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平成元年のバックパッカー

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#旅エッセイ

アムステルダムの一夜 1989年11月(その3)

階段を昇り、家の中に案内された時、更に僕を当惑させることが起きた。

「やあ」

そこには、別の男がもう1人いたのだ。

20代か30代で、顎髭をたっぷりと蓄えた男、どうやらアルジェリア人と言うことだった。

「彼は私の友人でね。今夜は3人で楽しく過ごそうじゃないか」

家のオーナーである彼は、困惑して立ったままの僕に、優しい口調でそう言った。

誰かいるなんて聞いていなかった。

別にそれはそれ

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