スベっる心理学35〜システムの穴の穴編〜(長編小説)
「でも――ここは男であるボクが漕ぎますのでお任せ下さい」
「結構です。何をしでかすか分かりませんから、怖くて任せられないです」
「――桜井さんに何かあったら大変です。さぁ、交代しましょう」
「結構です。ボートの上で悪ふざけなんかして、転覆でもしたらどうするんですか」
どうやら、手漕ぎボートに乗っての水の上での悪ふざけは、詩織の“プンプンスイッチ”を押してしまったみたいである。
(まずい、怒ってるって。悪ふざけって、自分だって『イエス、アイアム・ボートレーサー』って言