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シマノとSRAMのクランク チェーンラインまとめ
別の記事でも書いたことがあるのだが、シマノとSRAMのチェーンラインに関して、まとまったサイトがないのでまとめておく
結論
ロード系
シマノ R92 R81 R71 世代 44.5mm
シマノ R91 R80 R70 FC-4700 43.5mm
SRAM (含むDZERO / DFour) 45mm
グラベル系
GRX 1X 49.7mm
GRX 2X 46.9mm
SRAM AXS Wide 47.5mm
※公開当初GRX 1Xと2Xの数字が逆でした、ごめんなさい。修正済みです。
MTB系
O.L.D.142(or 135) 49mm
Boost 51-53mm 付近
T-Type (Transmission) 55mm (Boostからカセット全体が2.5mm アウトボード)
キャノンデールAIオフセット
Boostでない一般のチェーンラインに対して3mmアウトボードという理解。当初はMTBが142mmだった時代に始まったので49+3=52のはず(未確認)
そこからSuperXやTopstoneといったシクロクロス/グラベル系のフレームは44+3=47付近のはず(未確認) クランクセットに関して、驚くほど混乱があるのでこのページの最後にまとめておく。
考察と経験知
各コンポには大きくは公表されていないが、最小リアセンター(かそれに似た)制限がある。あまりにリアセンターが短いと動作を保証しませんよ、というものだ。 言い換えるとミニベロなどでリアセンターが近すぎるとチェーンラインはシビアになるが、個人的には一般的な700cロードや29erの場合はリアセンターが確保されているため、チェーンラインにさほど神経質になる必要はない、と思っている。これが理由1。
ほかにも、R91からR92へ、1㎜アウトボードしたわけだが、これはシマノが「もはや主流はO.L.D142mm」という宣言ともうけとれる。と同時に、R92で旧来のOLD130mmが非互換というわけではない、逆もまたしかり。 130mmと142mmではリアのギアの位置が2.5mmの差があるが、アウトボードは1mmのみ、主流にちょっと寄せておくか、という程度のものだ。これが理由2。
このようなわけで、一般的な700cロードや29erの場合、1-2mm程度のズレをあまり気にする必要はないと感じている。特にドライブ側にウェーブワッシャーを入れるタイプは締め具合により0.5mm程度はぶれる。コンポメーカーもその程度の精度で動作保証している、ということでもある。理由3。
経験上、リアコグやRDが想定しているチェーンラインから2mm以上ずれる場合はトップや最大ギアで異音が聞こえたり多少の変則不良は感じるかもしれない。そこまで行くと筆者はBBに1mm程度のシムを入れたり抜いたりしてごまかしたりするが、BBやクランクアームの固定ネジの掛かりが浅くなったりするので、現物と体重や乗り方をよく考えたうえで個人でリスクをとる必要がある。
ワイドリム、ワイドタイヤ化とともに、DSチェーンステー付近の土地・空間争いはシビアで、インナーギアも争いの主要なキーの一つ。このあたりはコンポーメーカーとフレームメーカーで苦労しているポイントである。 1X限定だったり、右チェーンステーが上げ下げしてあったりすると、メーカーの意図が垣間見れておもしろい。
できるだけあまり他で語られないネタを提供してコミュニティに貢献したいと思っています。ぜひほかの記事も見てみてください。
https://note.com/bikes
ソース
FC-R9200
![](https://assets.st-note.com/img/1723077431773-jc3jb2RFpD.png?width=1200)
https://bike.shimano.com/en-US/product/component/dura-ace-r9200/FC-R9200.html
FC-R9100
![](https://assets.st-note.com/img/1723077505002-kfT1az6tmu.png?width=1200)
GRX 2X FC-RX820-2
![](https://assets.st-note.com/img/1723077582320-NRGD28h8lA.png?width=1200)
GRX 1X FC-RX810-1
![](https://assets.st-note.com/img/1723077714050-ZEFVgYXZKL.png?width=1200)
SRAM
![](https://assets.st-note.com/img/1723163260504-m2zEa6HxBF.png?width=1200)
AIオフセットのクランクセットに関して追記
やや蛇足だが、Aiのクランクセットに関して整理しておく。Aiオフセットというとすぐにホイールが話題になるが、ホイールは通常品をずらせばいいだけなので、腕の良いショップならすぐできるだろう。ちゃんと組んであれば当面スポーク交換も(多分)不要。問題はクランクだ。
結論から書くと、シマノクランクへの交換は不可能か、それに近い。個別のケースで例外はあるかもしれない。
ロード系Aiはスパイダーやダイレクトリングは(おそらく)通常品で、スピンドルでオフセットを実現している。1Xと2Xで異なるスピンドルが必要なのはリングの生産工程の都合だろう。混乱をさらに上乗せしているのが先に出たMTB系で(なぜか知らんが)スピンドルを6mm以上(2x3mm)長くして、スパイダーをフレーム側に戻すDishすることにより+3mmのチェーンラインを確保していた。Ai-Offsetで検索するとMTB系の情報が混ざるので大混乱だ。
クランクアームが通常のSI系クランクと同じなら当然Qファクターに影響がある。(このあたりがわからん)
上記に伴うFDはFDマウントもアウトボードさせることで対応なのでFDは通常の製品が使える
BBもBB30-86というAi独自の規格があり、そこからさらにBB30Aが参戦して意味不明。一時期SRAMがAiむけに専用クランク(スピンドル込)を出していたが、これらがBB30Aに対応できるのか、もはやスラムのドキュメントにも記載がなく、おそらくキャノンデールに問い合わせても過去の製品に関して適切な回答が返ってくるかはだいぶ怪しい。もしパワメを検討ならば少々高くつくがAssioma Pro MXしかポン付けはできないだろう。あるいはStagesがキャノンデール向けに左側測定のクランクを出していたが、これをつけてBB30Aの左右のQ Factorが一定になるか不明だ。
もし自分がそれでもシマノ化にチャレンジするとしたら、BBシェル幅vsスピンドル長が許せば、GRXクランクに自作(あるいは中華)24mmΦスペーサーで挑戦するだろう。Aiの+3mmには届かないが+2.5mmは届く。ただし前述のように①スピンドル長が十分にあり、安全に固定できる ②クランク全体がセンターあるいはせめてわずかに右寄りに設置でき、チェーンラインが±1mm以内で合う。という前提だ。おカネがあればSram Wideクランクも同じ考え方で行けるかもしれない。