アプリで清掃員の負担軽減? - 南インド、バンガロールのゴミ回収の取り組み
今回の記事では、ゴミ分別サポートのアプリを通して、家庭ごみの分別を行うNGOの取り組みを紹介する。
久しぶりにインド(バンガロール)の廃棄物を取り上げたい。
ゴミ分別のアプリを提供しているWaste Samaritanという小さなスタートアップがある。Waste Samaritanの事業を手伝う機会があり、現場を視察した。
バンガロールのゴミ問題
2021年10月に初めてバンガロールを訪れて以降、家庭ゴミの問題解決のプロジェクトを取り組んできた。
なぜ、インド、そしてバンガロールが興味深いのかは、以前の記事を参照頂きたい。
詳細は記事を読んで頂くとして、
私がインド・バンガロールに興味を持った理由は、"分散型"処理を推進しているからだ。
分散型方式とは、廃棄物を混ぜずに、発生源で分別・処理する方法である。
インドのような途上国において、「分散型」は現実的な解に思える。
先進国の一般家庭ゴミの処理は、行政主導のもと、中央集権的に管理される。この方法は、地方行政に十分な予算があり、適切な回収・運搬の仕組み、罰則の運用、監査システムが構築が前提となる。
先進国でも課題は残されているが、途上国では尚更ハードルが高い。
確かに、インドでも行政主導で上手くいっている成功事例はある。
素晴らしい気概のある地方行政の職員が10年以上かけてエコシステムを創り上げている。(例えば、スラ市、インドール市など)
しかし、行政の職員の強い熱意と長年の努力の賜物であり、属人的で横展開できるモデルとは言い難い。
バンガロール市は、他インド大都市と比較して、社会問題解決の市民運動が活発だ。元々、廃棄物に対する市民の関心も高い方だ。多くの市民団体が、ごみの分別、堆肥化などのプロジェクトを行っている。
にも拘らず、インドの他都市と比べても、街中に廃棄物が散乱し、きつい臭いを発する場所が多い。(詳細はこちらの記事)
ごみの分別収集や処理が十分に行われておらず、道路脇や空き地にごみがあふれている。バンガロール市行政も様々な規制や施策を打っているが、効果は限定的だ。
解決が難しい家庭ゴミ
環境問題の中でも近年、「気候変動」の取り組みはグローバルで大きな成果を上げている。
気候変動とは簡単に言えば、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスにより地球の気温が上昇する課題だ。
トップダウンとボトムアップ
ここ10年、気候変動対策が活発化している大きな要因に、トップダウンでの取り組みがある。
国際機関や機関投資家がグローバル企業へ働きかけ、企業は自らのサプライチェーン上にある中小企業や取引先へと影響を及ぼしている。
トップダウンとは対照的に、一般市民の草の根から始まるボトムアップアプローチがある。
ボトムアップアプローチは、社会問題に対して自発的に行動する市民や団体が、自分たちの周りから徐々に影響力を広げていく。多くの人々の関心や協力を得ることが困難であり、時間もかかる。
もちろん、トップダウンにしても、初期のムーブメントは意識の高い一般市民、市民団体、NGOが主導をしている。
しかし少数の市民を意識変革と、大多数の意識変革では大きな隔たりがある。
各国で程度の差はあれど、大多数を占める主流派の市民の意識が変わるには、世代交代を伴う数十年の歳月が必要だ。数年で劇的な変化を起こすのは難しい。
実際、ここ10年の「気候変動」(CO2削減の取り組み)、ESGの動きは、グローバル企業、機関投資家が本気になったことが大きい。
新しい取り組みが浸透しない理由は、実は最終消費者(一般市民)だった例は多い。
「産業廃棄物」と「一般廃棄物」
廃棄物問題で、トップダウンとボトムアップを考えてみよう。
トップダウンアプローチが効きやすいのが、産業界から排出される「産業廃棄物」だ。略して「さんぱい(産廃)」。
製造業、建設現場、畜産、農業、スーパーや衣服など小売店、街の飲食店から出るゴミは「産業廃棄物」だ。
こちらは、近年のサーキュラーエコノミー(循環経済)の取り組みが加速。
ここ数年でも、新たな法律やガイドラインが多く施行されている。(日本のプラスチック新法など)
一方、家庭ゴミ、つまり「一般廃棄物」はボトムアップの施策が大きい。
日本を含む先進国では、家庭ゴミも、行政主体のトップダウンでルールや規制が決まり、実際の収集・運搬が行われている。
