コグニティブ・ファウンデーション
NTTが進めるIOWN構想は、次の3つの主要技術分野から構成されている構想です。
オールフォトニクス・ネットワーク(APN: All-Photonics Network)
<情報処理基盤のポテンシャルの大幅な向上>デジタルツインコンピューティング(DTC: Digital Twin Computing)
<サービス、アプリケーションの新しい世界>コグニティブ・ファウンデーション(CF: Cognitive Foundation®)
<すべてのICTリソースの最適な調和>
今回は、コグニティブ・ファウンデーションをご紹介します。
IOWN構想のなかで、コグニティブ・ファウンデーションは、「枠組みを超えて最適化・調和」します。あらゆるICTリソースを全体最適に調和させて、必要な情報をネットワーク内に流通させる機能です。
コグニティブとは、「認知の」という意味や「経験的知識に基づく」という意味もあります。コグニティブで利用されているAIは、自然言語を分析する機能や、学習をする機能が備わっており、基本的に分析する対象データの形式を問いません。構造化されていないデータも含め、あらゆるデータを分析対象とします。そしてコンピュータが人から与えられた命令を処理するだけでなく、あたかも人間のように自ら考えて、学習し、人間の意思決定をサポートする材料を提示してくれます。
コグニティブ・ファウンデーションは、自己進化型ライフサイクルマネジメントです。自己進化型ライフサイクルマネジメントは、ICTリソースすべてを柔軟に制御し、「自己進化」、「最適化」をします。
例えば、ネットワーク機器の監視データだけでなく、台風の勢力や進路といった気象情報、イベント開催情報などをも取り込み、災害発生前に未来予測を用い、対策立案し実行するというようにシステム自体を進化させていきます。
また、4G/LTEや衛星通信、Wi-Fi、WiMAXなど種類をこえてユーザーが無線の通信を使える無線アクセスを最適化するCradio(クレイディオ)も技術のひとつです。
Cradio®は、無線センシング把握技術で電波と通信の品質、混み具合などを可視化し「把握」します。次に端末の位置や周辺環境などの情報を基に、各端末の通信品質が、今後どのように変化していくのか、AIをつかい未来を予測・推定する技術で「予測」します。そして無線アクセスネットワークのパラメータの制御や、さまざまな無線ネットワークを連携・協調させる技術で「制御」します。
IOWN構想のなかで、コグニティブ・ファウンデーションはICTリソースを全体最適に調和させる重要な役割を果たしていきます。