予備知識ゼロで賃貸併用住宅を建てることにした話①


賃貸併用住宅にするつもりではなかった

2024年、年が明けて、そろそろ家を持ちたいと考え始めた。マンションは高いし、土地も残らない。1級建築士も持ってるし、土地も資産になるしということで、せっかくなら戸建てにして自分で設計した方が、いいんじゃないかと考えた。

まずは、自分で設計する建物を建てる土地探しから始めた。

当初の要望は100㎡の戸建てであったので、100㎡作れる土地探しから始めた。しかし、都内だと駅から離れた住宅地っぽい場所や、見た感じ広そうな土地であっても斜線制限で、建てられるボリュームが少なかったり、前面道路が極端に狭かったり、時には崖っぽいものが後ろにあったりで、安い土地にはそれなりの理由があった。

狭くて利便性のいい土地か、広くて利便性の悪い土地かという2択になっていたとき、不動産の広告で偶然、賃貸併用住宅も可という記載のある土地を見つけた。土地の大きさは26.5坪と少し大きめであったが、3階建ての間取りで150㎡の延床が作れる土地であった。土地の価格も高いが、家賃収入を考慮すると返済額は当初の想定よりも少し低いので、銀行の融資次第ではいけるかもしれないと考えた。

それに、賃貸併用住宅にしたら、自分がプチ大家になれて、住んでくれる人と交流も生まれてちょっとおもしろそうだなと思った。
この時は特に何も考えずに、賃貸を25+25の2部屋と、自宅を100㎡つくれたらけっこういいんじゃないかということで、考えていた。

駅からは徒歩15分程度の場所であるが、静かな場所で、自分にとってなじみのある場所でもあったので、土地は水物ということばに倣って、1週間悩んで購入を決断した。
(FPと相談していたローンの額では到底収まらないので、自己資金とペアローンを組み合わせて、なんとか購入できそうということになった。ローンについては、また別の機会に触れたい。)

元々は鉄骨造の3階建ての集合住宅が建っていた土地で、近辺は大学もあるため、事業者とかに売れそうな土地なんじゃないかなと思っていた。
しかし、実際に自分で設計を始めてみると、それが甘いことがわかった。

決断する際に、不動産から見せてもらった参考の間取りがある。
私が行った不動産は、地場のハウスメーカーとのつながりがあるため、土地の情報と一緒に、そこに建てられる建物の平面図をもっている。おそらく、どの不動産もこういう資料を持っているのだろう。

平面図は戸建てを想定したものであったため、こんな感じの間取りになっている。


よくある2階リビングの家。LDKは27帖あり、やや持て余している

容積率をほとんど使い切り、この間取りで合計延床面積は154㎡。
ただ、154㎡は土地面積から逆算すると、容積率が176%で、この地域の法定容積率は300%に達していない。実は、土地探しをするまで知らなかったのだが、実際に適用される最大の容積率は、前面道路の幅が12m未満の場合、前面道路幅に応じて減少する。前面道路が4.4mであるこの土地には、住居系の40%の掛け率が適用され、4.4 x 40% = 1.76=176%と半分近く減ってしまうのである。狭い道が暗くならないようにするという配慮なのだろう。

賃貸併用住宅の間取りを書いてみる

いきなり、戸建ての間取り、それに賃貸併用住宅の間取りを書いてみようとしたが、どこから手を付けてよいかわからなかった。そもそも戸建ての設計は、初挑戦なうえ木造のモジュールや、共同住宅の法規もわからなかったため、まずはどのような間取りになるかを、プロに依頼した方がよいと考えた。

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