給湯器の選び方~追い焚き配管は不要~
00.給湯器と一緒に考えるもの
給湯器。設計をする前は、エコジョーズがいいか、エコキュートがいいか、サイズは24号がいいか、20号で足りるか、太陽熱温水器は設置するかどうかなど、漠然とそんな程度のものと考えていた。
だが、設計をしてみると、給湯器選びが結構難しいことが改めてわかった。
選び方の備忘録として、少し書き記しておきたい。
リンナイ、パロマ、ノーリツと給湯器がある中で、かんたくんなどの商品があり比較的安定感があるという勝手な印象から給湯器は、リンナイのものと、まず決め打ちした。インターネットで調べても性能上の違いや、掛け率の違いなどに大差がなかった。レンジフードをリンナイ(厳密には富士工業のもの)にしようとしたため、とりあえずメーカーはそろえておこうとも考えた。カタログも、リンナイが1番見やすかったのもある。
給湯器を選択する上で、考慮したポイントがいくつかある。
号数(家族の場合、20号とするか24号とするか)
設置方式(屋外設置の場合、壁掛型か据置型か)
台所リモコンは必要か不要か。
ガス給湯器か電気給湯器か、あるいはエコジョーズかエコキュートか
追い焚き機能は必要か不要か(追い焚き配管の清掃問題)
大別すると、給湯器そのものに関するものと、給湯する浴室に関するものに分けられる。そして、給湯器を選ぶ際に、少し複雑で理解に時間がかかったのが、追い焚き配管のなくした場合、どのようにして自動湯はりを実現するかという点であった。
最初の4点について。
まず号数であるが、給湯器の耐用年数が10年であることを考えると、子供がまだいないため、10年後までにお湯を同時に大量使用する場面がないことを考え20号で十分と考えた。
次に、設置方式であるが、戸建てであるため、屋外壁掛型としたが、外壁への荷重負担を軽減するため、オプションの据置架台を選択。
据置型というものもあるが、配管の接続が横になるため、外構まわりがすっきりせず、配管隠しも兼ねられる据置架台がよいと判断した。
カタログにも据置タイプの給湯器は、屋外設置、PS配置の後に掲載されており、採用事例が少ないと思われる。
台所リモコンは正直不要かなと感じた。実際、現在戸建てに住んでいて全く使っていない。給湯スイッチは入れっぱなしで、問題ない。お湯を張る際も、必ず浴室で浴槽を掃除してから入れる。
強いて言えば、浴室からリビングへの呼び出しが必要かどうかであるが、介護者がいればつけるかなという感じである。
台所リモコン単体の費用が1.5万~2万程度であるため、少し悩むところである。ひとまず不要とした。
(将来的に設置が必要になったときに、配線がされていないため、設置工事が面倒なことになりそうではあるので、もしかしたらつけるかもしれない。)
エコジョーズかどうかについては、要望を盛り込んでいくと自動的に決まるため、今回は特に気にすることはなかった。
一応、ここまでは、すんなりと決まった。
そして、最後の追い焚き配管の問題であるが、給湯器を。
01.給湯器の種類
給湯器の種類は、どうやら4つあるようである。
①追い焚き配管のあるガスふろ給湯器
②カランで給湯する給湯専用器
③高温差し湯可能で、自動湯はりもできるタイプ
④浴室脇に設置するガスふろがま
まず初めに、③、④にはエコジョーズタイプがない。
今回④の「ガスふろがま」タイプは、浴室のみの給湯・追い焚きに特化したものであるため、検討から除外する。
この絵にもあるように、給湯器から浴槽へ直接配管されているのは、①、③で、自動湯はりに●がついている。②タイプはホテルのようにカランから直接給湯する「落とし込み」タイプとなっている。
そして、追い焚きは、①のみが可能となり、③は高温の差し湯である。
02.浴室への給湯をどうするか
浴室への給湯だが、拙宅には、追い焚き配管をどうしても使用したくなかった。
妻とはほとんどの場合、風呂に一緒に入るため、追い焚きはほとんど使わない上、シャワーだけで済ませることの方が多い。子どもが生まれても、おそらく足し湯をするか、あるいはお湯を入れ直す方が、追い焚き配管のメンテナンスの観点から楽だと考えた。
