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名古屋に根付くエンジニア魂/からくり人形と科学館
名古屋へ遊びに行ってきた記事の続き。短期間だったが、とても刺激を受けることが多い充実した小旅行だった。
●ミラクルひかるとキンタローが共演する、原口あきまさフェスを鑑賞してきた。これが主目的。
手を叩いて笑うた。お腹が痛い。ものまねライヴを観るために名古屋まで行くのか! と自分にツッコミつつの遠征だったが、行って良かった。
今、アンジェリーナ・キンタローは一番ぶっとんでて、一番おもしろい。コロッケの五木ロボのモノマネとか、本物以上のデフォルメというか、デフォルメものまねをデフォルメしてるから、極みだ。スベったら、トゥーム・レイダース!でごまかせ。
ミラクルひかるは先日もライヴを見たばかりだから、今回は置いとこう。ほかは古賀シュウ、たむたむなども出ていて、古賀シュウは地元ネタで受けまくっていた。
たむたむは評価急上昇。河村隆一とか氷室京介とか、たぶんテレビでやると怒られるものまねを、ライヴ用にちょっと気持ち悪くやると最高だ。
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●名古屋まつりの「山車揃え」を見てきた。からくり人形を乗せた、江戸時代から伝わる山車が9輌揃って、市内を練り歩く。名古屋まつりの中の一行事だ。
あとから知ったが、土曜のパレードは「不発弾が見つかったため中止」になったとかで、私が見たのは日曜の分。もっと人出がすごいのかと覚悟していたのに(100万人が見に来る祭と書いてあった)、地元の人は醒めたもので、一部観光客が集まっているだけ。
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でも、からくり人形のパフォーマンスは山車ごとに違っていて、レベルが高かった。あの細工や仕掛けは、昔から同じなのか、近年に改良したのか、よく知らないが、徳川家の保護があって名古屋に残ったものらしい。
からくり人形というのは〝昔のおもちゃ〟のような扱いをされがちだけど、見方を変えればロボットやヒューマノイドの原点にあたり、現代につながっている。最もポピュラーなのはお茶を給仕するからくり人形だろうが、これはガストで給仕する猫ロボットを思わせる。
短い動画はこちら。音声注意。ラストに紙吹雪が舞うのがいい。
名古屋へ行った1番の目的は、ミラクルひかるとキンタローが共演した原口あきまさフェスを見ることだった。腹よじれた。
— 王様(itaru tabata) (@4jkVVVypJ6CDaPf) October 23, 2024
2番目の目的は名古屋まつり。からくり人形を乗せた山車9輌が市内を練り歩く伝統の祭。
キンタローも、からくり人形みたいだった。原口さんはTRFのサムが最高だった。 pic.twitter.com/SsTSa3m3bu
●東山動植物園へ行き、コモドドラゴンを見てきた。これも旅の主な目的のひとつ。動物園については別記事にまとめました。
●名古屋城に行った。初めてだ。外国人が多かった。実物を見ると、確かに金の鯱(しゃちほこ)が目立つ。なぜそこだけ金色なのか、不自然に浮いている。
あと、ネタ的に忍者ショーに期待していたのに、小雨のため中止だった。小雨くらいで中止しちゃ、忍者は務まらないでござるよ。
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●ひつまぶしを食べた。味噌煮込みうどんを食べた。小倉トーストのモーニングを食べた。ベタな名古屋めしのチョイス。でも、高いモーニングを食べるくらいなら、コメダのモーニングのほうが元祖名古屋だったかも。
あんかけパスタも食べる予定だったけど、これは次の機会に。
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●想定以上に刺激的だったのが、名古屋市科学館だ。時間があったら寄ってみようという程度の予定だったけど、これも行って良かった。
名古屋にとって、科学というのは実践・実戦なんだと、よくわかる科学ミュージアムだった。機械工学とか、電子工学とか、そっち系の展示や、子供のための体験ものが充実していた。エンジニアを育てそうな科学館だ。さすがトヨタの町。
東京の国立科学博物館は「生命・生き物」系が充実していて、庭にはシロナガスクジラの巨大なモニュメントが展示されているのに対して、名古屋の科学館は庭に巨大なH2Bロケットが展示されている。
生命科学vs機械工学。この違いは象徴的だと思う。
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これぞトヨタの町の科学館。町じゅうにエンジニアやエンジニアの卵がいるんだろうな。ああ、そうか。だから、からくり人形も残っているのか。
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<追記>
自分に全く縁のない土地なものだから、科学館をちらっと見た程度で「名古屋の町はエンジニア魂にあふれていた!」などと素直な感想を書いてしまったが、そんなのは中学生の常識レベルの話だった模様。
トヨタを持ち出す前に、戦前・戦中の航空機産業で栄えた町であり、現在もロケット産業を支える地域であることを押さえていないのが恥ずかしい。社会科に弱くて。
愛知県は、第二次世界大戦前から航空機産業を中心とした軍事産業の中心地で、愛知航空機、三菱重工業、川崎航空機、中島飛行機などの工場があった。そのため戦時中は大空襲を受けた。
現在も、三菱重工、川崎重工、富士重工など、航空機の部品やロケット製造などの航空宇宙産業における日本最大の集積地区だ。
といったことを踏まえた上で書かなきゃいけなかった。適当なメモをアップするから、脇が甘い。
そういえば、零戦を設計した堀越二郎をモデルにした『風立ちぬ』の舞台も、愛知や岐阜だった。
どうも自分の中で戦中の航空機産業というと、中島飛行機のイメージのせいか、立川とか武蔵野とかあの辺の地域が浮かんできてしまう。ロケットというと、鹿児島とかあっちのほう……本当に無知だ。
『下町ロケット』見てたのに。