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掟破りのダルマモード

子供のころから予定や決まりを守らない人間が大嫌いだった。

私が初めてにして、最大の怒りを表したのは小学校二年生の時。

鬼ごっこのルールを守らなかった友達に対してだった。

休み時間、中庭でみんなで鬼ごっこをしていた。

遂に自分が鬼の番だ。

自分は足に自信があったので木のテーブルの隙間を走り抜けて逃げる人を追いかける。

捕まえた!とおもったら、

友達のうちの一人が急に「ダルマモード!」と高らかに宣言してその場で体育座りで固まった。

当時流行っていたポケモンの影響を 受けたのだろう。

どうやらタッチしても「ダルマモード」になる効かないらしい。

そうやって言うのならしょうがない。

他の人を当てに行こう。向きを変え全力で走りだした。

急げ、急げ、そうして何とかタッチに成功!

かと思いきやまたも「ダルマモード」が発動してしまった。

どうやら僕たち のやり取りを見ていたらしい。

くそまたか、なんだよ「ダルマ モード」って、絶対捕まえてやる。

考えに考えた結果、「ダルマモード」が発動する前に捕まえられれば何とか鬼になるかもしれないと思った。

先ほどよりもスピードを上げてついに「ダ ルマモード」が発動する前に捕まえた。

しかしながら友達は鬼 を代わってくれなかった。

「ダルマモード」は継続してるらしい。なんで?なんでだよ?

さっきまで普通の鬼ごっこだったのになんだよダルマモードって、悔しい。

なんでだよ、「ダルマモード」は分かった。

だからそのルールの中で戦うように調整したじゃん。

君らが作った「ダルマモード」に合わせたのにどうして君たちがそれを破るんだ。

許せない。なんでだ。悔しい。

悔しさと怒りで混乱しその場に座り込んで大声で泣いてし まった。

皮肉にも「ダルマモード」で泣いたのである。

大声が 校舎に反射して鳴り響く。

結局次からはみんながルールを守ってくれたので私の怒りは落ち着いた。

私のルールへの厳しさはここから始まったのだった。

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