追い焚き配管は、追い焚きの際のみならず、実は、自動湯はりでも使われる。追い焚きと、湯はりの配管は分かれていないのである。そのため、追い焚きが汚れている場合、湯はりの時点でも汚れてしまうのだ。
それが嫌で、追い焚き配管をなくすことを最初に考え、②か③のタイプを検討した。
通常、追い焚き配管がない場合、給湯の方法が落とし込みとならざるを得ない。そのため、浴槽側へのカランの設置が必要となる点と、湯はりの方法について検討しなければならない。
②のガス給湯専用機の方には、実は自動湯はり機能がない。
一方、③の高温水給湯式の方には、追い焚き配管はないが、給湯器から浴槽に向かって、給湯配管が接続されており、自動湯はりが可能なのである。
はじめ、この③の高温水給湯式を採用しようかと考えた。給湯温度が80℃であるため、追い焚きの代わりとして、差し湯することができる。しかし、盲点だったのが、高温水給湯式は、給湯器が浴室よりも高い位置に設置することはできないという点であった。
今回の計画では、浴室を2階に設置しているため、給湯器の方が、浴室よりどうしても低い位置へ設置することになる。
そこで、やむなく③のガス給湯専用機を採用することにした。
自動湯はりがなくなってしまうため、お湯を張る度に、自分で止めにいかなければならないかと思い、追い焚き配管の中止をあきらめかけたのだが、
実は、ガス給湯専用機には、「音声ナビ付き」という機能があり、設定湯量に達すると、自動で給湯が停止し、台所リモコンでお湯はり完了を知らせてくれる機能があるようなのだ。
03.追い焚き配管をやめた場合のカラン位置
これで残るは、カランの設置位置だけとなった。
①カランを浴室側に設置
②カランを浴室と洗い場側の中間に設置
③カランを浴室・洗い場側の両方に設置
昔住んでいたマンションの在来の浴室は、③のタイプであったため、2つつくことに抵抗はあまりない。②は結局洗い場側からの使い勝手が悪い上、見た目も悪いため却下。①では、将来子供とお風呂に入る際、不便を感じそうなことが予想できるため、③を採用することにした。
その他、給湯熱交換率が95%か、93%か、あるいは、停電モードや、ソーラー機能など細かい機能があり、選択するだけでとても面倒であった。
停電モードについては、不要と判断した。
ポータブル電源があれば、給湯ができるという機能であったが、災害時にポータブル電源がなくても困らなかったことや、結局バッテリーも災害時にはもったいなくて使えなかったり、十分な量と言えず、さらには初期コストも10万~20万程度となるため、この停電モードを使う場面がイメージできなかった。それよりも、水や食料、カセットボンベを備蓄したほうが良いのではなかろうか。
上記を踏まえると選択肢は、以下の3つまで絞られた。
① RUX-UE2016W(A) 247,830円
②RUX-E2003W(A) 277,310円
③RUX-E2003W(A) 209,330円
(金額は税込みで2024年のカタログ)
①は③にウルトラファインバブル機能を付加したモデルである。ウルトラファインバブルは、微細な泡で疲れが取れる、皮脂汚れを浮かせやすいなどの謳い文句があったが、こういった類のものはいつでもおまけなのであまり期待しても意味がないと考えることにしている。
そうなると②と③の比較になるが、結論としては②を選択した。掛け率を考慮すると、たいした金額差にならないのと、②の方が給湯熱効率が高かった。②は95%であるのに対し、③は93%である。2%の差がどれだけランニングコストに影響するのか調べていないため不明である。ただ、他にも「35℃出湯」という夏場に低めの温度で給湯できる機能もあり、総合的に考えて②とした。
ただ、本体重量について、①、③は20号タイプで17kg、24号でも18kgであるのに対し、②はどの号数も25.5kgで重くなり、さらに高さ方向、奥行方向が一回り大きくなっている。熱効率2%がここに現れているということだろうか。
以上、給湯器について考えてみた。
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