『バイオマス』『生分解性』プラスチックの違いについて
地球環境に優しいとされる『バイオマスプラスチック』『生分解性プラスチック』ですが、この二つにはハッキリとした違いがあるのをご存じですか?
バイオマスプラスチック
「生物由来(バイオマス)の資源を原料にした」プラスチック。
ちなみに、原料に使われるバイオマスのほとんどは、古くなって食べられなくなったお米や、ホタテの貝殻、木材の製材時にでる端材などの植物の『非可食部分』から作られています。
再生可能なので、石油資源のように枯渇することがない!
さらに温暖化の原因とされる「CO₂(二酸化炭素)」の排出も抑えることができます。
なぜかというと、バイオマスプラスチックを焼却処分したとしても、排出されるCO₂は原材料の植物が光合成により吸収するCO₂量と同じということになり、結果的に大気中のCO₂の増減に影響を与えていないということなのです!
ちなみに、この性質のことを『カーボンニュートラル』といいます。
生分解性プラスチック
「通常のプラスチックと同じ機能を持ち、使用後は、微生物により水と二酸化炭素に分解され、自然に還る」プラスチック。
ごみとして焼却処理する必要がないので環境負荷が少なく済み、意図せず環境中に排出されても自然に分解されるので、海洋プラスチックごみの削減などに貢献できる素材です。
例えば、屋外におかれて回収しがたいものを生分解性プラスチックにすれば、土の中の微生物が分解してくれるので、プラスチックごみが残る心配はありませんね!
ただし注意するべき点として、完全に分解されるには時間がかかります。また、当然ながら100%生分解性プラスチック素材でなければ、一部が分解されずに残ってしまいます。
「バイオマス」「生分解性」結局、違いは何なの?
簡単に言えば、
地球温暖化防止には「バイオマスプラスチック」
プラスチックごみ問題には「生分解性プラスチック」
ということです。
気を付けたいこと!
●「バイオマスプラスチック」は生分解しないものもある。
現在使われているバイオマスレジ袋の多くは、自然環境中では分解されません!
●「生分解性プラスチック」はすぐに分解しない。
分解するとはいうけれど、ごみとして出てしまった翌日にきれいに溶けてなくなるなんてことはありません!
●「生分解性プラスチック」はどこでも分解するわけではない。
土の中でしか分解しないもの、海や川でも分解するものなど様々あります。また、海や川は土に比べ、圧倒的に微生物が少なく分解しにくいため、まだまだ開発段階であります。
バイオマスプラスチックと生分解性プラスチックは同じように扱われることが多いのですが、実際にはまったく違う特徴を持っています。
「生分解性」「バイオマス」といった言葉のイメージだけでなく、それぞれの特性を正しく理解して資材を選択し、環境問題の解決に貢献できるといいですね!