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9月は天然忌&且座(さざ)のお稽古
私の社中では毎年9月に表千家七代家元である如心斎への供茶と七事式のひとつである且座のお稽古をします。
七事式とは(表千家不審庵、茶の湯用語集より)
茶の湯の精神、技術をみがくために制定された稽古法。 数茶(かずちゃ)、廻花(まわりばな)、廻炭(まわりずみ)、且坐(さざ)、茶カフキ(ちゃかぶき)、一二三(いちにさん)、花月(かげつ)の七つがある。 表千家7代の如心斎が、裏千家8代の一燈宗室や高弟たちと相談して制定した。
席入りは茶道口からで正客は花、次客は炭、三客は香、亭主は濃茶、半東は薄茶を担当します。七事式なので三足引きです。
この役回りでは濃茶担当の亭主は皆に指示するだけで一番仕事量が多いのが半東です。花、炭、香、お茶、全てのお点前の準備をして更にお薄も3服点てます。反対に一番動かないのが次客で炭点前が終わったら退席まで立つ場面はありません。
且座では香をいかに「格好良く」聞けるかがポイント。香炉の上に右手で煙突を作り帯の高さくらいまで持ち上げて美しく3回香を聞きます。これがなかなか難しくて毎年お互いの仕草を見て笑い合います。
香は普段は炭点前の時に炊くものなのですが且座では香炉を使って炭団に火をつけて灰の中に入れて聞き筋を一本付けます。香木を乗せる銀葉やそれを挟む銀葉鋏など専用の道具が必要になります。
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もうひとつのポイントは濃茶を練り終えた亭主と味菓子を出し終えた半東が同じタイミングで立ち、うまくすれ違う部分です。亭主は自分の位置に、そして半東はお点前に向かいます。ここも毎年先生から注意を受けます。
そんなこんなでお薄を飲んだら全員が一斉に立ち上がり茶道口から退席。その際味菓子は捨て置きます。
今年、私はどの役にも当たらず皆のお稽古を先生の隣りで眺めていました。全ての役をもう何度もやってきましたが結局いつも自分のパートばかりに気を取られて他に注意を払う余裕はありませんでしたが今回はようやく全体の流れが掴めた気がします。
来年までちゃんと一覧の流れを覚えているか怪しいのですがとりあえず忘備録として書き残しておきます。
来月は名残りの茶、そして11月は口切りとあっという間に風炉の季節が終わってしまいますね。
月末は相伝で私は茶通箱の正客をします。それこそちゃんと思い出さなくては💦