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グラベルバイクのパワーメーターについて


2024年3月追記

AssiomaのSPDペダルが発売開始されました。DC RainmakerやGPLamaのテスト結果を見る限りこちらが両足計測 最右翼な可能性があります。

そして手に入れました。現段階で耐久性等はわかりませんが、非常に良いです。おすすめです。


公式より拝借。リンクになっています。

DC Rainmakerの記事はこちら
GPLamaの検証Youtubeはこちら

どちらも精度に問題なし、と言っていて自分から見ても問題なさそうです。
GPLamaはカチャつきとかもないと言っていますね。スタックハイトはペダルセンター部分の厚み1/2で公式からは11.1mm 同一箇所をM9100 XTRペダルでは8.55mmなので+2.55mm、シート高に2.55mm程度の影響です。ガーミンのネガをほぼ消してきていて期待です。(当初間違っていましたすみません。)

はじめに

グラベルバイクを手に入れて乗り出したら、意外に使い勝手が良くて距離乗るようになってしまったそこのローディーさん、 あるいは、全てのライドでTSSが取れないと死んじゃう病気にかかってるハンター原理主義者の方、そもそもパワメが好きな方、そんな方に向けて意外に難しいグラベルバイクのパワーメーターの選び方について書きました。 ここではグラベルライドにパワーメーターが必要かどうかは書きません。あなたが欲しければ必要なんです。なんでもやってみないとわかりませんからね。

ディスクレーマー

(残念ながら)グラベルバイクのフレームや設計はロードバイクのそれよりずっと自由度が高く、またチェーンリングも1X, 2Xという以上にいろんな製品があります。そのためここに書いてあることは重要な要素ではありますが、全てをカバーすることはできず、最終的には「やってみる」という精神が少なからず求められます。 もしかしたらうまく装着できないかもしれないし、思った結果が出ないかもしれません。 ロードフレームを買ってシマノのクランクが付かなければ同情を引けるかもしれませんが、パワメを買ってグラベルバイクにつかなくてもプギャーされるだけです。(でも情報は共有してくださいね!)
今ではヤフオクやメルカリがありますし、人柱精神を持って取り組んでください。

答えを急いで知りたい方へ

ペダル型は次に書きますが、今のところ(小さくはありますが)地雷です。Assioma Pro MXがおすすめできます。

クランクがGRXならば左側のチェーンステークリアランスを確認して4iiii のGRXで片側測定でしょうか。TNI様のおかげで国内で調達しても海外に比べてさほど高くなく、クリアランスさえ確保できればおすすめです。クランクをGRXに変えてしまうことも考えてみてください。 繰り返しになりますが、クリアランスに注意です。

SRAMクランクの方はQuarqを検討してみてください。特にForce以上の場合はQuarqのスパイダーがつくならばそれが比較的簡単で両足分のパワーがきちんと計測されます。


ペダル型

残念ながら現時点でお勧めできるソリューションはありません。

今のところAssioma Pro MXがおすすめできます。

Garmin RallyのXC100/200

おそらく一番お気軽だと信じられているでしょうか。100が片足、200が両足型です。 私自身も持ってますし、チーム内でも複数の方が使っているのであまりディスりたくないのですが、おすすめしません。

  • ペダリングするとカチャカチャいう。

  • スタックハイトが異常に高く、サドル高に響く。自分調べですが、XTRより5.2mm, XTより2mm、Duraペダルより4.7mmサドルが高くなります。(Rallyのスタックハイトは13.5mm, PD-9000が8.8mm, PD-m9000が8.8mmです。わお、これはでかい。)

  • ペダルを付け替えると一筋縄では測定が安定しない。


最後の安定に関しては反論もあるでしょうけど、直後は毎度Zeroingが必要で、忘れると150%ぐらいの数字を平気で出してきます。感覚的には4回ぐらいは中距離を乗らないとだめでしょうか。私の経験ではハードスプリント数回程度では最後の1-2%が安定しません。色々コツはあるのですが、長くなるので割愛

改造Assioma


次にグンとハードルが上がって、改造Assiomaです。こちらのスレッドでAssiomaを改造してSPD対応にしている人たちがいます。

腕に自信があればOKと思いますが、自分は未挑戦ですがいつかやってしまいそう。ただ国内で簡単に手に入るペダルボディに互換?品はありません。ボントレガーは付くけど実はダメで、XPEDOのCXRを海外通販3万円が無難でしょうか今日時点でAmazonで買えるXTRペダルを超える値段で、ペダルともあまり良い評判をききません。
誰にでも勧められるとは言い難い。Assioma自体はいつも安定しているという評判を聞くのでいつか手に入れたいと思っていますが、トータル10万越えで自己責任の改造を他人様には勧められず。どうでもいいけど、XPEDOってブランド名はどうにかならんのか・・・
追記:Assioma を手に入れて、SPD化を行いました。結論としてCXRはおすすめできません。ボルトを軽く閉めてロックタイトで固定するなどといった、安全とは言い難い施工をする必要があります。CXWXCのペダルがつきましたが、ガーミン並みにスタックハイトが高く、手間をかける意味を考える必要があります。(ガーミンよりはずっと安いですが)

