トリニティ似合わない侍が爆誕した話

トリニティ。永遠の名品。
言わずと知れたCartierの名作です。
わたしはそのトリニティに憧れを募らせ、毎日のように検索し、そしてついに試着し、夢破れた者…。

一生使えるリングが欲しい！だったら…！

ジュエリーに目覚めたての2024年早春。
わたしは「一生使えるリングが欲しい！」と燃え上がっていました。
誰しも一度は思うのではないでしょうか。
「一生に一度、とても素敵なリングが欲しい！」
「お金に限りがあるからできれば1回の買い物で仕留めたい…！！」
わたしも、そう思いました。高いですからね。貴金属。

そこで取り組んだのが検索です。
当時、あまり体調が良くなかったので、ガンガン外に出かけて選び倒すことができなかったのです。妄想力と検索エンジンがわたしの武器。very webなんて何往復したかわかりません。

どうやら一生使うなら地金リングがいいらしい。
地金の色合わせ、今後、増やしていくかも知れないジュエリーの幅を広げるなら「つなぎ」なるものがあった方がコーディネートがしやすい…なるほど。

そこで、出会ってしまうのですよ…トリニティに…。

トリニティ…嗚呼トリニティ、トリニティ

トリニティに憧れながら、検索を続ける日々。
わたしはXでジュエリーアカウントを始め、情報収集に励みました。
どうやらトリニティは、エタニティと合わせたり、ペルレと合わせたり、挟んだり、可能性が無限大らしい。
ただ、3本が重なるその形から、サイズ選びが難しいと。ふむふむ。

しかも、2024年はトリニティに新作「トリニティクッション」が発売！
これは悩む！

それまで、3連か7連か、ダイヤつきかなしか…くらいしか検討していなかったのに、そこに颯爽と現れたトリニティクッション。
早々に手に入れたインフルエンサーたちの着画が素晴らしいこと。
選べない…！！ちっさいスマホの画面だけじゃ、これ以上の検討はできない！！！
会いに行くよ！！トリニティ！！！

ついに邂逅！いざカルティエへ

いよいよ、カルティエに足を踏み入れる日がきました。

そういえば、ブランド店に行くのは、夫と結婚指輪を選びにきて以来…最近は入店予約とか、接客待ちとかするんですってね、予習済みよ！

ドアマンに扉を開けてもらい、店に入り「今日は、トリニティの試着をしたくてきました。お願いできるでしょうか。」と声をかけると、しばらく待たされてから、接客が始まりました。

もう結構前なので、店員さんになんと声をかけてもらったか思い出せないのですが、わたしは「トリニティのピアスとリングを試してみたいです」と告げて、自分のサイズのトリニティをケースから出してもらいました。トレイに並んだトリニティの美しいこと、新作のトリニティクッションもあります。

「どうぞ」促されて、そっと指につけようとしたのですが、3つ重なったデザインなので、自分ではリング同士を擦って傷つけてしまいそうで怖くなりました。

「傷つけては申し訳ないので、お願いできますか？」
店員さんは快く微笑み、そっとリングをわたしの指に…ああ、夢にまでみた、指紋が擦り切れるまで検索したトリニティがついにわたしの指に…！！！

ジュエリーは身につけて完成する芸術…そして

その日、わたしは思い出した。
むちむちの指が短いパンの手を…
トリニティはボリュームリングであることを…！

トキメキを胸に抱いて、恭しくはめてもらったトリニティですが、びっくりするほど似合いませんでした。
厚かましくもそのときまで「あれほどみんながいいというトリニティなのだから、きっと身につけた瞬間、わたしの手も素晴らしくなるだろう」と疑いもしていませんでしたが、そんなわけはない。
何もつけていないパンの手が、トリニティをつけたパンの手になっただけでした。

今にして思えばなのですが、わたしは、指と指の間がみっちりとしていて、隣の指に干渉するようなふっくらしたリングは少し苦手なんですね。イコニカも、とっても可愛いなって思ったのですが、試着したときトリニティと同じように「あれ？」となりました。

そういう意味では「似合わなかった」というよりは「自分が思っていた自分像と違う」というのが、トリニティを諦めた大きな理由かもしれません。
それって数mmの違和感なので、脳内でイメージしたり、web試着してるときにはわからないんですよね…。試着は大事。苦い経験でした。

Goodbyeトリニティ！また会う日まで！！

で、トリニティのことは諦めたんだっけ？
いいえ、諦めていません。だって永遠の名品トリニティ。

もしかすると、わたしの手が年齢を重ねて迫力をつけたら？
装いのイメージが変わったら？
ありたいと願う自分像にトリニティが重なる日がこないなんて…言い切れる？

でも、今のわたしの手には、トリニティは似合わない。
それは、トリニティの素晴らしさとも、わたしの手の美醜とも関係ない。
今のわたしらしさと重ならないだけ。

永遠の名品トリニティ。
わたしがもう一度必要だと思う日まで、今はさよなら。

新作で出たアニマル柄最高にかっこいいね！試着に行くよ…！
似合ったら思い切れるように、そのときはカードの限度枠をあげて。