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オッペンハイマーからCRISPRへ
先日飛行機に乗っているときに機内サービスで映画「オッペンハイマー」を見た。(原子爆弾開発の指導者的役割を果たしたロバート・オッペンハイマーを題材にした映画。)
日本語字幕がなかったので、しかたなく英語字幕。その時はまあなんとなく分かった気がする~とおもって家に帰ってあらすじ紹介サイトを見ていたら全然見ていたはずのストーリーと違って驚愕。。英語が全然わかっていなかったことが判明(ぴえん)。
オッペンハイマーはUCバークレーで助教をしていたこともあり(当時弱冠25歳。おそろしい)、UCバークレーがロケ地としても使われていた。
ロケ地になったのはどの建物なんだろうと思って調べていると、オッペンハイマー・ウェイ(Oppenheimer way)という小道の存在を発見。結局ロケ地の建物は同定できなかったが、このあたりで研究していたのだろうか。
夏休み期間というのもあり落ち着いた小道だった。日本ならセミの鳴き声が聞こえてきそうな雰囲気だがセミは全くいない。
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オッペンハイマー・ウェイを歩いていると、隣でノーベル賞受賞者専用の駐車場を見つけた。現実的に彼らが使っている感じはしないので記念スポット的な感じ。
奥に写真が見えるのがCRISPRで2020年のノーベル化学賞を受賞したジェニファー・ダウドナ先生。
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先日、ジェニファー・ダウドナ先生のトークを聞く機会もあった。このあたりで一番大きいホール(300人くらい入る?)がいっぱい。特別講演なので昔話(CRISPR発見秘話)が多いのかと思ったが、未発表の話も含む最近の研究がメインで圧巻。
トークのスタイルも洗練されていて聴衆に話しかけるように印象的な語り方をされていた、と、多くの人が称賛していたが、自分は内容に追いつくので一杯でトーク術を学ぶところまでいけなかった。反省。
本筋ではないが、ダウドナ先生が20年ほど前にイェールからバークレーに移ってきた理由の一つが私立大より公立大の方がよかったからという話(聞き間違いでなければ)には感銘を受けた。
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ちなみに会の進行もノーベル賞受賞者のランディ・シェイクマン先生
ダウドナラボからは最近CellとかbioRxivとか出ていた。
こちらはCas9を改変してDNAのほどきを早くすることで活性を上げたというもの
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0092867424004574?via%3Dihub
こちらは機能未知のタンパク質の機能をconformation予測から推測するものだと思う
https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2024.06.27.601042v3
CRISPR界隈の今のトレンドは
-エンジニアリング(CRISPRの効率向上)
-マイニング(次なるCRIPRを探す)
-デリバリー(CRISPRを標的に届ける)
の3つなのかな?(Feng Zhang先生もそんな雰囲気な気がする)
個人的には全く新しいものが見つかるマイニングが気になる。CRISPRではないにせよいつかはやってみたい。