山で鳥見を始める 〜後編〜
寒さが残る早春の山林で
いち早く花を咲かせるマンサクが
春の訪れを知らせる
こんにちは。
前編を読み直して、話の方向音痴を振り返っておりました。noteの技は徐々に覚えて、これからの記事に活かしたいです。
バードウォッチングの活動は登山をきっかけに始まったことなので、登山者目線が多いことに、違ったご意見を持つ方もいらっしゃるでしょう。
これから始められる方には、いろんな人のいろんな活動を見聞きして、自分流の答えを見つけて体験していただきたいと思います。
さて、続きの話をしましょう。
今回も“場所”の話をしているので、どんな種類の野鳥を見たかには触れません。
鳥の行動は気まぐれなので。
・季節と天気と時間
探鳥しやすい季節は春と秋。
天気は晴れて風の弱い日。
時間は午前中。できれば早朝。
あくまで私の感覚ですが、このような条件が揃うと撮り高が良いです。
標高の高い山になると、道路の冬季閉鎖により秋の終わり頃から桜が咲く頃までの5か月くらいは入山ができなくなります。(雪山に足で登る方は自己責任なので、ここでは言及しません)
厳寒期にも山で活動を考えたいならば、最初はツアーの参加やガイドに頼る方法が良いと思います。
春に道路が開通する頃、夏鳥が来る時期と重なれば、美しい野鳥と黄緑に輝く若葉の爽やかな光景が期待できます。
新緑になってしまうと探鳥の難易度は上がりますので、若葉の時期が狙い。
また、この時期は大声でのさえずり(繁殖期にオスが縄張りの主張や、メスを誘うために発する鳴き声)が目印になるので、初心者にとって優しい季節だと思います。
紅葉の時期も葉が少ない時期になるので、比較的探しやすいです。
夏の繁殖期が終わって個体数も増えていますし、群での行動も増えるので、会える確率は上がると思います。
春と秋が気候的にも過ごしやすいですしね。
余談ですが、子育てをしている夏は警戒心が強いので、追いすぎに注意です。
猛禽類やカラスは人の行動をよく見る賢さがあるので、人の行動によって巣が襲われてしまうこともあるので、遠くから見守りましょう。
出かける前は山の天気予報の登山指数を参考にしたり、頂上付近の定点カメラをチェックします。平地で晴れていても、山では悪天候の時があるからです。
斜面の向きでも天気に差が出るので、標高が高いほど情報収集して出かけましょう。
平地でもよく見られますが、ツバメが低空飛行になるというのは気圧が下がっている証拠で、山でそんな状況を目にした時は下山します。
駐車場に着いた頃に雨が降り出すようなこともあったので、野生の天気予報も捨てたもんじゃありません。
日の出と共に野鳥は行動開始する。山の朝は早い。
日が昇る前、空が明るくなってくれば鳥の1日はスタートする。
山麓に住んでいるなら話は別ですが、山までの道のりは長く、暗い時間に家を出ることもありました。
早朝の野鳥は空腹のためか寝ぼけているような様子で現れてくれます。よく食べ、よく鳴くのは午前中で、午後になると何故か見つけづらくなります。(私だけでしょうか?)
太陽光の入り方の好みになりますが、太陽が登りきらない時間での撮影がしやすかったことや、山の天気は午後に崩れやすくなることも踏まえると、午前中が勝負でした。
夜行性の鳥を探したい場合は夕方から始める方も居ると思います。ただ、山の夜はスリリングすぎるので、登山初心者だけでの入山はおすすめしません。
大げさかもしれませんが、山岳保険かけたうえでガイドさんをお願いするくらいの気持ちで臨んでいただきたいです。
・色彩豊かな鳥を守ること
日本の留鳥(1年を通して同じ場所で見られる鳥)は地味。
ひどい言い方ですけど、そうだと思いませんか?
見つかりにくい方が日本では長生きできたという進化の証明かもしれません。
平地に居る集団行動の鳥と比べると、山地の野鳥は色彩が豊かに感じられます。
バードウォッチャーにとって環境的に“映えてる”ことも山の魅力かもしれません。
ただ、捕食者に狙われやすい綺麗な野鳥にとっては安全に繁殖できる場所が山なんでしょう。
命懸けで渡ってきた野鳥を探すことは、野鳥にとって大迷惑なこと。
このことは忘れないようにしています。
鳥から見れば人は脅威であって、逃げることは本能。それをパパラッチのように追い回したり、生活環境を破壊するようなことがあってはならない。
温暖化は野鳥の分布にも影響をもたらしており、この先、山で過ごす野鳥の種類も変わるでしょう。
どの環境にも共通することですが、貴重な環境を守るための意識は大切にしたい。
登山道を外れた立入禁止区域で撮影しない。
三脚立てる時は植物に気をつける。
野生動物に餌付けしない。
ゴミは落とさずに持ち帰る。
挨拶されたら返事する。(結構大事)
目的違えど山での常識は理解しておきたい。
山の春は遅く、冬は早く訪れる。
期間限定の野鳥の声に耳を傾けて、癒されてはいかがでしょうか。
・雑記
皆さんはどんな場所からバードウォッチングを始められたのでしょうか。
次回はある出来事をきっかけに、身近な場所へとフィールドを移します。
お楽しみに。