タイの報道を読む 王様とナナシ

先程「99%の確率で死亡した」「植物人間状態」と言われた北朝鮮の指導者、金正恩が工場の開設式典でテープカットをしている画像を見た。なんだ、髪型と体型は似ているけど別人じゃないですか......彼の周りを取り囲む役人達の目も冷めている。いくら大声で繰り返し言っても嘘は嘘。しかしこういったことは世界的には珍しくないのだ。

5月1日はタイ国王夫妻御成婚一周年。そこで王室事務所がウェブサイトに「新型コロナウイルスに苦しむ国民を視察される国王夫妻」という旨の記事と画像を掲載。BBCThaiなど幾つかのメディアがこれを転載したが、クルンテープトゥラキットの報道を紹介したい。

トップ画像で国王陛下ではなくスティダー王妃が拝まれているのを見れば十分。国王が拝まれていないのは影武者だから。とりつくろうなら形だけでも国王にひざまずけと言いたいが本物の国王がドイツで生きているのだからそれも出来ないという宮使えの辛さ。

本物の国王は5月1日時点でタイに帰国していない。スティダー王妃はスイスで別居生活を送っているはずだがタイに帰国したという情報はない。ここしばらく「新型コロナウイルス感染拡大」を口実に暗殺を恐れている国王は帰国していないようだ。王位継承権争いで無理をしたのを本人も自覚しているのだろう。

今年の3月9日に帰国した旨の報道がマティチョンであった。しかし今やそれすらも疑わしい。今回王室事務所が公表した画像も5月1日に撮影されたものではない。

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