「頭痛が痛い」の「頭痛」は「症状」を指すから重言では無いぞ論は問題があるぞ論
重言とは物の本(wikipedia)によると「同じ意味の語を重ねた言葉。二重表現、重複表現」書かれている。
重言の代表といえば「馬から落馬」である。これは「落馬」=「落ちる」という意味に変化して気持ちの上では「馬から落ちた」となっている。
では「頭痛が痛い」はどうだろうか。
もう見るからに重言である。頭が文中に2個ある時点で重言じゃん!と思えるだろう。しかし世の中には「頭痛が痛い」は重言では無いぞ!と言う人達もいる。その人達の意見はこうである。
「ここで使用している頭痛は症状名だから問題無い」
確かに症状名であれば字が被ることがありうる。
「痛風の痛み」
これは問題ない。「痛」の字が被っているが、「痛風」はそれ一塊で意味を持っており、「風の痛み」とも言い換えることは不可能である。しかし、「頭痛が痛い」は別の問題を生じさせる。一般に症状の酷さに対しては
「症状」が「重い or 軽い」「酷い」「ある or ない」
の形容詞が使われる。すなわち「症状が痛い」はおかしいと言える。
しかし、ここで次の反論が考えられる。
「虫歯が痛い」は「症状」が「痛い」ではないか、と。
確かに「虫歯」=「症状」として捉えればおかしな文である。しかし「虫歯」=「虫歯の症状を持った歯」を指すことも可能である。では「頭痛」=「頭」と解釈しようとすれば重言の問題に立ち返る。すなわち「頭痛」=「症状」論はおかしい。
これらを総合すると、問題の無い「頭痛」「痛」表現は
「頭痛の痛み」
が良いということになる。
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