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知る人ぞ知る名店。世代を超えて受け継がれる美観地区のジャズの楽園
こんにちは。
『美観堂』の新入社員・塩崎(ゆうぼー)です。
美観地区のお店の方々と一緒に行っているクラウドファンディング、今日で22日目。
そのリターンとしてご用意している、『美観地区みらい券』が使える美観地区のお店さんを今日もご紹介します。
『美観地区みらい券』は、次回の美観地区へのご旅行のときに、飲食店や宿泊施設で使うことのできる商品券。
「未来の美観地区での飲食代や宿泊代を前払いする」という形で美観地区のお店さんをご支援いただけるものです。
今日ご紹介するのは、ジャズ喫茶『AVENUE(アヴェニュウ)』さん。
記事を書くにあたって、『アヴェニュウ』さんに取材に行ってきました。
倉敷にジャズを広めたい!『アヴェニュウ』を生んだ先代の思い
ジャズ喫茶が世間一般に広まったのは1960年代。
当時、ジャズを聞くためにはレコードが必要でしたが、レコードはすごく高価なものでした。
「レコードは高くて買えないけど、ジャズを聴きたい!」
そんな思いの人たちが音楽を楽しめる場所として生まれたのがジャズ喫茶でした。
『アヴェニュウ』さんの創業者・松本勝也(かつや)さんも、ジャズに魅せられた人たちのひとり。
「倉敷でもこの素晴らしい音楽を広げたい」
勝也さんは脱サラし、周りの反対を押し切って、1968年にジャズ喫茶を倉敷駅前の大通りにオープンしました。
「AVENUE(アヴェニュウ)」という言葉は、英語で「南北方向へのびる通り」という意味。
お店を出した駅前の大通りが南北にのびる通りだったので、『アヴェニュウ』という名前にしたそうです。
その後1984年に現在お店がある美観地区に移転してきました。
目印はこのバニーガール。
創業者の勝也さんは現在は引退し、息子の琢真(たくま)さんと、勝也さんの奥様・美代子(みよこ)さんがお店をなさっています。
常連さんはお二人のことを「お父さん」「お母さん」と呼ぶんだそう。
お話していると、不思議と「お父さん」「お母さん」と呼びたくなってくるんです。
それくらい、初対面でもとてもフラットに自然体で接してくださいました。
レトロな雰囲気と懐かしの味が楽しめるジャズ喫茶
創業52年目の店内は、アンティークの椅子や机がズラリ。
壁に掛かった絵画やガラスのランプシェードも、レトロで素敵。
これぞ「喫茶店」という店内です。
お昼の喫茶店で一番人気なのは、見た目がとっても鮮やかな『昭和のクリームソーダ』。
味は全部で16種類もあるそう!
カラフルな色味がとってもかわいい。
友達と一緒に並べて写真をとりたくなります。
他にもピザやパスタ、ピラフといった喫茶店の定番メニューも食べられます。
美観地区をたくさん散策したあと、心地よいジャズミュージックに包まれながら、古き良き喫茶店の味とともに小休憩する。
想像するだけで、贅沢です。
店内で流れているジャズミュージックは、カウンターの隣りにあるこちらの放送室から流しています。
今のお店がある場所は、もともとラジオ放送をしていたそうで、当時の設備を生かした作りにしているそう。
それにしてもレコードの数がとんでもない...!
そして店内の壁には、サインがびっしり。
サインについてと伺ってみると、「夜、このお店で生演奏してくれた人たちのサインです」と琢真さん。
そう、昼はジャズ喫茶の『アヴェニュウ』さん。
夜はライブハウスとなり、ジャズの生演奏を聞くことができるんです。
極上のムードで包まれるジャズライブが毎日開催!
ジャズライブは店休日の月曜日をのぞき、毎日20時からスタート。
ライブチャージはたったの500円。
日々演奏をしている方々。
なんと『アヴェニュウ』さんから演奏依頼をすることはほとんどないんですって。
演奏者さんの方から「演奏させてほしい」という連絡が来るんです。
そして『アヴェニュウ』さんはプロの方だけでなく、アマチュアの演奏者さんも積極的に受け入れるんだそう。
「ジャズの生演奏を倉敷の人に気軽に楽しんでもらいたい」
松本さん親子のそんな思いが、演奏したい人たちの居場所をつくっています。
ここから巣立った日本トップクラスのミュージシャンも多く、凱旋ライブをはじめ、飛び入りセッションなんてこともよくあるそう。
凱旋ライブ...
飛び入りセッション...!
『アヴェニュウ』さんが知る人ぞ知る名店だってことは社内で聞いていましたが、自分が入社した会社のすぐそばに、こんな大人な世界があったなんて。
今は夜のジャズライブは中止していますが、再開したら、絶対いきます!
年に一度、美観地区がジャズで染まる『倉敷ジャズストリート』
琢真さんの「倉敷にジャズを広げたい」という思いは、お店とは別の形でも倉敷に根付いています。
それが、美観地区で毎年11月の第1週目の土日に開催される『倉敷ジャズストリート』。
琢真さんが企画したこのイベントは、2009年にスタートし、今年で11年目を迎えます。
イベント当日は、タイムテーブルが組まれ、昼から夜まで美観地区のいたるところでジャズの生演奏がおこなわれます。
最初は「ジャズって何?」って人が多かった中、琢真さんのジャズへの思いが地域の人たちを動かし、今では美観地区で最も大きいイベントになりました。
美観地区のあちらこちらからジャズの音色が聞こえる2日間。
普段と違う美観地区の景色が今から楽しみです。
琢真さんの『倉敷ジャズストリート』への思いも、伺ってきました。
ジャズは難しそうとか、敷居が高いとか思われることがありますが、ジャズって実はそんな難しい音楽じゃないんです。
みんな日頃聞いているのに、「ジャズは聞いたことない」ってみなさん言うんですよ。
でも、ジャズって知らないだけで実はジャズだった、というものは沢山あると思います。ルパン三世の曲とか。
もっと気軽にジャズを楽しんでほしいですし、そういう場所をこれからも作っていきたいです。
2日間のイベントですが、『倉敷ジャズストリート』に来て、少しでも「ジャズっておもしろいな」と思ってもらえたら「勝った!」って思います。笑
最後に
現在、夜のジャズライブは中止となっていますが、『アヴェニュウ』さんは「お家でもジャズライブに触れてほしい」と、YouTubeで過去のジャズライブを公開しています。
今日の記事を読んで、少しでもジャズや『AVENUE』さんに興味が湧いた方、ぜひ見てみてください。
また、今日ご紹介した『アヴェニュウ』さんは、今回のクラウドファンディングのページで購入できる『美観地区みらい券』をご利用いただけます。
「未来の美観地区でジャズと一緒に楽しむ飲食代を先に払っておく」という形で、『アヴェニュウ』さんをご支援いただけますと嬉しいです。
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それでは、また明日もぜひご覧ください。