チェコの医学部を修了してみた(EU医師免許とりました)
こんにちは、ヒトミです!
チェコで医学生をしていました。
(初見の人は、過去の投稿を読んでからこっちに帰ってくるのをおすすめします。)
これは読んでおいてほしい☟
先日ですね、
晴れて全ての国家試験に合格したと同時に、EUの医師免許を取得しました。
お疲れ、自分。
そして、、
長らく投稿がなかった言い訳は、
産婦人科の国家試験のあとインフルエンザで寝込んだ
インフルエンザでくたばった後、間髪入れずに外科の実習&国試勉強がスタートした
外科の国家試験が終わると学内研究発表会のリハだ(実は課外で研究活動もしていました)…と思いきやその本番の前日にクラスメートから誘われ(無理やり)ピクニックへ
学内研究発表会が終わった!と思ったら卒業おめでとうパーティー(プリムみたいなものです)
の4本立てでお送りします。…ネタがありすぎて多分6年間で一番濃い時間だった(^ω^)
流石に全部は一気に書けないので、今回は6年生でやった産婦人科と外科の国家試験の感想を述べていこうと思います。
産婦人科の実習&国試(3月6日)
ぶっちゃけ言いますが、
自分の大学附属病院の産婦人科は私はあまり好きじゃないんです…
人手不足すぎて挨拶もできないくらいみんな忙くて。
カリキュラムはちゃんと組まれてるけど教える時間がない先生がいて、生徒は置き去りみたいなことが割とあります。
1ヶ月くらいの短い実習でしたが
幸い手が空いている先生が捕まった+実習後にディスカッション形式の講義があったため、
CTGの読み取り、新生児の蘇生、人工授精、不正出血などそれなりに学ぶことができたと思います。
前日に実技試験
(実際のカルテを読んで先生の問いに答える+CTGの読み取り+産婦人科で使う器具の説明)
を終えた後は本番。
MCQ(選択問題)を解いて、
カードを2枚(産科と婦人科)引いて口頭試験でした。
自分がいた回の試験官は
産科、婦人科、新生児科の3人の、優しそうな先生方でした。
DUB(機能性子宮出血)とIUGR(子宮内胎児発育不全)を引きましたが、
先生にカードにあった問題以外の、まあそれと関連のある病気についても聞かれました。
産婦人科は全ての診療科の中で珍しく、
病理、外科、内科の3つの分野をミックスしたような科(わかる人にはわかる)で、
病理科志望の私は楽しめたかなと思います。
まあ、だから自然と試験の手応えもよかったです。
あっさり終わったなあ…笑
日本とEUの産婦人科分野を比較しつつ勉強する中で、気になった点がいくつかあったのでそれは別に記事にします。
外科の実習&国試(4月23日)
実習は8週間もあるビッグな科目でした…!
その8週間の中で、
外傷外科
外傷外来
一般外科外来
消化器外科
呼吸器外科
整形外科
内分泌外科
血管外科
心臓外科
軍病院の外科(軍人さんのための外科ではなく、市中病院みたいな感じです)
ICU
を周りました。
印象に残ったのは、日本人とドイツ人の名前のついた術式のまあ、多いこと多いこと。笑
自分はこれほどまでに有名な国の出身なんだなあと改めて自覚しました。
自分は外科志望ではないんですけれど、楽しいからと毎日実習に行ってました。
専門分野外でも少しでも経験があると将来役に立つことがあるかもしれないし。
外科はこの大学で最後の試験でした。
最後なのに、力尽きてしまう気がして…変な感じで、ちゃんと似合う日本語が見つからないのですけれど、
出口は見えているのに、今にも血を吐きそう、みたいな笑
内科の国試ほどではなかったけれど、なんか、つらかったなあ〜_:(´ཀ`」 ∠):
産婦人科や内科と違って外科は実技試験は無く、口頭試験のみでした。
ただ、試験官が6、7人もいました。(各分野の外科医です。)
想像してみてください。
自分の目の前に迫力と貫禄のある先生方がですよ…自分の方を向いて話を聞くんですよ。
耐えられますか。
※後ろには4人くらいのクラスメートが机に向かって解答の準備をしています。
しかも私の場合、前に2人、目の前で不合格になっていて、それで私はその後に行かなきゃいけなかったんです。
先生たちの顔、曇ってました。不機嫌そうな人もいました。
…気まずい…気まずかった。!
でも自分の実力を信じて、「は、ハロ〜(引き攣った笑み)」と着席、耐え切りました。
先生方に実力が伝わったのか、
4問あって予後とケアまでそれぞれ答案の準備をしたのに、
前半の基礎情報と手術の話をしたと思ったら後はスキップされて、
15分くらいで試験が終わってしまいました。
早すぎて逆に最後まで喋らせてもらえなかったので後味悪かったな(´・_・`)
多分、前の生徒の出来が良くなくて、時間を取られてイラついていたからっていうのもあると思います。
こちらの先生方、9割くらいですかね、大事なところだけを聞きにきてます。
生徒がそれを知っている、とわかったら後は最後まで聞いてグッバイか、途中で切り上げるか、もう少し難しいことを聞いてみるかです。
まぁそんなこんなで全部のEU医師国家試験を終えたわけですが、
よく言われるのが、
「Being a student and being a doctor are different.」
医者はひたすら実習で鍛錬してなるもので、教科書を少し齧っただけでは目の前の患者を助けられない。
生徒に求められるものは医師に求めるものと違うものなんだ、と特に医師になりたての4、5年目くらいの臨床の若い先生たちから聞きました。
学生時代に苦労した人でも凄腕ドクターになる人はいるし、逆に優等生だった人が大変な思いをすることになることだってある。
ここからは気持ちを切り替えていくことが大事だと教わりました。
実際は研修医になってからが一番大事なんですよね。。
周りの人は研修医になっただけでも大盛り上がりですが。笑
おまけ
私の大学では最後の外科の国試が終わると大学の建物の前の広場の地面に、
「MUDr. 〇〇」と自分の名前をカラフルなチョークで書く儀式?慣例?があります。(この記事のヘッダーが実際の写真)
毎年、チェコ人コースも英語コースも自分の名前を書きます。
タイトルをつけると、
これから降り掛かってくるであろう
”主治医としての責任感”だったり、
”失敗が許されない世界の窮屈さ”を感じるので私はあんまり乗り気ではなかったのですが、
授業をズル休みしまくるけど試験は受かる系同級生がデカデカと名前を書いているのを目の当たりにして、
「まあそんなに重い意味なんて今は気にしないで、日本だとできないことだろうし、この際書いちゃおう」ってなって、ちゃんと書きました。笑
「全部、終わったんだ。」
一瞬だけ幸せでした
卒業式まで1ヶ月ちょいくらいありますが、
今研究論文を書いていて、それと各種書類の手続きで忙しいです。
式の後は帰国して国試の勉強&就活です。
帰国したらリクルートスーツ買わないとなあ!
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皆さん良い1日を!