それでも、家庭でのゴミの分別が必須で、市民の協力が不可欠だ。
さらに、途上国では、トップダウンの行政の力が弱い。
ちなみに、自己紹介で「廃棄物系の事業をしています」と言うと、「産廃ですね」と言われる。
ビジネスとして「産業」廃棄物なら成立するが、家庭ゴミでは利益がでない(=事業にならない)のイメージがあるだろう。
実際に、産業廃棄物の方が先行している取り組みが圧倒的に多い。
その要因は「消費者からの声」ではなく、EUを始めとするグローバル規制、投資家からの圧力、サプライチェーン上の企業の要請だ。
一方、家庭ゴミ(一般廃棄物)は、中々トップダウンで物事が進みづらい。
仮に行政で強い罰則のルールを設けても、それに素直に従うかは、司法の力に加え、市民の意識による。
また、一般廃棄物(家庭ゴミ)の中でも、DRY Waste(乾いたゴミ。紙、プラ、金属など、資源化しやすいもの)はトップダウンアプローチが取りやすい。
家電リサイクル法など、製造側の責任(拡大生産者責任)に結び付けて議論しやすい。
しかし、WET Waste(湿ったゴミ。生ごみ、食品残渣など)は、企業活動に結び付きづらく、市民の意識に頼らざるを得ない。
前置きが長くなったが、今回はバンガロールの家庭ゴミ(一般廃棄物)を取り上げる。(産業廃棄物ではない)
Ecogramプロジェクト
TAICT(The Anonymous Indian Charitable Trust)という2007年創設の廃棄物問題に取り組むNGOがある。団体名を直訳すると「匿名のインドのチャリティー信託」だ。
以下webサイトでは
TAICTのプロジェクトの一つがEcogramプロジェクト
無責任なゴミの廃棄、土壌・水の枯渇の問題を解決のために2017年に始まったプロジェクトだ。
※ここで言うGram Panchayat(グラムパンチャット)という、インドのVillage(村)レベルの行政。地方自治行政の一番下の単位のこと
バンガロール北部のBettahalasuru Gram Panchayatの10の村に対して、持続可能な分散型の廃棄物処理、土壌の改善、水資源の管理の運用と、伴うインフラを提供する。
バンガロール北部の「村」とあるが、決して農村でなく、田舎(地方)ではない。人口1300万人のTier1都市バンガロール市内の話だ。
バンガロール国際空港より手前、バンガロール郊外だ。バンガロール中心部まで、車で30分程度の距離にある。(渋滞しても1時間程度)
高層マンション、アパートが乱立する中心部とは異なるが、少し郊外の平屋建ての家が並ぶ住宅地を想像してもらえればよい。
埋立跡地に作られた処理施設
Ecogramプロジェクトの廃棄物処理センターは、ごみの埋め立て場を一掃し、その上に建設した。
インドの都市郊外で見かけるのが、数十年もゴミが廃棄されて積みあがったゴミの埋立場だろう。
上記はデリー郊外のOkhla Landfillの写真だ。毎日1200トンが廃棄されている。2018年には許容値の3倍が廃棄され、高さ55mになった。(現在はバイオマイニング(Biominig)という国家プロジェクトの一環で、適正な処理施設への転換を進めている最中)
訪問した場所も、元々はバンガロールでは有名なLandliff(埋立場)だった。
その埋立場を一掃し、廃棄物処理センターを設立した。
10の村、3800世帯に対して、
家庭でのゴミの分別の徹底
各家庭へのごみの収集
上記センターにて30種類以上への分別
施設内での処理、リサイクル、各種リサイクル場への分配
を行っている。
まずは、ゴミ回収アプリのWaste Samaritanを紹介したい。
(1)ゴミ回収アプリ Waste Samaritan
ReImagine Waste Hackathon
Waste Samaritanは、2016年にIISc(Indian Institute of Science)で開催されたReImagine Wasteハッカソンで入賞したアイデアから生まれている。
IISc(インド理科大学院)とは、バンガロールにあるインドの国立最高峰の科学系の大学・研究機関だ。
ReImagine Waste Hackathonは、Waste Impact Trustが主催している。ゴミ問題の解決を目指し2014年に立ち上がった非営利組織だ。
ゴミ問題解決のソリューションを考えるReImagine Waste Hackathonは、2016年に第一回目が開催、以後、コロナ禍を除き、ほぼ毎年開催されている。今年が6回目となる。
