同性の好きな人の話
はじめまして。びねつと申します。
ここでは私の、同性の好きな人のお話を書きたいと思います。少しでも、悩んでいる誰かの心を軽くできたら嬉しいです。
本題に入る前に、軽く自己紹介をします。私は女性で、男性にも女性にも恋愛感情を抱きます。女子校に入ってから、同性も好きになることを自覚しました。恋愛経験が豊富なわけではなく、今は絶賛片想い中なので、ここでは恋愛のノウハウを書くのではなく、思ったことや考えたこと、好きな人の素敵なところを、ぽつぽつと文字におこそうと考えています。
ここから本題に入りたいのですが、「同性の好きな人」だと長いので、Aさんとさせてください。Aさんは、スラリと背が高く、長い髪をうしろで一つに束ねていて、線の細い黒縁のメガネをかけています。話し方は淡々としていて、声のトーンや表情はほとんど変わりません。歳は私と同じなのですが、知的で大人びている感じがしたので、初めて会った時は「なんだか怖そうな人だな」と思いました。
そんなクールな見た目とは裏腹に、Aさんは人との関わりが上手な、優しい人でした。たとえば、私の興味のあることを聞いて、私について知ろうとしてくれたり、着ている服をさりげなく褒めてくれたり。ズボラな私でも、Aさんに褒めてもらいたくて、おしゃれしようかな、という気分になるのです。
彼女は、優しいだけでなく強い人です。カラオケで迷惑な客が勝手に私たちの部屋に入ってきた時、Aさんが真っ先に注意しに行ってくれました。私なら黙って見過ごすようなことを、一歩先に出て実行できるのがAさんです。そういった、小さな憧れの感情が積もり積もっていくうちに、感情が溢れ出して、私のなかでAさんは友達以上の存在になったのだと思います。
性別関係なく、私は人としてAさんが好きなんだと思います。Aさんの素敵なところを見つける度に、好きの感情が増えて、同時に苦しくなります。気持ちを伝えたいけれど、友達という関係が崩れるのは怖い、報われなくても、そばにいられるなら、この気持ちは伝えない方が幸せなのかもしれない。そんな気がするのです。