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新米ランドスケープデザイナーが、他拠点生活を始めたいとの思いから、とある田舎に築40年の空き家を購入。そこを豊かに暮らす場所に、との思いから試行錯誤の日々を綴ります。

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新米ランドスケープデザイナーが、他拠点生活を始めたいとの思いから、とある田舎に築40年の空き家を購入。そこを豊かに暮らす場所に、との思いから試行錯誤の日々を綴ります。

マガジン

  • 益子の住み処

  • 読書感想文(主にランドスケープ関連本)

    本って素晴らしいですよね。著者の方が何年もかけて研究したり考えてきたことを提供してくれるのですから。 今年はたくさんの本を読んで知識を吸収していきたいと思っているので、新しく「読書感想文」のマガジンを作ってみました。

最近の記事

益子の住処 #19 大谷石のテラスをつくる

憂鬱が梅雨が来たと思ったら、まさかの梅雨明け!我が家の植物達は水を得た魚のように成長していますが、水不足も心配な今日この頃です。 さて、今回は家の西側につくった大谷石のテラスについて書こうと思います。またしても長文になりそうな予感しかしないですが、最後まで読んでくださると嬉しいです! 大谷石のテラス計画我が家では家の東側が道路に面しており、南側にウッドデッキを設けているのですが、やっぱり少しばかり通行人の視線が気になります。一方、西側は道路からの視線を完全に遮ることができる

    • <徒然日記#9>徳島県上勝町 ゼロ・ウェイストな旅の記録

      ゼロ・ウェイストの町 徳島県上勝町 すでに3ヶ月以上も前のことになりますが、徳島県神山町でのプログラムに参加した後、隣町の上勝町に足を運びました。この町は神山町よりもさらに小さく、人口1500人程が暮らしています。 一方で、この町はゴミに対してかなり先進的な取り組みをしており、町として日本ではじめて「ゼロ・ウェイスト宣言」をしています。 実は、私がこの町を訪れるのは二回目。6年前、以前の会社を辞めてすぐに四国ぶらり旅に出掛けた際に、この町に立ち寄りました。その時に見たのは

      • <徒然日記#8>神山町の記録

        今、私は徳島にいる。先週の金曜から今日までの3日間、徳島県神山町にある「大埜地の集合住宅」を舞台に、そのランドスケープの設計者である田瀬理夫さんと、裏舞台の立役者である西村佳哲さんらと共に対話をしたりお話を聞かせてもらうプログラムに参加した。 この3日間での学びが凄すぎて、何度も何度も振り返っては考えることをくりかえしている。記憶が新鮮なうちに、何を感じたのかを書いておこうと思う。 一日目まず、神山への道中で感じたのは石積みの素晴らしさ。この地で石積み学校が開催されている

        • 益子の住処 #18 石積みづくり

          まだまだ寒い日が続きますが、自然界では着実に春の準備が始まっていますね。我が家のお向かいの林縁に育つタラノキからは小さな芽が出始めていました。 さて、ついに温めていたこの石積みづくりについてご報告することができます。何といっても、昨年5月より取り組んできたこの石積みづくり。ついに完成を迎えることが出来ました。今回は、そのプロセスについて記しておこうと思います。 なぜ石積みなのかさて、そもそもなぜ石積みをするのか。築40年以上の我が家は、台地から谷戸の間にある雑木林の中に位

        マガジン

        • 益子の住み処
          16本
        • 読書感想文(主にランドスケープ関連本)
          5本

        記事

          読書感想文#5 「人と生態系のダイナミクス ❷森林の歴史と未来」(前半)

          またしてもお久しぶりの投稿となってしまいました。 一冊の本を長い時間をかけてようやく読み終えたので、今回はその読書感想文を記します。 本のタイトルは「人と生態系のダイナミクス ❷森林の歴史と未来」です。日本の森林面積は国土の約7割と言われていますが、その姿は時代によって大きく変動しています。それをこの本で詳しく学ぶことができます。 今回は主に「第1章 日本の森林の成り立ちと人間活動」について概要とその感想を記してみました。 日本の森林の特徴<概要> まず、日本の国土の特徴

