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【生還】どうやら病みの時代は終わったみたいだ。



 結論からお話ししますと、検査ではウイルスはマイナスと判定され、所謂、新型コロナ感染症という診断ではなかったんです。

 三日前に、残念ながら感染してしまった患者さんを病院に送迎していて、密閉された車内で2時間ほど過ごさざるを得なかった。なので、コロナ以外の理由があったとも考えにくくて。
 予約をしたときに病院から電話で説明があったんですね。発熱外来は検査、診察、投薬など一連をすべて、待機していただいた車内で行います、と。
 仕方ない。いくら五類に指定が変更なされたとはいえ、相当な感染力だと思います。所謂、風邪に似てはいるけど、風邪を少年時悟空のかめはめ波とするなら、コロナは界王拳5倍のかめはめ波くらい(←もうちょっとマシな例えあらへんのかい)

 僕の検査の結果は、マイナス。体内にウイルスは残っていない状態。なので、すでにコロナウイルスが消えたあとに診察に来られたのでしょう、との主治医のご意見でした。
 コロナウイルスが確認されなかったこともあり、僕は診察室へ通されました。
「ごくまれにいらっしゃるんですよ。高熱でコロナだと診察に来られたら、すでにウイルスやっつけちゃってる方」
 大量発汗。最高39.8度に達した高熱。土砂崩れのようなゲイリー(←お昼時にごめんしてちょ)。それらすべては、体がウイルスに抗い、駆逐しようと争った証。
 生命力強いんでしょうねぇ、と、涼しげに笑う院長先生(←たぶん。高知県に来て、初めての内科さんなのでよくわからない)
 どこに行っても、なぜか笑われる僕。
「とはいえ、まだまだ高熱ですし、すぐには治らない。喉も腫れています。薬をお出ししますので、そちらで様子を見てください」
 僕に処方されたのは、一般的な風邪薬。コロナの治療薬はなし。

 実際のところ、二日ほど、体調の優れなさは感じていました。

 25(火曜日)
 ぼんやりとだるい(気がする。いつも以上に)。痛みはないけれど、たまに咳が出る。なんとなくしんどい気はするけど、気のせいかもしれない。

 26(水曜日)
 いくら夏とはいえ、汗をかき過ぎている気がする。このときになっても、いまだに体温を計ってみようと考えない呑気者。発熱そのものをまず起こさないので、体温を計測するということに意識が及ばないのです。
 そのくせ、寝込んでしまうと困ると思って、あっためて食べれられるものをたくさん作り置きしておく(←食い意地のなせる業)
 翌日に予約していた歯医者を延期させていただいて、なぜか安堵(←子供か)

 27(木曜日)
 朝起きるなり、あきらかにしんどい。なのに、「汗をかいてすっきりしよう」と何を思ったか、徒歩で買い物へ(僕は日に2時間近くウォーキングするのが日課なんですよ)
 しかし、やはり、どこか変(←当たり前)。額に手をやると、炒め物を始める前のフライパンの鍋肌(そこまで熱くないし、あんなに油ぎってもない、はず)
 ついに体温計測のとき。審判のとき(←大げさ)。わきに差し込んだそれからちらり実数を盗み見てみると、ひええ、みるみる上がってゆく。
 戦闘力38.5だとお!(←スカウター爆発)。見てしまうと起きる実感。知ってしまうと絶対、疾患。
 ああ、これが、世にいう、病気というやつ。収束してなかったもんなコロナ。逃げ切れたと思ってたのに。

