閑話休題 ーバナナの価格のお話しー
2回続けて現職の話をしたので、今回は私が以前働いていた職種に関して書こうと思います。
因みに、閑話休題って何だ?と思われる方もいらっしゃると思います。
私も、小学生の時マンガを読んで出てきたときに意味が分からなくて調べた覚えがあります(笑)
では、本題に入りたいと思います。
以前、果物等の輸入をしている会社に勤めていた時に思っていた疑問を書きたいと思います。
おそらくこれを読んでいる皆さんの中で「季節関税」という言葉をご存じの方は少ないと思います。
私は、閑話休題と同じく業界に入るまで知りませんでした。
私が関わっていた果物のバナナに関して言うと今は、4月~9月が20%、10月~3月が25%の関税が課せられています。
私の時代は、それぞれ10%、20%だったので時代の流れを感じます。
では、「季節関税」とは何の目的で制度化されているのでしょうか?
関税のしくみ
https://www.customs.go.jp/shiryo/kanzei_shikumi.htm
ネットで調べると、国産品の出回り期が、季節によって偏っている場合、その期間にこれと競合する輸入品に対し高い関税を課すことにより国産品の保護を図り、その他の季節には低い関税を課すことにより消費者の要望に応えることとあります。
バナナをはじめとして、オレンジ・グレープフルーツが該当します。
頭のいいお役人さんが税率を決めているのでその是非は知りません。ただ、果物は比較的足が早い(腐りやすい)食べ物なので、天候や病害によって収穫量か大幅に変わります。
物によっては、表年、裏年と呼ばれる物もあり供給量が安定しないことがよく起こります。
しかし実際、店頭価格が季節によって大きく変わっているかというとそんなこともありません。これは一般的に大手スーパーが仕入れ価格を年間契約で決めている事に起因します。
お店での販売価格が大幅に変わることが無い裏では、しっかり関税はかけられているので、関税分の負担分はメーカーが負担もしくは、その分を見越して店頭価格に転嫁していることになります。
ここで季節関税の目的を思い出してください。
季節関税の本来の目的と起こっている現実。
消費者は、当然、関税のことは気にせず店頭価格を見て買い物をします。
なのに、小売業者の仕入れ値も変わらなければ店頭価格も変わる筈もなく、、
結果的に、
国内農家保護につながっていない
消費者の要望に応えてもいない
(そもそもインフレやデフレなどの物価変動、為替の値動きによって調整機能は大きな影響を受ける)
ということになります。
私がサラリーマンをしていた頃は、
お役人さんの決めた制度がもたらす影響が大きい中で、最大限の会社利益になるよう調整していました。
(バナナは1980年に比べて大きく国内消費量が伸びた果物です)
サラリーマンならそんなこと当たり前だろう?と言われたらそれまでですが、、
俯瞰して構造を捉えようとすると、今現在も訪問看護事業・通所事業では同じことがおきてるんですよね。面白いですね。
お役人さんの考える政策次第で、いくらでも事業環境が良くも悪くもなる。
民間はあくまでもそのルールの中で頭を捻りながら少しでも希望のある道筋を辿っていく。。常にいたちごっこです。
また次回機会があれば、バナナの話でも書こうかなと思います。
ご存知の方も多いかもしれませんが、日本は特に規格、形、色に非常に敏感で厳しいです。
要求度合いの高さが、日本の良い部分でもあり悪い部分でもあり、それだけとても悩みました。
また今度、その部分を書かせていただけたらと思います。