          読書感想文#5 「人と生態系のダイナミクス ❷森林の歴史と未来」(前半)

          読書感想文#4 「人類堆肥化計画」を読んで

          こちらの著書ですが、私の頭が悪いもあり、理解するのがとても難しく、二回読み直した今でも恐らくほんの一部しか理解できていないと思います。 そして、この本の意味を本当に理解するには、里山地域と呼ばれる場所に住み、そこの自然と関わって生きてみる必要がありそうだと読み終わった今感じています。 今回ご紹介する著書は、奈良の里山で暮らす東千茅さんがお書きになった、「人類堆肥化計画」です。 まず、「堆肥」という言葉について解説する必要がありそうです。一般的に堆肥と呼ばれるものは、刈り草

          読書感想文#4 「人類堆肥化計画」を読んで

          益子の住処 #17 生態系を育む池をつくる

          すっかりご無沙汰の投稿となってしまいました。季節もすっかり移り変わり、益子の田んぼの稲穂は徐々に垂れ下がってきて、蕎麦の種蒔きも終わり芽が出てきたところです。 今回は、庭に池をつくった記録を綴ります。以前、雨水で流れる小川をつくったことを書きました。今回つくった池は、その小川の下流に位置していて雨水を集水する仕組みになっています。 池をつくる理由我が家では当初、直径50cmくらいのメダカ鉢を玄関先に置きました。そこに、姫睡蓮と3匹のメダカを入れて飼い始めたところ、カエルに

          益子の住処 #17 生態系を育む池をつくる

          <里山訪問記録> 栃木県日光市「土呂部」を訪ねて

          5月上旬、既に初夏に差し掛かろうとしている頃、ライターの山越栞さんに声を掛けて頂いて、彼女のご実家のある栃木県日光市旧栗山村にある土呂部(どろぶ)という場所を訪ねました。 想像以上に山奥の秘境にあり、仕事でよく日光を訪れている私にとっても、普段みるのとは全く違った景色が広がっていました。素晴らしい自然環境だけでなく、人の営みが自然と深く関わっている環境が現存していて、滞在中は感激しっぱなしでした。 今回は、そんな土呂部を訪れた記録を綴ります。 栃木県日光市「土呂部」につい

          <里山訪問記録> 栃木県日光市「土呂部」を訪ねて

          読書感想文#3 「生態系減災 Eco-DRR」を読んで

          今年もそろそろ梅雨の時期が近づいてきました。毎年、梅雨と台風の時期は全国どこかしらで災害が起こり、私自身も2年前に千葉の台風で被災し二日間の停電を経験する羽目になりました。 今回紹介する著書は、「生態系減災 Eco-DRR」という、自然を賢く活かして災害のリスクを下げる手法について書かれた専門書的な書籍です。 *生態系減災 Eco-DRR   自然を賢く活かした防災・減災 一ノ瀬友博 編著/慶應義塾大学出版会 ランドスケープを考える上で、毎年のように襲ってくる災害を無視

          読書感想文#3 「生態系減災 Eco-DRR」を読んで

          益子の住み処#16 大谷石を使った庭アイテムDIY

          あっという間のゴールデンウィークでしたね。益子の田んぼの多くにも水が入り始めて、里山の景色がすっかり変わってきました。 連休は生憎の雨続きでしたが、益子の住処では連日庭づくりでのステイホームをしていました。今回は、前回の記事でつくった小川まわりに、大谷石で色々とこしらえてみた件についてお伝えします。 小川の周りの大谷石の作品たち今回、大谷石でつくったのは、小川にかける石橋と雨水タンクから水を受けるためのガーデンパンです。 大谷石について大谷石に限らず、石という素材は半永久

