ツーリングに行くといつも...
ツーリングに行くと、いつも気になる事がある。今回は高速を含むツーリングコースにて、考察してみたい。
大型自動二輪免許が解禁された後、ツーリングに使用される車体を見ると、圧倒的に大型クラスが多いことだ。これはこれで、良いことだと思うのだが、中型クラスのユーザーがほとんどいないのが気にかかる。意識の中でこのクラスのユーザーが委縮しているとしたら大いに問題だと思う。
ブランドヒエラルキーや、排気量ヒエラルキーが何となく深層心理の中に芽生えてしまうのは仕方のないことだと思う。
排気量ヒエラルキーは、バイクそのもののビジュアルも影響していると考えられる。例えば250単気筒と、ハーレーが、高速のパーキングエリアに並んで停まっていたとする。やはり耳目を引くのはハーレーだろう。見た目の大きさや、それに伴う迫力、価値観。バイクを知らない人にも、その存在は、色々な意味でわかりやすい。250(以下軽2輪とする)のユーザーが、大なり小なり引け目を感じるのは普通だと思う。そこには、自分なりの価値観や、ライフスタイルというベースが消えて、他人の価値観が軽2輪ユーザーを支配しているように思う。
全くの私見だが、私はツーリングに行くなら、峠道が全行程の30%以上入っているのが好みだ。人それぞれだと思うが、私はバイクに乗る楽しみは、コーナリングだと思っている。高速を使って、ひたすら目的地を目指して走るのも良いが、バイクがただの移動媒体ではもったいない。
今のライダーは、何に魅力を感じてバイクに乗っているのだろう。バイクという乗り物は、車とは明らかに違う乗り物だ。進行方向を変えるには、体重移動を伴う。それを繰り返し峠道をクリアしていく。正に人馬一体だ。
特に日本の峠道は新道を除くとタイトターンが続く道が多い。特に下りでは、軽2輪の独壇場である。タイトターンは、車速もそんなに上がらないし、1つ1つのコーナーを丁寧にクリアしていかないと、必ずコースアウトする。バイクの寝かし起こしが連続するために、重排気量車では不利になることが多い。軽2輪でも重排気量車を追い掛け回すことができる。
若いころは、軽2輪で、下りのタイトターンが連続する峠をよく走っていた。但し、限度はある。やはりパワーの違いは歴然としているので、コーナーからの立ち上がりや、自分のシフトミス、コーナリングのラインの読み違い等は、軽2輪クラスのバイクはあまり許容してくれない。そこがまた良い。ミスが無いように、腕を磨く。
ツーリングの目的が何かによって、乗る車体カテゴリーが違う。そして、排気量クラスが違う。当たり前だが、そういう前提があっての車体選択であれば、何も排気量ヒエラルキーなどは気にならなくなってくる。
どうだろう、軽2輪ユーザーも少し走りに重点を置いて、ツーリングをしてみてはいかがだろうか。綺麗なコーナリングは、傍で見ていてもかっこいいですよ。