入院7日目 10/08
今後の対応が決まる聴力検査の日。果たして良くなっているのかどうか…。
夜中、王舟から今度は超ひも理論についての解説動画が送られてくる。毎回スケールが大きい。ありがとう。
その後寝ようとしていると、諸々の不安が巨大なビニールボールのようになって体の上から自分を押し潰している感覚が起こり、寝れねーやつと思っていたがまたいつの間にか寝ていた。小さい頃遊びで兄に布団で簀巻きにされ、閉所恐怖症的にめちゃ怖かったのを思い出した。
5:10一度起きる。覚えてないけどそれまで見ていた夢の設定なのか、自分に何か大きな役割を持たされた上で目覚めさせられたような気分だった。点灯まで時間あるのでまた目を閉じる。
6:10点灯。コーヒー淹れる。
7:30朝食。ポーチドエッグ。
また横になる。気づくと、親戚の集まりの様子を柱の影から伺っている子どもみたいに、看護師さんがカーテンの仕切りから覗いており「お食事食べれましたか?」と、ビビった。この看護師さん昨晩も、パンツ一丁で足開きながら読書してたら急に現れ「お薬飲みましたか?」と。焦るのでもうワンクッション置いてから確認してほしい。
10時頃から点滴。点滴しながら聴力検査の呼び出しを待つ。緊張する…。
10:40外来より呼び出しあり、いよいよ聴力検査。
ヘッドフォンを装着し右・左それぞれから信号、正常な右からはホワイトノイズ・左からは信号、骨伝導に切り替えてのテストなど。
…結果、数値は良くなっていた。ただ未だ芳しくない状態であることは変わらず、治療するなら今のうちが良いということらしいので、入院はもう一週間延長する方針に。ステロイド治療も続けるが違う種類のステロイドに変えるとのこと。退院伸びるのはアレだがひとまずよかった。
検査はサイン波っぽい信号の有無確認で、サイン波を聞く上での数値上は良くなっているが、人の話し声などは聞き取れたとしても、柳沢慎吾のタバコの箱を使った警察無線のモノマネみたいな音に変換されて、内容は分からない。耳鳴りもデカめで常に鳴ってるし。先は長いがもう少し頑張ろう。
入院延長が決まると主治医さんが「じゃあステロイドの量もう一段階ガツンといっちゃいますか!」とか言い出して、仕事ぶりが気持ちいいライブハウスのPAさんみたいで面白かった。
12:00昼食。メヌケの照り焼き。どんだけ目飛び出てんのか調べてみたらトータルリコールのラストのシュワちゃんぐらい飛び出てて引いた。
昼食後入浴。のち各方面に検査結果と入院延長の連絡。
プロ病院ニストはらっちがまた来てくれる。はらっちの案内で病院内のおすすめスポットを色々探検してる途中、お見舞いに来てくれてた森眠るとちりちゃんとばったり遭遇。なんか近所の寄合所みたいになってきたな…。みなさんありがとうございます…!
病室に戻ると、歩いたからか少し目眩もあり、休んでいたらいつの間にか寝ていた。そういえば目眩はステロイドの副作用と思ってたけど、主治医の先生によると耳のリンパ液漏れてんちゃいますかとのこと、それこわない?
18:00夕食。今回初めての酸っぱい系であるキャベツと茗荷の酢の物が出る。うまいっす。
夕食後健診。血圧・血中酸素濃度の値を褒められ、着ていたoboco作のTシャツを可愛いと褒められた。
もうルサンチマンかましていい歳でもないけど、こんな石の裏のダンゴムシみたいな人間を気にかけて、わざわざ足を運んでくれる人がいるのは大変ありがたいことです。
小学校低学年の時は新聞部所属で、学級新聞に「ブリブリマン」という大便が主人公の漫画を描いており(ラスボスは「ケツリゴン」というお尻に足が生えたキャラ)、それが結構人気だったし、当時はまだ病弱だったしで、自分に何かあったら皆割と心配してくれてたように思うが、その時の感じを思い出した。
別に他人には頼らんスタイルで生きてきたわけじゃないけど、どうしても大人になるにつれて自分で全部なんとかせなという意識が蓄積していたっぽいし、もっと言えば施しを額面通りに喜んでいてはどこかでつまづくぞ、というところも正直あったかも。逆に言うと、それくらいこの世界は厳しいもので、今自分が横たわっている病室がそこからの避難所になり、その殻の中で初めて、他人の存在をまっさらな状態のまま受け止めることが出来ている。
突発性難聴発症後の大体の見通しとして「1/3の確率」がある、と主治医さんに聞いていた。1/3は容態改善せず悪いまま、1/3はある程度改善するが完治はしない、1/3は完治して元に戻る、というざっくりした確率があるみたい。とりあえずは治らない1/3からは脱したことになる。
22:00消灯。
消灯後の闇の中、今も爆音で耳鳴りが鳴っているがいつもよりか心は落ち着いている。