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【※ネタバレ注意※】 酒販販売管理研修

ども!店舗開店に向け粛々と準備を進めておりますきちブルーイングです。
本日は店舗にてお持ち帰りビールの販売が出来るよう、酒販免許取得のための責任者研修へと行って参りました。

講習が始まると、座学の前にまずはDVD鑑賞からスタートします。
実際の店舗における酒類販売責任者の役割を映像でわかりやすく教えていただけます。

舞台はとあるスーパー。登場人物は新人アルバイトスタッフの十文字くん。
店舗の酒類取扱責任者で、十文字くんの教育係である下塚先輩。
そして女性店長の百崎店長。以上の3名が織り成す酒類販売群像劇。

新店舗の酒類販売責任者に十文字くんが抜擢されるところからストーリーは始まる。新店舗オープンまでの間、下塚先輩の指導のもと酒類取り扱い責任者として成長していく様を描いていく。

細かな規則が設けられた酒類の取扱い、おっちょこちょいな性格の十文字くんはミスを連発。それでも下塚先輩の丁寧な指導によって、一つ一つを学んでいく十文字くんは次第に責任者としての理解を深めていく。

それでも一抹の不安が残る下塚先輩。仕事の休憩の合間、疲れをにじませながらもふと十文字くんへの心配事が頭をよぎる。

「酒類の取り扱いに関してだいぶ分かってきたみたいだが、年齢確認のところは大丈夫だろうか」

時を同じくして、男子学生風の二人組がお酒を持って十文字くんのレジに現れる。

(だいぶ若く見えるなあ)
十文字くん「お客様、年齢が確認できるものを見せていただけますか?」

差し出された学生証を確認する十文字くん。

「お客様の年齢は19歳のようですが・・・」

学生A「令和4年から成人年齢の引き下げがあって、18歳から成人って講義で習ったんですけど。なあ?」
学生B「ああ、間違いねえよ!俺ら法学部だしな!」

(確かに、成人年齢が引き下がるって聞いたことがあったな・・・ということは販売しても問題なしと)

十文字くん「学生証ありがとうございました。確かに年齢確認させていただきました」

学生A「ニヤァ」 学生B「ニヤニヤァ」

数時間後、休憩室で談笑をしていた下塚先輩と十文字くんのもとに百崎店長が血相を変えて入ってきた。

百崎店長「た、大変よ!今警察から電話があって、うちでお酒を買った20歳未満の学生が急性アルコール中毒で病院に搬送されたって!」

驚きながら顔を見合わせる下塚先輩と十文字くん。

十文字くん「そーえばさっき学生の二人組がお酒を買いにきましたけど・・・」

下塚先輩「十文字くん!年齢はちゃんと確認したのかい?!」

十文字くん「もっちろんですよ!二人とも19歳でしたよ!」

下塚先輩「じゅ、じゅ、じゅうきゅうさい〜?!!十文字くん!20歳未満じゃないか!」

十文字くん「え?でも成人年齢は今年から18歳に引き下がったはずですよね?」

下塚先輩「成人年齢は引き下がっても、20歳未満の者へは酒類を販売してはいけないんだ!」

十文字くん「・・・・」

下塚先輩「すみません店長。。僕の指導不足です・・・」

百崎店長「どーしてくれるのよ下塚くん!」

下塚先輩の肩を揺らしながら詰め寄る百崎店長。

「ねえ下塚くん!下塚くん!」

「下塚くん。下塚くんってば。」

百崎店長に起こされた下塚先輩。疲れからかいつの間にか休憩室でうたた寝をしていました。そう、彼は悪い夢を見ていたのです。

「ま、まさか・・」この悪夢が現実になることを恐れた下塚先輩は、十文字くんを探しに急いで店内へ。その慌てぶりに百崎店長も後を追いかける。

遠くのレジに十文字くんを発見。商品棚の影からそっと覗くと、そこにはなんと先ほど夢でみた学生二人組が十文字くんのレジに並んでいたのです。

十文字「お客様、年齢が確認できるものを見せていただけますか?
    お客様の年齢は19歳のようですが・・・」

学生A「令和4年から成人年齢の引き下げがあって、18歳から成人って講義で習ったんですけど。なあ?」
学生B「ああ、間違いねえよ!俺ら法学部だしな!」

下塚先輩「ま、まずい!」 急いで止めに入ろうとした次の瞬間。

十文字くん「いいえお客様。成人であっても20歳未満のお客様へのお酒の販売は禁止されております」

学生A「なんだよ買えねーじゃねーか!お前が買えるって言ったんだろ?」
学生B「お前が言ったんだろ!」
互いに不満をぶつけ合いながら店を立ち去る学生たち。

レジへと颯爽と駆け寄る下塚先輩と百崎店長。

下塚先輩「十文字くん!年齢確認、完璧だったよ!」

百崎店長「新店舗でも責任者としてちゃんとやっていけそうね!」

十文字くん「これも下塚先輩のご指導のおかげです!」

あはは。あはははは。(三人の笑い声が響き渡る)

            完 

この作品の見どころは何と言っても下塚先輩が予知夢という特殊能力を発動して、最悪の未来を変えようとする秀逸な脚本につきます。バック・トゥ・ザ・フューチャー的要素もあり、そこから一気に作品に引き込まれていきました。

そして結果未来を救ったのは下塚先輩の特殊能力ではなく、普段の指導の賜物であったというドンデン返しのオチ。見事にやられました。そして少し泣きました。


マスクがあって本当によかった。

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