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【理学療法士の給与は増えない!?】

こんにちは、理学療法8年目のトムです。
本NOTEでは、理学療法士1年目の方や学生が知っておくといい、知らなきゃいけない【お金】に関する話をしています。

今回はずばり【理学療法士の給与は増えない!?】です。
ブログを書いていて、既に私自身が納得できないタイトルです。

???の方は必見です。


診療報酬制度の影響

 まずは、やっぱりこの問題。診療報酬制度。
理学療法士の給与は診療報酬による収益に依存しています。つまり、自分が理学療法士として患者さんにリハビリをしたことで得られるお金が直接給与に関わっています。
 しかし、そのリハビリをしていい回数や時間には制限があります。医療費を減らすためです。みなさんも病院を利用したことがあると思いますが、概ね自己負担は3割負担だったのでは?残りの7割は健康保険や税金から支払われる形になっています。この7割の国による負担を減らすために、一人の患者さんが利用できるリハビリに制限があるのが現状です。

 理学療法士の立場からすると、「今日は100人リハビリがんばるぞ!」ということができません。つまり稼ぐことはできないシステムになっています。働き手の生産性を上げても給与には反映されません。そのため、給与が増えにくいと思われます。

理学療法士の需要<供給

 次の問題は理学療法士の供給が多いこと。
理学療法士は年間1万人以上の新卒者が誕生しており、その10年前と比べて約2倍に急増しています。また、さらに厚生労働省の「医療従事者の需給に関する検討会・理学療法士・作業療法士需給分科会」によると、理学療法士と作業療法士の供給数(数)は2040年には需要の1.5倍になると推測されています。
 ここでひとつの疑問。「高齢者が増えているから理学療法士の需要も高まるのでは?」と、思った方。ほんまさすが。
確かに高齢者は増えますよね。おまけに出生数も減っていることから、ますます高齢化の世の中は間違いなさそうです。
 ただ、医療費を減らしたい国からすると、病院やクリニックをたくさん作って、理学療法士を雇える環境を増やしましょうとは考えにくいです。病院の数に限りがある中で、理学療法士はどんどん増えていく。そういったところでいつしか需要<供給になるのではと思います。
 供給数が多い上に診療報酬で収益を上げるのに制限がある。そうすると、病院側はわざわざ給与の高いベテラン理学療法士を雇うより、新卒の方を安く雇いたいと思うのではないでしょうか。診療報酬はベテランだろうが新卒だろうが同じですから。そうすると、いっぱいいる理学療法士の給与は上がりにくいと考えられます。

資格取得だけでは給与は上がりにくい

 理学療法士はみなさんご存じの通り、国家資格です。理学療法士として働くと、自分の働く分野ごとの専門的な資格も多いです。ただ、そういった資格は給与に反映されにくいのが現状です。多くの病院や施設では、経験年数に応じた給与体系が採用されており、昇給ペースは緩やかです。

今後の展望(希望的観測)

 理学療法士の給与は増えない!?というテーマでお話をしておりますが、やはりこれからの高齢化社会には必ず必要な仕事だと思います。
 ここからは私の希望的観測ではありますが、今後の理学療法士の展望についてお話しします。

 2025年現在、理学療法士の数は20万人を超えるとされています。先ほど需要に対する供給が多いと話しました。ただ、分母を大きく見て全国民とすれば、理学療法士の技術や知識を必要としている人が多いのはではないかと思います。

 超高齢化社会のなかで理学療法士としての開業権を得られるようになることや予防医療分野の市場拡大など。疾患に対する知識、それに対する対処法、なりにくくする予防。全部知っている理学療法士の活躍の場はブルーオーシャンだと思います。

 また、昨今のAIの普及により、多くの業務の効率化が図られていますが、やはり理学療法士の仕事は人と人との対面であること。ここはAIにはどうしようもないところだと思います。
 対面で理学療法を行っていくなかで、身体の機能的な変化はもちろんですが、患者さんとの会話や仕草、表情からその求める方向を探ることができるのは理学療法士の特徴のひとつだと考えます。患者さんと会話をする中で、まず痛みやシビレなどの症状をなんとかしたいという方がほとんどですが、多くの方がその先として「孫と旅行がしたい」や「家庭菜園をまたやりたい」、「サーフィンやりたい」などの目標を持っています。
 そこを問診を通して患者さんと信頼関係を築きながら、深いところまで知っていく過程はAIにはできないと思います。

 そういったところから、理学療法士という仕事はなくならない仕事だと思います。

 ただ、なかなか現行の法制度では理学療法士の給与は上がりにくいのが現状。
 なくならない仕事、これからの日本に必ず必要な仕事。なのに給与は上がらない。
 だからこそ、お金の勉強が必要なんです。自分や家族を守り、選択肢の幅を狭めないために、正しい知識を身に付ける。それはこの先の人生を歩む上で必要なひとつの武器になり得ると思います。

この

トム

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