一回目のテーマは「Waste Picker」だ。
日本語で屑屋(くずや)と訳される。発展途上国において、ごみの山から価値のあるゴミを拾い換金する職業の人たちだ。
Waste Samaritanは、第一回目Waste Pickerで生まれたアイデアだ。
ReImagine Wasteハッカソンが、他ハッカソンと違う点は、実際に現場に足を運び、関係者を中に引き込んでいる点だ。
第一回Waste Pickerの時は、バンガロールで実際に働くWaste Pickerがハッカソンに参加している。
彼らの生の声のスピーチに留まらず、チーム組成の際に、必ず一名はWaste Pickerの人をメンバーに加えることをルールとした。
インドはカースト制度が色濃く残る格差社会だ。大きく離れる社会層同士が交流を持つ機会はほとんどない。
当初、Waste Pickerの人も、そんなところに呼ばれても困る!と大きな反発があったそうだ。
根気強く説得し、イベントに関わってもらい、ハッカソンの工程にも参加してもらったという。
Waste Impactの主催者であり、本ハッカソンを主催するのが、Gayitri Handanahal氏だ。
現在、73歳のGaytri氏は、30年以上ファッション業界のマーケティング・購買に従事してきた。バンガロールのゴミ問題に心を痛め、2014年にWaste Impactを設立。2016年から本ハッカソンを主催している。
第一回のWaste Pickerに続き、
2017年の第2回は「Street Food Vender」(街中で屋台で食事を提供する人たち)
2018年の第3回は「水と家畜」
2019年の第4回は「Bio Medical Waste(医療廃棄物)」
2021年の第5回は「プラスチックごみとデータ分析」
そして、今年第6回は「E-waste(電気電子機器廃棄物)」を予定している。
ゴミ分別支援アプリ Waste Samaritan
Waste Samaritanの共同創業者の一人に、Waste Picker出身の方がいる。
ハッカソンのメンバーに、必ず一人は現役のWaste Pickerを含めるルールになっているが、その時に加わった方が現在も共同創業者としてコアメンバーの一人になっている。
Waste Samaritanは、ごみ清掃員向けのアプリだ。
インドの家庭ゴミを語る上で、最も重要な問題は、「家庭での分別」だ。
環境負荷の少ないコンポスト処理、廃棄物の資源化、リサイクルをしようにも、最低限、家庭でのゴミ分別が無ければ話にならない。
インド各地で、何十年もNGOや市民団体が啓もう活動を続けるが、現在でも、DRYとWETなど2-3種類の分別さえも浸透していない。
※先進的なバンガロール市でも、一部地域では浸透しているが、まだまだ全く分別されていない地域も多い。
Waste Samaritanは、家庭での分別が適切に行われているか、可視化するツールだ。
分別した家庭と、分別していない家庭を可視化する。
(2)周辺住民からのゴミの回収プロセス
ここからは、具体的なゴミ回収のプロセスを見ていく。
今回は、Waste Samaritanの経営陣2名と、上記のWaste ImpactのGaytri氏、私の4人で、Ecogramのプロジェクトの一環に導入しているゴミ回収に同伴した。
流れはこうだ。
1.各家庭の玄関にQRコードを印刷して貼ってもらう。
2.各家庭で、ゴミを3-4種類に分類し、玄関の外に置く。
3.ゴミ収集を行う清掃員とドライバーが2名1組で移動。
収集の際に、玄関のQRコードを読み取り、適切に分別出来ている場合は、5つ星を押す。
4.回収後、トラックの荷台では、Dry、Wet、Reject、Sanitary(生理用品)、Mixed(混在)の5つに分けられる。
DryとWetは上述した通り。
Dryはリサイクルなど資源化する。
Wetはコンポスト(有機発酵)、バイオガス(嫌気発酵)で活用する。
Rejectとは上記の資源化も活用もできないゴミだ。日本では焼却処分するが、焼却設備が十分でないバンガロールでは埋め立て処理されることが多い。
5.回収したゴミを廃棄物センターに輸送する
Ecogramプロジェクトを始めて数年、今では8割の家庭が適切に分別するようになったそうだ。大きな成果である。
なぜ分別しないのか?
