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沖縄→北海道】Day04鳥取から富山へ02

【鳥取県倉吉市から富山県富山市へ】日常使いしている110ccのSD(ベトナムHONDA製スーパーカブ、Super Dream)号で、沖縄から北海道まで6泊7日で走りきる? 机上では大丈夫そうなので、実際に走ってみました。……4日目は鳥取県倉吉市から富山へ。移動距離は7日間中最長の480㎞。昼前からお尻が痛くてたまりません!

福井県から石川県に入る国道8号、牛ノ谷峠を越えたところで日が暮れ始め、石川県に入りしばらくすると町並みの景色が変わりました。国道沿線の住宅が、建売風から邸宅風に。黒光りする重厚な屋根、庭付きの門構えなど、いかにも立派です。

福井県の終わりで夕日の時間に

国道8号を走るクルマも変わりました。それまでデフォルトは軽自動車だったのですが、プリウスとアクアがデフォルトに。全く見かけなかったメルセデスやアウディもちらほら走っています。北陸新幹線開通による経済波及効果なのでしょうか? ゴールドラッシュ、というフレーズが頭をよぎります。

国道8号のバイパスは2車線高架。北陸自動車道に迷い込んだかのよう

ナビによると本日の宿、富山市の『いなり鉱泉』着予定は21時過ぎ。今日はずっとナビが示す通りに距離を重ねてきました。何も今日に限った話ではありませんが、旅を始めて以来まったく地図を見ていません。なので自分がいま何処にいるのかが、常にわからない状態です。ナビ以前は地図でルートを確認し、どの道をどこで曲がるかを予習しました。結果、自分の位置を常に俯瞰から見ているような感覚がありました。ナビ以降は、それがまったく無くなりました。

1日に500㎞弱を走行となると、いよいよ道はナビ頼りに

日が暮れると、その傾向はさらに顕著に。国道8号においても都市郊外エリアの景色は無個性です。見覚えのあるドラッグストア ファストフード、ディスカウントストアが延々連なっており、いよいよそこが何処かが分からなくなります。不安を覚えるほどの既視感です。

夜間、郊外の国道沿いは何処に行っても同じで既視感が続く

それからこれは旅を始めてから気がついたのですが、1日の走行距離が300kmを超えるとかなり走りに忙殺されます。イメージとしては手軽なSD号で、一般道のみのツーリングなので、気軽にあちこち寄り道して、時にはカフェで……、などと思っていたのですが、それは無理でした。唯一の休憩が昼食で、後は150km毎の給油時に用を足す程度。コンビニにすら寄ることなく、ひたすら走り続けています。

のんびりあちこち寄り道しながら……ならば、1日の走行を200㎞以下にすべきでしょう。でもそうなると2週間の行程となってしまいます。理想をいえば、原付二種ならば〝1日1県で日本縦断〟が楽しそうです。日常使いのアシ的SD号でひたすら走り続ける旅、というのはちょっと矛盾しています。その矛盾のはざまで、既視感のある郊外景色ばかり見続け、4日目にして自分を見失いかけました。

富山市の宿『いなり鉱泉』にはナビの予報通り、21時過ぎに到着。ひと風呂浴び部屋に戻ると線路際のようで、時折踏み切りの警報器が鳴り、夜汽車が通過していきます。富山だから北陸本線、と思いつつ眠りに落ちました。

北陸本線はあいの風とやま鉄道になっていた

……翌朝、窓を開けてみたら見たことのない電車が行き交います。2015年、北陸新幹線の長野駅 - 金沢駅間が延伸開業にともない、北陸本線の富山県内区間はあいの風とやま鉄道になった、とのことでした。 (つづく)

――この沖縄 喜屋武岬から北海道 宗谷岬への6泊7日旅の全貌は本誌特集「走って走って日本縦断記」でお読みいただけます。とにかく目まぐるしく慌ただしく、時に均一化進む郊外景色に自分自身を見失うことも……。旅は2022年5月、スタートした喜屋武岬の気温は27℃、ゴールした宗谷岬は6℃台でした。

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出典:バイカー春秋 創刊4号

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