          益子の住み処#16 大谷石を使った庭アイテムDIY

          益子の住み処#15 春の樹木図鑑

          日々、どんどんと植物の成長が進み、すっかりと緑に覆われた益子の里山です。筍も初モノの時期をすぎて、アク抜きがなかなか追いつきません。 周辺の雑木林では、冬はほとんどの樹々が葉っぱを落としてしまうので、何の樹が育っているのかほどんどわかりません。ようやく春になって新芽が出てきて、樹木を特定できるようになりました。 冬の間に庭の木々の整理をしました。枯木はお片付けし、密集している所は適宜伐採し、残したい樹は広い場所に移植したりしました。冬は葉っぱがないので、樹皮だけで何の樹木

          益子の住み処#15 春の樹木図鑑

          <徒然日記#7>益子の苔で、苔玉をつくる

          樹々の新芽が続々と芽吹いてきました。益子でも桜が続々と満開を迎えています。 少し前にことになりますが、3月初旬のある晴れた日、友人と一緒に苔玉をつくりました。 苔玉づくりは前々から挑戦してみたかったものの一つ。私は観葉植物として屋内に植物を置くのは苦手(何度も枯らしてきた…)なのですが、苔玉はそのしっとりした雰囲気が好きで、いつかつくってみたいと思っていたのでした。 私が苔玉作りに重い腰を上げたのは、苔を提供してくださる方が見つかったからです。益子の山奥の集落に住む方で、

          <徒然日記#7>益子の苔で、苔玉をつくる

          益子の住み処#14 雨水で流れる小川をつくる2

          残り少ない冬にやり残した庭仕事に、焦って取り組む日々です。植物も虫も、もう春という季節に両足突っ込んでいるような感じになってきました。 さて、今日は先日記した「益子の住み処#13 雨水で流れる小川をつくる」の続編です。滝口から先の小川をつくっていきます。 ①小川の通り道を決めるさて、まずは小川の通り道を決めていきます。平面図では何となくこの辺りかなと描いていますが、実際の場所は現地を見て決めます。 私が冬にどうしてもこの作業をしておきたかったのは、冬が植物が落ち着いている

          益子の住み処#14 雨水で流れる小川をつくる2

          読書感想文#2 二つの「資本論」を読んで

          ここ最近で二つの「資本論」と名の付く本を読みました。両著書ともに、私のこれからの生き方のヒントを与えてくれるものでした。 今回は、その二つの著書を読んだ感想について記してみたいと思います。その二つの著書はこちらです。 *『人新世の「資本論」』 斎藤幸平著 2020年、集英社新書 *『風景資本論』 廣瀬俊介著 2011年、朗文堂 『人新世の「資本論」』は新書大賞2021を受賞した本で、現在の資本主義の問題を新しい解釈のマルクス資本論で解決するヒントを与えてくれる内容です。経

          読書感想文#2 二つの「資本論」を読んで

          益子の住み処#13 雨水で流れる小川をつくる

          まだ2月だというのに、すっかり春めいた気候になって来ました。 益子でも先日は日中22℃を記録し、春がきたワクワク感と異常気象であることへの不安が混ざった複雑な気持ちです。 さて、この冬にどうしても完成させたかった「雨水で流れる小川」にようやく着手したので、今回はその様子をお伝えします。 水辺をつくる理由我が庭では、人と生き物を育むことを目指しています。ビオトープという言葉を皆さんも一度は聞いたことがあると思います。 ビオ(bio)=生命、トープ(tope)=場所という意味

          益子の住み処#13 雨水で流れる小川をつくる

          読書感想文#1 「多種共存の森 1000年続く森と林業の恵み」

          久しぶりに真面目に読書をしました。本って素晴らしいですよね。著者の方が何年もかけて研究したり考えてきたことを提供してくれるのですから。 今年はたくさんの本を読んで知識を吸収していきたいと思っているので、新しく「読書感想文」のマガジンを作ってみました。 今回はその記念すべき第一冊目、「多種共存の森」です。 この本では、長年著者である清和研二氏が研究されてきたことを一冊の本にわかりやすく纏められていて、それだけでもとても価値のあるものです。それに加え、序文や所々に散りばめられ

          読書感想文#1 「多種共存の森 1000年続く森と林業の恵み」