しかし、これだけ手厚い仕組みがあっても、いまだ2割の家庭は分別していない現実がある。
ここで”分別していない”とは、分別してゴミを出さない以外に、ごみの回収に協力せずに、近隣の空き地や道路に不法投棄することも含まれる。むしろ、その方が多い。
まず、Ecogramのようなプロジェクトがない地域での現状を見てみよう。
我々日本人の感覚では、ごみの不法投棄は100%、投棄した人の問題だ。
確かに、投棄する人が悪いのだが、一概に100%悪いとも言い切れない事情がある。
日本では、月水金など決まった曜日に燃えるゴミの回収がある。前日の夜や当日早朝に、自治会が指定した場所にゴミ袋を出せば必ず回収してくれる。
しかし、ゴミ袋を置く場所もない場合はどうだろう。
回収トラックが通りかかった際に流れる音楽を頼りに、玄関に出て、ゴミ袋を渡す。
しかも、地域によっては、週に1度なのか、月に2度なのか、回収頻度も曜日もマチマチで不定期だ。
まだまだ、こういった状況の地域が多い。
そうなると、家の中に、そんなに長くゴミを保管できない。家の中が臭くなるし、虫も湧いてくる。
そして、周りの住民は近くの空き地や講演、道路脇に投棄している。
こういった背景から、ごみの不法投棄は行われる。
バンガロールでも、ゴミの不法投棄は違法で、見つかったら1万ルピー程度(17000円)と高額の罰金が課される。
一部、HSR Layoutなど先進的な地域では、近隣住民のコミュニティがボランティアとなり、警察と協力して見回りを行っており、罰金を課している。
私もこのコミュニティのWhatsappグループに入っているが、活動日には数件、罰金を課せられた画像がアップされる。
ただ、多くの地域では、警察は忙しく、そこまで協力的ではないこと。むしろ、警察が賄賂欲しさに不正行為に加担しているケースもあるという。
なぜ、定期的な回収があっても分別されない?
上記が一般的なゴミ分別されないケースだが、今回のEcogramのプロジェクトでは状況が違う。
必ず決まった曜日の午前中に回収がある。
自身が不在で回収車が通るときに出せない場合でも、分別したゴミを玄関の前に置くと回収してくれる。
「ゴミ分別をしない理由に、上記の不定期な回収を言い訳にする住人が多い。しかしEcogramの地域ではそれは通用しない。にもかかわらず、一定数従わない住民がいるのは残念だ」とプロジェクト担当者の言葉だ。
実際に同行した中で感じた課題を列挙する。
ゴミが分別されていないと、清掃員が回収拒否すると、その住民は近隣へ不法投棄を始める。それを避けるためにも、未分別(Mixed)のゴミも回収するしかない。
また、ゴミの分別状況は、ゴミを出している家庭では分かるが、そもそもゴミを出さない家庭の場合は実態が分からない。
例えば、長期の旅行で家を空けていてゴミが出ないのか。近所へ不法投棄しているのか。判断がつかない。
清掃員が分別していない住民に、分別を促しても、言い争いになってしまう。
住民側は「私は分別した」と言い張り、清掃員が、なぜその分別が不適切か、説明しようものなら、攻撃的な態度となる。
住民側も慣れない分別で、「ただでさえ協力してやっているのに、それに文句をつけるとは何事か!」と対立した態度をとる。
また、ごみ清掃員という職業を、あからさまに見下している住民も少なくない。(カースト制度のある国も大きいのかもしれない)
今回、僕らが同行していたので、分別できていない住民には丁寧に説明を施したが、清掃員曰く、普段は言い争いになるので何も言わない。そうだ。
清掃員も時間内に収集するのが仕事であり、いちいち説明していては、回り切れない。
また、当たり前だが、住民から罵倒を受けたくない。
実際には中々難しいのだと痛感した。
また、興味深い点として、
今回同行した地域は、上位中所得者層が住む地域(家もコンクリートで、出てくる住民の部屋着の身なりも良い)と、明らかに貧しい層が住む地域(家がバラックで、裸足、服がボロボロ)の両方を回った。
