MARUKADO という新しいジャンルのアイドルの話
【はじめに】
ある4月の朝、YouTubeMusicの新着お勧めに現れた片目のダルマとアイドル?らしきグループのジャケット写真のアルバム、KAWASAKI RIFF。
何とはなしに聴いたことからMARUKADOという新しいジャンル(?)のアイドルを知り、定期公演まで足を運んでしまったヲっさんによる感想。
昨今のアイドルシーンで、音大卒の地下アイドルメンバー、というのは珍しくなくなっている。
ただ一部のアイドルを除き、「音大のアドバンテージがいまいちわからん」というのが正直なところだったし、似たように感じるヲタクも多いのではないだろうか?
MARUKADOに「音楽大学が本気出してアイドルプロジェクトを立ち上げたらここまでできる」というものを見せつけられたと同時に、新たなアイドルの形になるのではと思う。
色々書くより動画見たほうがいい
ここからは個人の主観100%
MARUKADOのユニークなところ
①(ほぼ)すべてのリソースを自分の学校から出せる
→洗足学園音楽大学、という川崎市溝の口にある学校が本拠地。
メンバーは在校生・楽曲は在校生のコンペや卒業生、さらにスタッフの一部などのソフト部分の調達が学内関係者のみで可能。
メンバーが卒業したら募集すればいいし、作り手の学生にもチャレンジの場、実戦で披露する場のプラットフォームになる。
そしてハード面。まず公演会場が学内にある。おそらくレコーディング設備もある。活動資金も学校から確保できるのではないだろうか。
(学校法人なのでスキームは工夫しているだろうけど)
②地元との提携
川崎市・川崎信用金庫・川崎フロンターレ等と提携し、楽曲提供やイベント出演をしている様子。
行政や地元企業・スポーツチーム等、スポンサーが堅い、またスポンサーから見て使いやすいというのは、地方のアイドルグループが長く続いている理由とつながる。
③客層のバラエティーの豊富さ
定期公演での驚きの一つに客層があった。子供を含む家族連れ、中高年女性、というおよそ通常のアイドルライブではまず見ない客層。
メンバーの家族もいるだろうけども、これは「安心して見られる」という裏付けがなければできるものではない。
(ガラの悪そうな男たちがダミ声でコールMIXしてたらこうはいかない)
④パフォーマンスの豊富さ
様々な専門からメンバーが選抜されているので、通常の楽曲だけでなく、ピアノやバイオリン演奏・コンテンポラリーダンス・朗読等を組み合わせたステージパフォーマンスがみられる(しかもちゃんと学んでるからレベル高い)
アイドルファンじゃなくても十分楽しめる内容。
なお、学園の100周年イベントに向けたプロジェクトの側面もあったようで、無事に武道館出演が決まり非常におめでたい話。
ただニワカからすると「もしかすると期間限定のアイドルってコト…?」と思わなくもないところ。
楽曲とてもいいし、プラットフォームも独特だし、既存の地下アイドルファンの中でも沸きから入ってない層や、新しいジャンルのアイドルを見たい層の取り込み、家族連れや中高年女性等の新しい客層、地域により一層根付くいて安定した基盤を持ってグループ自体の活動が広がっていったら面白いなと思う。
ちなみに昨日配信開始した新曲はビックバンドジャズサウンド×アイドルという、これだけでもかなり前衛的。しかも在学生からのコンペ勝ち抜き曲とか。いいゾ~これ。
昨今、既存の仕組みでやってきたグループが解散を発表したかと思えば、SNSで一気にバズって武道館2daysを満員にするグループがあったり、かと思えば風俗顔負けの接触をする特典会をするグループがあったりと、まだまだ変化を続けるアイドルシーンの中、新たなジャンル「音楽大学をプラットフォームにしたサステナブルなアイドル」になる可能性があるんじゃないかと妄想したりしてみなかったり。
(武道館で終わっちゃったらそれまでだけど、地道にでも長く続くといいなと思うグループですね)