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あぶらっぽい話②

 さてオイル交換のスパンだが、2輪と4輪では全く違う。それはエンジンの回転数によることが大きい。エンジン回転計(以降タコメーターとする)の単位はレボリューション・パー・ミニッツ。rpmだ。1分間のうちに何回ピストンが往復運動するかである。これが分かると、オイルの重要性がよくわかる。ここでは、2輪を中心に話を進めたい

 例えば125ccのバイクのアイドリング回転数は、1000から1200rpmくらいであろうか。常用回転数は、通常走行であれば6000から7000rpmあたりだと思う。ということは、ピストンは1分間で7000回往復(上下運動)している。それを潤滑しているのがオイルなのだ。劣化しないわけがない。これに、燃焼の熱も吸収している。エンジンの冷却だ。
 これだけ過酷な条件で仕事をしているオイルなので、そのエンジンにマッチしたものを使いたい。
 
 さて、バイク屋さんとメーカーの交換基準の距離数が、倍前後違う事が普通だ。さてどちらのスパンを信用すべきか。私はどちらも正解だと思っている。 ちなみに私は、2000Kmで交換している。バイク屋さんの推奨より気持ち早い。仕事などの関係で、2000Kmになかなか達しないこともある。その場合は、6ヶ月で交換している。これはメーカーの推奨と同じだ。なぜならば、オイルは、空気に触れると酸化するからである。
この場合バイク屋さんも、6ヶ月の交換を推奨しているはずだ。酸化したオイルは、耐剪断能力が低下しており、油膜切れを起こす。ピストンと、シリンダーには特にダメージが大きい。新品のオイル缶も真空パックではないから、製造時から劣化は始まっているはずだが、まともな販売店であれば、6ヶ月以上の長期在庫品を売っているとは思えない。
 推測の域を出ないのだが、メーカー推奨値のオイル交換スパンは、6年から7年くらいでバイクを買い替えしてもらえるよう、設定されている交換サイクルだと考えられる。新車が売れなければメーカーは儲からない。そう考えれば何となく理解できる。メーカー指定のオイル粘度も低いような気がする。

 自分のバイクに思い入れがあれば、スクーターで3000Km以内、ギア車で2500Km以内をベースに、愛車の交換スパンを考えるのが良いと思う。ギア車の交換スパンが短いのは、エンジンだけではなく、ミッションも潤滑しなければならないからだ。スクーターに比べてオイルが担う仕事が多い。

 もう1つ、オイル交換時期の判断の仕方でわかりやすいのは、例えば5000Kmごとにオイルを交換していたとしよう。オイル交換後に愛車に乗って家路につこうとすると、とても調子が良い。メカノイズもすごく少なくなった。そう感じたら危険である。使用しているオイルは、5000Km以前に潤滑能力が著しく低下している証拠である。もしまだ潤滑能力を維持しているのなら、体感できるほど違いは感じられないはずだ。なので、そのタイミングで交換するのがベストである。また、排出されたオイルの色も重要だ。Aというブランドは、5000Km走ると真っ黒になるが、Bというブランドは、A程汚れない。さてどちらのオイルが優秀か?勿論Aである。Aの方が洗浄剤がBより多く含まれているので、オイルの中に汚れを多く取り込んでいる証拠である。

 今回は、バイクを主体として書いてきたが基本的に、車と判断基準は変わらない。是非車のオイルメンテナンスにも応用して頂ければと思う。


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