なぜ大阪のビル火災は大惨事になったんだろう
「医療介入する余地なかった」
と駆けつけたDMAT隊員が言っていたとのことで本当に悲惨な事故です。
昨日2021年12月17日に、大阪梅田の雑居ビルで火災が起き20数名の犠牲者がでる大惨事となりました。
ニュースをみると、雑居ビルでの火災ですが、ビル全体が燃えさかるような延焼していないです。その様子からみて、炎でというより、煙(一酸化炭素中毒)でやられて、医療介入しようがない状態になっていたと思われます。
今回の雑居ビル火災をみて、2001年に44人がお亡くなりになった新宿のビル火災を思い出しました。防火責任者の免許をとったときにも講習の例に出されました事件です。講習後には実際に新宿歌舞伎町の現場へ検証というほどではないけど、行ってみたりもした事件です。
そのときにも思いましたが、なぜこんな大惨事になってしまったのか。
避難経路は確保されなかったのか。
リアルにビルの前に立ちすくんで考えました。
どうすればよかったのか。
このビルの見取り図をみると、入り口付近にエレベーターと非常階段があります。つまり入口付近がふさがれると、奥からは避難する経路はありません。
だから入口付近でガソリンなどの燃焼力の強い液体が、一気に発火した場合、そこから外へ逃げ出すことはできません。
現場となったクリニックのサイトをみると窓がなさそうです。不完全燃焼した有毒なガスが蔓延したのでしょう。
なぜ、避難経路は2箇所確保されてなかったのでしょうか。
建築基準法によると、50㎡以上のビルで病院で使われている場合、避難階段が2つないといけません。ただし防炎素材を使う場合は100㎡まで適用されないようです。このビルは96㎡なのでギリギリ適用されないようです。
”防炎素材があるから燃え広がらないはず”ではあるけど、今回みたいに燃える液体をばらまかれたら…
どうしようもないです!
これは想定外なのでしょうか。
こんなことで亡くなるなんて、やりきれない思いですね。
新宿歌舞伎町ビル火災のあとも法改正があったそうですが、今回も改正されるのではないでしょうか。
なぜなら、このようなビルは全国にたくさんあるはずです。
さすがにもう一つ階段つくるのは、現実的ではないとしたら、
せめて
こういうつくりの場合は「煙を逃す窓はつけなければならない」とか、
「換気できる装置をつける」とか、
何か対策を立ててほしいものです。