 29(金曜日)
 起きるなり検温。
 ひえ。さらに上がって39.5度。たぶん、もう少しあったのだろうけど、目を背けるために中断。発熱外来の行っている病院へ予約の電話。歯医者同様、断頭台に向かう気持ちになる(←大げさ)
 検査結果は上記の通りで、ウイルスが検出されなかったので、行動制限はなし。
 気分よく帰宅したものの、回復したわけではないのでしんどい。喉の痛みも激しくなっているような。
 このあたりで思ったのは、通常の風邪と違って、コロナは、逆に近いプロセスをたどるのではないかということ。喉の痛み、せきから発熱へ進行するのが流行性感冒炎。コロナは体調異変が数日、いきなり、どんと高熱が起き、その後、せきや咽頭痛などが続く。個人差あるんでしょうけど(既知ならごめんなさい。世事に疎くて)
 食事をして、薬を飲めば、一時的に体力は回復するし、症状も和らぐ。しかし、個人的なピークはこの日の夜。
 高熱で眠るに眠れず、夕刻から翌朝までにとんぷくを3度飲み(規定ギリギリ)、冷凍食品用の保冷剤をジップロックに詰めて熱冷まシートとして使う離れ業(←窮地に人は色んなことを考える)。大量発汗で汗をかいて、次々にTシャツを消費(パジャマ用では足らず、一軍戦力までパジャマ化)
 こんなに辛いなんて。生活保護とかもらってもいいんじゃないか(←何を言っているのかさっぱり)
 そのうえ、深夜に腹痛で目覚め、トイレで滴り落ちるほどの汗をかきながらオールドマン。これって、もう、生活保護の申請に行ってもいいんじゃないかと考える(←どういう理屈だこれ)
 あたしゃーね(←唐突な浅香光代)、普段、寝室には通信機器を持って行かないのですが、この日はスマートフォンを持ってゆく。熱にうなされたか、「I LOVE とんぷく」だけの、?なラインを送ってしまう(←ふざけないと気が済まないのも重病)

 30(土曜日)
 目覚めても熱が収まった気配はなく(←飽きて計らなくなる)、軽快とはいかない。食欲はあるけれど、なんでも食べられそうにはない。
 こういうとき、おにぎりがいいと思ったのは、やっぱり日本人ですよね。(←糖質を控えているので、普段はほとんど白米を食べません)。ごはんを食べると元気になる。
 よし、元気なうちに生活保護の申請に……(←冗談ですよ冗談)
 いくぶん、回復しつつあるのか、放っておいてしまったひげを剃る。病気のときは、生活の様々な些細なことが疎かになってしまう。もともと四、五日おきにしか剃ってませんけど。
 お昼を過ぎると、こんなにダラダラと生活してるのは久しぶりだな、なんて考えられるようになり、はっきりと回復を感じました。
 簡単なごはんを食べて、薬を飲んで、ベッドでYouTube。テレ東のドラマ。そのCMに流れていた、new jeansというグループ。その緊張感、不安感まで感じるサウンドスケープから思い起こしたのは、懐かしのプロディジー。昔のミュージックビデオって過激だな。
 きっと、普段なら見ないであろう、あれこれ。
 そして、暇つぶしに、と、ネタ記事一本書き始めて、いま。思わば、三日間もアルコールを飲まないなんて。
 健康の大切さを思い知り、それこそが幸福の第一条件。よし、今夜はビールにしよう。一本だけ角ハイも飲もう。
 サイヤ人は死に直面し、しかし、その窮地から生還すると、それまでよりも大きな力を手にするという。僕、地球人ですけどね。

 なにせ、この数日の闘病期間に、高知移住2年が過ぎ、3年目を迎えたのです。
 きっと、良い垢落としになったでしょう。

追記/
 本日、7月30日、最新の計測で36.5度。ほぼ平熱に戻り、無理はしない程度に全快といたします。あちらこちらから、ご心配くださった皆さん、心から感謝しております。 
 画像の折り鶴まで送ってくださった方も。ほんとうにありがとうございました。
 寄せてくださったコメントもずっと記憶していようと思います。
 すでに多くの方が経験されているとは思います。お互い、これからも気をつけましょうね。未経験の方は、これからも是非、ずっと経験せずに済みますように、心からお祈り申し上げます。

いつになく殊勝なビリー

photograph and words by billy.

 本日の一曲は、プロディジーのついでに聴いた、懐かしのオアシス。プロディジーが「エレクトロ・パンク」「電気パンク」と変則パンクで語られたに対して、オアシスはまさに正統派のブリティッシュ・ロック、ブリティッシュ・ポップ。
 時代を超越する、色褪せない美しいメロディのロックンロールです。

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ビリー
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