コンピュータで演算を行うチップは従来、使い勝手の良い電子技術が活用されてきましたが、近年の高集積化でチップ内の配線が熱を帯び、性能が制限されつつあります。
チップ内の配線部分を電子でなく、光通信技術を導入し低消費電力化を行う、さらには光技術ならではの高速演算技術を組み込んだ、新しい光と電子が融合した光電融合技術をつかったチップが開発されつつあります。
NTTは2019年から20年にかけて、光電融合を実用化するための「光トランジスタ」「全光スイッチ」「光論理ゲート」などの技術開発に成功したと発表しました。
「光トランジスタ」は、電気信号を光信号に、光信号を電気信号に変換し、入力した光信号を別の光に変換・増幅する素子。
「全光スイッチ」は、光信号のオン/オフや光の行き先を切り替える。
「光論理ゲート」は超高速の演算処理を担う。
NTTは、これらの光電融合のデバイスを搭載した機器を配置した「オールフォトニクス・ネットワーク」を構築し、ICTインフラの性能を格段に向上させることを狙っています。