小比類巻かほる(Kohhy)を語りたい 番外編4
Kohhyのデビュー作「NEVER SAY GOOD-BYE」は、大映ドラマ「ポニーテールは振り向かない」の主題歌として採用されました。
伊藤かずえさん演じる主人公ミッキーが、ドラマーとしてバンドを組み、仲間たちと成長していく物語です。
このバンドは結構多めの人数で編成されていて、ツインボーカル、ツインギター、ベース、キーボード、サックス、ドラムと計8人のバンドです。
この8人がそれぞれに訳ありで、さらに舞台となるライブハウスにはバンドメンバー以外のミュージシャンや、メンバーの家族も多々登場してそれぞれのドラマを展開するので、いま思えばエピソードが大渋滞していた作品でした。
そんなドラマの主要メンバーの一人に岡田奈々さんが演じた流れ者のシンガー(千葉かおる)がいました。サックス奏者の国広富之さんが恋人(というかヒモ)の設定でした。
岡田奈々さんが劇中で歌っていたのが「イッツ・フォー・ユー」。
岡田奈々さん名義でレコードにもなっていますが、この歌の作詞をしたのが我らがKohhyでした。
(と書くと、いかにも前から知っていた風ですが、最近ウィキペディアを見ていて知りました。)
この歌はKohhyのセカンドアルバム「No Problem」にセルフカバー版が収録されています。
この情報もウィキペディアで知ったのですが。
ドラマも熱心に見ていたし、「No Problem」も随分聴き込んだんですけど、今まで全く繋がってなかったですね。。
私の世代には岡田奈々さんはスクールウォーズの滝沢先生の奥さん役のイメージが強いですね。清楚、控えめ、でも時に厳しい。
一方、「ポニーテールは振り向かない」では、アンニュイ、逃避行、大人の女性といった感じで、スクールウォーズとは真逆な役でした。
この「イッツフォーユー」も、横須賀のライブハウスに流れ着いた歌い手が退廃的な雰囲気を漂わせながら(ヒモと離れられずにいながら)歌う曲でした。
ちなみに岡田奈々さんの曲はSpotifyに多数入っているのですが、「イッツフォーユー」は残念ながら入っていません。
さて、この記事を書くにあたり、久しぶりに「No Problem」を通しで聴きました。
「It's For You」、改めて聴いてみると歌詞はベタなラブソングなんですよね。
思ってたようなアンニュイな歌じゃなかった。ちょっと意外。
もっとも、ドラマでは岡田奈々さんは歌手として再起し、国広富之さん(ヒモ)と別れて次のステージに進む、というストーリーなので、ポジティブな歌詞の方が良かったのかもしれません。
ちなみに国広富之さんも目を覚ましてバンド活動に熱心に取り組むようになります。
バンドメンバーや周囲の人たちがみな、お互いの夢に向かって前向きさを取り戻す、あるいは過去のわだかまりから解放される、再生と赦しのドラマなんですよね。
そう思うと、主題歌の「NEVER SAY GOOD-BYE」はピッタリの歌だったんだなと改めて感じました。
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