はじめての桃ホッピー
よく行く串焼き屋さんで、いつものように一人で飲んでいた時のお話。
最近、体調を崩し気味で、久しぶりのお外飲みで気分が乗っていた。
2杯目以降はホッピーをチョイス。ホッピーは一杯飲んでもソトが残るため、ナカを追加注文して飲み切る。ワンオーダーにつき2,3杯の飲酒が確定する仕組みだ。その展開を見越して頼まないといけないメニューである。
この日は、ただのホッピーではなくトマッピーを。通常ホッピーのナカは焼酎のみな所、トマトジュースと焼酎が半々になっている。トマトジュースのコクと甘み、ほのかな酸味はホッピーと相性が良くうまい。
酒場のカウンターでは、近くの席のお客さん同士で会話が生まれることが多々ある。時々「よし、みんなに一杯ずつご馳走しちゃる!!」と太っ腹なお客さんのご相伴にあずかることも。このお店ではあまり見ない光景なのだが、今日は珍しくそんな展開に。
ちなみに私は、基本的に気分が乗らないと、会話もご相伴も断固お断りしている。(空気が悪くならない範囲で)この酒場らしいコミュニケーションも、以前は楽しめたのだが、最近どうもおっくう。加齢による好奇心の衰退が主な原因だ。
今日は、久方ぶりの酒場で気分がアゲ↑↑だったのと、「あちらのお客様からです」と、定番かつ愉快なあの方式でお酒をいただいたのでご一緒した。(このいただき方は人生初。よりアガった。)
(しかもそれでやって来るのがトマッピーのナカって、良い。)
40~50代の男性2人組。数杯ご一緒しながら、色々なお話をうかがう。どうやら御仁は、鶴橋生まれ、鶴橋育ち。ずっとこの周辺で飲み続けているそうで、いわば大先輩。この周辺の話を色々お聞きする。
私は鶴橋のことを「海鮮とイタリアンの街」だと思っている。一見、韓国と焼肉が独壇場のエリアに見えるが、まったく違う顔がここにある。住民目線でそれを見つけ、誇らしくそう表現していた。
それを御仁にも伝え、どう思うか意見を求めてみたところ、少し違う、とのコメント。御仁いわく、「靴屋と、寿司とふぐの街」だそう。
この辺りで気持ちが盛り上がって、みんなでメガジョッキをお代わり。(たぶん3回目くらい)と、ここで、店のトマトジュースの在庫が切れた。トマッピーは難しい、ホッピーでも良いか、と店主が聞きにやって来る。もちろん構わない、と返事をしかける。と、御仁「何ゆうてんの!!トマトジュース、俺が買うてくるよ!!」と店を飛び出した。「持ち込みOKやんな!?」と、ドアを閉めながら抜かりなく確認。「あ、ああ、はい、もちろん、ありがとうございます、なんかすんません」と戸惑う店主。OKははずはない。飲食店だ、ここは。なんだ、もちろんって。
※関西弁が正しい自信がありません。ご勘弁ください
ものの10分ほどで帰ってきた御仁の手には、野菜ジュース桃風味が2本。2件コンビニをハシゴしたがトマトジュースを発見できず、それっぽいもので、女性が好きそうな風味を、と最大限存在を代替するものを見繕ってきてくださった。なんとまあ、初見の呑み助にとんでもないホスピタリティ。
ありがたく、ホッピーと焼酎で割って飲む。すると、予想を大きく反してとても美味しい。(申し訳ない予想で申し訳ない)KAGOMEの商品開発力すごいな。セロリが入っているとは思えない純・ジュース感。ホッピーの懐の深さ。さすが酒飲み大先輩の目利き力。これであと2杯いただき、その後は韓国スナックまでお連れいただき、ご馳走になりました。一緒に歌った浪漫飛行、超楽しかったです。ご馳走様でした。
あ、寿司とふぐの街、という話の方が気になると思うのですが、それはまた今度。掘り下げたい。というか、うまい寿司屋が知りたい。