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シマノCuesに見るその互換性と展望を読み解く


はじめに

シマノのCuesが話題だ。 新商品の紹介やその使命、役割に関してはいくらでも他のメディアが取り上げると思うので、このノートでは例によって既存システムとの互換性、等マイナーな点をカバーしていく。 
あらかじめ断っておくと、Cuesに関してもLinkGlideに関しては自分は触ったことがなく、シマノからの情報を元にした憶測の混ざる内容。誤解や間違いを見つけたらぜひご指摘を。

Cuesとは何か

Cuesとは11sのHGチェーンを中心とした、流通在庫を抑えるために作られた新たなコンポーネント体系である。あえていうとGRXを含むロード系、マウンテンバイク系に加わる新たな体系と考えている。

9s, 10s, 11sを全て現行の11s HGチェーンでまかなう、と言うのが(この記事の中では)最大のポイントとなる。

また実はその源流は2021年に発表されたLINKGLIDEというeBike向けに発表された変則システムの体系にさかのぼることもふれておく。

この通り、HGの11sチェーンで9/10/11sを全てまかなう。

11S系の互換性

まずはロードでもまだまだ主流と言える11s系から整理しておく。

11sカセットの互換性

結論から言うと、Cuesの11sカセットは今でいうHGカセットに互換する。(チェーンが共通だからね)ただしいくつかの注意がある。

Cues(というかLinkGlide)の目玉であるカセットは、いわゆるHGではなく、カセットこそがLGであり、異なる体系となる。具体的には歯の厚みが分厚く耐久性がシマノ曰く3倍となっている。 しかし、変速がHGカセットに比べるとダルい、と言う報告がある。 11sの11-51Tに惹かれるならばCS-M5100系が無難。

11s RDとSTIレバーの互換性

今回発表されたST-U6030の互換チャートが未だ見つからないんだが
残念ながら結論から書くと、GRXを含む既存のロード11sRDとの互換性はない(と思う)。下記のチャートから分かるようにRDの引量(Pull Ratio)は新規に起こされたU系で、公式にはロード11s系ともマウンテン11s系とも非互換。

ただし、非公式の情報からRD-UのRatioは1.1でMTB系11sと同じ、ということで、マウンテン11s系とは互換性があるのかもしれない。(つまりそのことからもロード11sとの互換性は絶望的)

M11s系とLG11s系はいちおう明確に区別されている

11sホイールの互換性

フリーボディに関してはHGのため、大きな混乱はないが(念の為)シマノは一部のハブでゴツくなるRDやカセットのために、スポークとのクリアランスを注意喚起している。長くなるので詳細は触れないが、既存ホイールにCuesカセットというかCues RDを入れる場合に接触すると被害甚大なので注意してほしい。
https://si.shimano.com/en/cues/technical-assets-techdoc-techinfo

その他、10s 9s系の互換性

調査するまでもなく、9/10/11sのCuesは11sのHGチェーンを用いる、と言う時点で既存のロード、マウンテンの10s体系とは異なる。カセットもRDも単体の互換性は絶望的。

47/GRX400系に続く、第3の10s体系とも言える。

今後の展望

Cuesの登場でTiagraが整理されてしまうと、過去の78/79/46/47/GRX400と続いた10s系のレバーは消滅することになる。47系は元々過去の10sと互換しないのだし、もちろんカセットやRD/FDごとCuesを導入すれば良いのだが、結構な出費と作業量になるだろう。今のうちに確保しておくか、中華系へ踏み切れば延命はできるとはいえ、空白が開いた。
チェーンに関しても同様で、ここはシマノの良心を信じたいが、そもそもの目的は流通在庫のSKU削減にあるので、10sチェーンも風前の燈かもしれない。今のうちに確保しても良いかも。


できるだけ他の人が注目しないネタで他にもノート記事を書いています。よかったらみていってください。



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