測定精度に問題はでませんでした。
本家のSPDモデルに期待です。*1

SRM X-Power
自分にとっては論外。他人のテストを見てるかぎり自分には精度が許容できない。また、30時間しか持たないバッテリーが一日放置で3%減るとか運用上の問題もある。どちらも現時点では治っているかもしれないとはいえ、自分は昔からSRMをさほど信用してないのでSRM信者のお布施的な位置付け(言い過ぎ)

クランクアーム型

よくスパイダー型と混同されていますが、センサーがクランクアームについているタイプです。パイオニア、シマノ、4iiii, Stages, P350CS, などがそれです。ロードには良いのですが、グラベルバイクの場合以下の点で注意です。

  • チェーンステーとのクリアランス

  • チェーンリングの相性


チェーンステーとのクリアランス


左側のチェーンステーに8mm-10mmぐらいのクリアランスが必要です。
Stagesの情報がよくまとまっていて事前確認には最適。4iiiiも似たようなものです。(あえていえばStagesはもう少し狭くても大丈夫すが4iiiiのPrec3はシビア)

シマノのホローテックは知る限り一部のXTRを除いて同じ構造で、XCバイクの左側にスペーサーをかましてStagesやPioneerのロードクランクを付けてたこともあります。この方法だと、ロードに両足のStagesやパイオニアをつけて、一時的にグラベルバイクに貸し出すこともできます。繰り返しになりますが、クリアランス要チェックです。スペーサーで誤魔化すのは安全かどうか自分で判断できない方はやめた方がいいでしょう。右側のチェーンラインを犠牲にして・・・(長くなるのでやめとく)

チェーンリングとの相性


右側のスパイダーやアーム、それとグラベル1Xの32-40Tリングは高確率でセンサー部分と干渉します。 4iiiiがGRXの完成品を出していますが、左側は旧型のPrecisionで、センサーが厚いので(しつこいですが)チェーンステーとのクリアランス注意です。

ところであまり語られていないことですが、このタイプのパワメにとって、取り付け時のトルク管理は結構重要です。 メーカースペックのトルクでしっかり止めましょう。

スパイダー型

Power2Max, Quarq, SRM、最近ではSIGEYIやXCadey-Sなどという中華もあります。

スパイダー型のポイントはリア変則がシマノかスラムかがはじめに来ると思います。簡単な方から進めます。

この中で最も無難なオプションは意外にもPower2Maxです。1Xはもちろんサブコンパクトの2X、それぞれロードチェーンラインやGRXチェーンラインでそのものズバリ、24mm軸で商品があるので自分の自転車に合ったクランクを判定できればGoです。 測定値もかなり安定していて重量さえ許容できればSet & Forgetできるのでお勧めです。50/34未満のサブコンパクト2x 両足測定ではほぼ唯一といって良いソリューションですが、国内調達はかなり難しいのが難点と言えば難点。FSAがPowerboxの初期版としてOEMとして出していますが、P2Mのアプリからも認識できるしソフトウェアアップデートなどもできるので付くのならお勧めできます。

SRAM AXS

SRAMのリア12速で、スパイダー分離が可能なものであれば、Quarq AXSに入れ替えることができます。これによりBBは流用可能になり、問題はチェーンリングだけになります。107BCDでチェーンリングを調達するのでWolftoothなどが選択肢になると思います。

シマノ10-12速、SRAM 11速、GRX以外

中古のQuarq

今着いている変速系がシマノやSRAM11sの場合、中古のQuarqが選択肢になります。具体的にはDfourや中古のDzeroが選択肢になります。2014年のELSA以降のCR2032バッテリーのQuarqであれば中古もおすすめです。昨今ではEbayやヤフオクで4万円から7万円ぐらいで見つけられます。
中古のQuarqの場合、現実的な選択肢は以下の組み合わせの中から選ぶ必要があります。

・5アームまたは4アーム。5アームはDZero 4アームはDFourやELSA RSと呼ばれます。
・BCDは110 (130は避けましょう)
・スピンドル  GXP / 旧BB30 / BB30
・クランク長 165-175mm