偏見で恐縮だが、当初「高所得な家庭の方が、相対的に意識が高く、適切に分別が行われているのでは?」と仮定していた。
しかし、実際には、同地域で全く違いが見られなかった。
どちらの地域でも、完全に住民による。口論する人の割合も大きな違いは見られなかった。
気になったので、清掃員に『所得や地域による行動パターンの違いってある?』と聞いたところ、『あんまり関係ない。分別の良しあしは個々の家庭の意識の差』と述べていた。
(3)収集センターで分別
収集されたごみは、上述のセンターに集められる。
このセンターでは、DRY Wasteだけを分別対象としている。
WET Wasteはセンター内に併設されているLandfill(埋立場)で時間をかけて土壌に返す。
本センターにコンポスト施設はなく、現在建設中である。
日量数トン程度のコンポスト施設を建設中で、施設ができれば、短期間(45日程度)で土壌に戻せる。
また、Refuse WasteやSanitary Wasteは別途、埋め立て処理される。
日本や先進諸国では焼却処理が一般的だが、焼却設備のない地域では埋立てるのが一般的だ。
管理されていない不法投棄とは別で、土壌に流れないように、シートを敷き、覆土(上に土を被せて)処理をする。
それでも、家庭でのゴミ分別が適切に行われることで、DRY Wasteの資源回収とWet Wasteのコンポスト化で、埋め立てゴミを8割削減できる。
DRY Wasteの処理
では、DRY Wasteの分別を見て以降。
DRY Wasteだけに分別されていれば、腐ることもないので、保管が可能だ。そこに生ゴミなど腐るゴミが入るから腐敗臭が発生する。
保管できるため、一日の処理量を超えた場合は保管場所に置いておく。
訪問時も3-4日分のゴミ(DRY Waste)が積み上げられていた。
運び込まれたDRY wasteはベルトコンベアーに流し込まれる。
そこから、人が人力で25-30種類に分別していく。
プラスチックで10種類程度、金属は数種類、紙類は数種類など。
ベルトコンベアーの上流と中流、下流で分別するアイテムが異なる。
この分別作業は、人力で行われており、とても大変な作業だ。
これまで述べたように、インドでは、家庭で2-3種類に分別するのが一般的だ。
日本の家庭では自治体にもよるが、10種類以上に分別される。(ゼロ廃棄を謳う先進地域は20-30種類に分別する自治体もある)
ただ、家庭での分別も最後は、処理施設で目視で人力での分別が行われる。以前、千葉県流山市のゴミ処理施設を見学したが、日本でも最後は人力で分別しており、ペットボトルでも、実際にリサイクルに回せるのは、6-7割だったと記憶している。
(ここには、一般家庭だけでなく、コンビニのゴミ箱からくるプラも含まれているのも大きな要因)
ここで徹底して分別しなければ、リサイクルできない。つまり、資源として再利用できない。
この光景を目にすると、きちんと分別しなければ!と痛感する。。
今回、Waste Samaritanのメンバーやセンターの人と、「学校教育の中で、社会科見学の一環として、ゴミ分別の半日体験が一般化したら、相当意識変革になるのでは?」と話していた。
リサイクルへ
さて、このセンターでは、基本的には分別のみを行う。
実際のリサイクル処理(再資源化)は、分別された品目ごとに、専門の業者に運ばれて、そこで資源として処理される。
次回の投稿では、この先のリバースチェーン(静脈物流)を追っていく。
※リバースチェーン(静脈物流)とは、サプライチェーン(動脈物流)に対する用語で、廃棄物のサプライチェーンを意味する。
10種類程度に分別されたプラの中でも、梱包用プラスチックという1種類のチェーンを追いかける。
梱包用プラスチックがパレットになり、タイルやバケツに再利用される工程を紹介したい。
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