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もし無人島に一本だけカセットテープを持っていけるなら その6

もしも無人島に行くことなって一本だけカセットテープを持っていけるならどんな曲を入れるか?という妄想から始まりました。第6回目です。

A-6「ひとり」ゴスペラーズ(2001年)

言わずとしれたゴスペラーズの代表曲。
私はデビュー当時からのゴスファンでして、この曲が売れたときは本当に嬉しかったですね。
嬉しかったというよりは安堵したというべきか。
今年はデビュー30周年ということで、あちこちの媒体にこれまでの歴史を語っていますが。
ああそうだったなあという話もあれば、ああそうだったのか、という話もあり。

↓こちらのフミヤが驚いた話が良い。私も驚いた。

さて、この歌の好きなところを列挙していきます。

1 出だしが良い。
「愛してるって最近言わなくなったのは 本当にあなたを愛し始めたから」
いや、本当にすごいフレーズを紡ぎ出したものだなと。
この出だしがなければ、ゴスペラーズの現在も、その後に続くアカペラブームも無かったのではないでしょうか。

2 ファルセットで歌うのがすごい
裏声で歌うというのはそれまでもありました。
私が思い出すところだと、ミスチルの「CROSS ROAD」の「くーずれーてくー」のところとか。
私の友人は「フーフフーフフー」とハミングをしていたと思っていたそうですが。
「ひとり」が違うのは、ファルセットの量が多い。
ゴスマニアには「参宮橋」(1997年)のような全編ファルセットの曲もあり、おなじみではありましたが、シングルでこれだけのファルセットを入れてきたのは、なかなか勝負をかけてきたなと。

3 カラオケで歌うのが難しい曲で売れたのがすごい
ゴスペラーズの曲はデビュー以来、カラオケで歌うのが難しい曲が多かったなと思います。
うまく歌うのが難しい、という意味ではなく(私の歌唱力は中の下くらいです)、単に歌うのが難しい。歌っていて迷子になってしまうというか。
アルバム「Vol.4」(1998年)あたりから周囲にゴス仲間も増え、カラオケに行ったりもしましたが、ゴスの歌は難しいから盛り上がりにくい。
もう、だから売れないんだよ、とゴスペラーズ布教担当としてはヤキモキしていたわけですよ。
「ひとり」もカラオケには向かない、というかそもそもアカペラだし。。
当時、カラオケ文化を象徴する「夜もヒッパレ」でも「ひとり」はランクインしなかったのではないかと記憶しています。
誰が歌うか、結構楽しみにしていたのですが、やはりカラオケ向きじゃないと判断されたのでしょうか。
カラオケ全編期に、しかもタイアップも無しでこれだけカラオケ向きでない歌がよく売れたなと思います。アッパレやってくださいよ。
つまりは、それだけ歌のクオリティが評価されたのではないかと思うのです。

4 前奏も間奏もないという構成への驚き
「ひとり」は前奏がない歌、という印象は強いと思うのですが、実は間奏もないんですよね。これがすごいなと。
例えば「星屑の街」もアカペラの歌ですが、この曲は前奏も間奏もあります。

「ひとり」は、イントロの「愛してるって最近」たけでなく、
「聴こえないように 不思議な 気持ちさ」
と、サビの終わりから次のメロディへと切れ目なく入っていきます。
「あなたに二度と (悲しい歌) 聴こえないように 前に前に前に恋してた」
次のサビからCメロに移る流れも切れ目なく進むのですが、歌詞のカッコのところはリードボーカルが歌わず、「二度とー」のーを歌って繋ぐ、というのが何ともカッコいい。
コーラスグループならではの歌唱といいますか。
最後のサビはリードボーカルは主旋律とは別のところで歌い上げて、最後の「聴こえないように」でやっと帰ってくるという。
いやー、こんだけ歌えたら気持ち良いだろうなあと。

ということで、ゴスマニアとしてはついつい語ってしまうのですが。
いやー、30周年ですが。すごいなあ。
これからも末長く、私たちを魅了してほしいものです。

ところで、noteで熱いゴス記事をみかけました。自分の記事を書き終わるまで読むのをガマンしていましたが。

良い記事でした。
ゴスを好きでいてくれてありがとう。

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