り違え手術の事例 ”です。
ともに高齢の心臓手術の患者と肺の手術の患者を、
看護師が取り違えたまま、医師もそれに気づかず手術をしてしまったという、あってはならない事故でした。
事故の起こった原因のひとつとして、
確認会話をあるべき姿で行っていなかった、ということが挙げられていました。
実際に行われた確認会話と「あるべき確認会話」が記されていましたが
その時の状況が目に浮かぶほどの生々しさを感じ、恐ろしくなりました。
医療業界と航空業界は、人の命を預かるという点でとても似ています。
この事故を我が事のように感じ、より一層気をつけようと思った記憶があります。
さて手術室入口での患者の取り違え事故のあと、
同病院看護部は確認会話の改善への取り組みを始めたそうです。
事故防止、予防マニュアルを作るに際し、
それまでなかった「確認会話」の項を設けたのが、
それまでの医療業界にはない
新しい取り組みだったとアドバイザリーグループは記しています。
確認会話は現場において、とても有効で大切な取り組みです。
その取り組みは看護部など医療従事者には必然と言えますが、
ではそれ以外の職種のスタッフは関係ないことでしょうか。
私はそうではないと思います。
ここでは確認会話にスポットを当ててお話していますが
安全に関する取り組みは、全職員一丸となって
モチベーションを高めていかないと定着しないからです。
一部のスタッフだけ、一部の現場だけが
わかっていればいいのではありません。
外来、病棟に関わる全てのスタッフ、
なにより経営のリーダーがそれを実行し、
「確認会話をしましょう」「ひとこと念押しですよ」と
院内(社内)の風土を変えていくことです。
情報共有についての前回記事
https://note.com/birth_concierge/n/n6ae597a26481
株式会社ブライトン 公式HP
https://brighten.hp.peraichi.com/
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