アーム数に関して。シマノやシマノ向けのチェーンリングを使用する場合は4アームが無難ですが、5アームでも中華系チェーンリングを駆使すれば使用可能です。
スピンドルに関して。クランクスピンドルをGXP, BB30, Dubから選び、それに合わせてBBを選定します。 シマノクランクであれば、GXPに行くのが一番無難かもしれません。左側に24/22mmのスペーサーを突っ込めば、24mmBBが流用できるはずです。BSAやPF86のフレームであればこのあたりが楽です。
Dubは比較的豊富なBBを出しています。BB30系のフレームはもちろん、BSAやPF86にもつかないことはありません。
Quarq のBB30のクランクは要注意です。BB30のフレームにしかつかない、というガセネタがありますが、これも実はガセとも言い切れないのです。SRAM系のBB30は2種類あり、古いものはBB30専用、新しいものはアクスルが長く、事実上BB386に近いものです。BSAにも組み合わせによっては取り付けられる、とカオスです。
クランク長に関してはお好みのものを。

最後に(もう嫌になってると思いますが)チェーンリングです。穴の数は昔からある5アーム、スラムHidden5アーム、シマノ変形4アーム、MTBのPCD104 4アームの中から正しいものを選ぶのはもちろんです。ここで107という数字が出てきたら、それはSRAM 4アームでどこかで選択を誤っています。 さらにやはり相性があり、中華の安いやつはチェーンラインが外に振れていてリア変速に影響がでます。WolfToothなどの高級1X Ringはチェーンラインに配慮されていますが、その形状からして相性問題が泥沼化しやすいです。最終的には現物合わせとなるかと思います。シマノ12sチェーンはさらに要注意ですが、もう嫌になってると思うので割愛。

中古のDZERO/DFour + 50/34未満のグラベル向き2xチェーンリングに関して

(2024/03追記 ここではGRXに触れません)
中古DZEROやDFour PCD110で2x チェーンリングをグラベルで使いたい場合,
シマノ4アームのELSA/DFourか、DZero 5アームは選択肢にかろうじてなります。最近はStone やBikinGreenといったブランドから、チェーンラインを3mm内側にオフセットした40/32や40/31というグラベルに適した2x チェーンリングが出ています。もしチェーンがシマノ12sの場合はそれらの中でも明示的にシマノ12s対応のものを探してください。ebayやaliexpressで見つけることができます。フロントディレーラーの再調整が必要でおそらくGRXではなくロードのFDが必要です。 シマノの設計よりリングは小さく、チェーンラインは3mm内側なので、FD調整はかなりシビアになるためメンテ上級者向きです。

中華


SIGEY, XCADEY-Sとかがありますね。Mergeneに関しては判断を保留しています。
XCADEYは個人的に2回買ったことがあり、うち1回は問題ありませんでした。今でも使っている XCADEY-Sは精度を確認したところ-6%の補正が必要なハッピーメーターでした。L5ワークをやった時にヘタれるに十分な誤差なので自分で検証・補正値の確認ができない方はやめた方がいいような気がします。この程度の差分を「乗った感じ」で気づける、まして補正できる方は極めて少ないでしょう。「大体あってる感じがする」などと言ってるブログを信用してはいけません。「それってあなたの感想ですよね?」どころか、お金を払って買った機材において筆者のお気持ちはバイアスに汚染されています。
検証においてはトルクを出すこともできないのでStompテストも難しいため、信用できるペダル型やホイール・固定ローラーと同時比較を行います。特に私はFTP中心に前後15%前後の正確性を重視しています。温度やペダルの座りを安定させて比較する必要があり簡単ではありませんが、これはこれで楽しいです。
SIGEYIはGPLamaが数ヶ月にわたって取り組んで組み付けや温度により安定しなかったことと、自分が検討当時、スケーリング設定ができなかったことが理由で未挑戦です。言い換えると、リスクをとるにしてもXCADEYが無難(でしたが、その後GPLamaがSIGEYIを再検証してOKになりました。スケーリングも今ではできます。国内展開もするようなのでSIGEYIが無難?自分で触ってないので断言は避けます。)
XCADEYのスパイダー型についているXCADEYの独自クランクは、大手が誰もやらない24mmアルミ軸です。(通常24mmは鉄)ドロップオフでスピンドルが折れたら命に関わるのでやめたほうがよいと思います。 

最後に
いかがでしたか?(いかがでしたかブログw)はじめに4iiiiが無難、と言った背景がお伝えできていたら幸いです。ペダル型はAssioma本家のSPDに期待ですが、バッテリーがボディ側のスピンドル内にあるため大口径化しています。おそらくスタックハイトに関してはGarmin Rally同様の問題が出ると思いますし、8mm Hexでの取り付けもできないと思いますが、Assioma様の安定性に期待しています。買ったら追記しますね!ではまた、最後までお付き合いいただきありがとうございました。いつか一緒に走れることを楽しみにしています。

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