「失敗したのが悔しくて」ゲームに飽きた少年が踏み込んだのは、お菓子の世界でした。
こんにちは、『美観堂』の久保です。
先日のnoteに、たくさんのハートをくださり、ありがとうございました。
あの記事を書いた後、『SUNCACAO』さんのチョコレートをおやつに食べたのですが、やはりとても美味しかった...!
口の中に芳醇な香りが残り続けて、とても幸せな気分になりました。
さて、本日は前回予告していたとおり、『SUNCACAO』ちゃい(加藤泰)さんのインタビューをお届け。
お菓子の道に進もうと思ったきっかけや、専門学校時代にガーナに行ったお話、実店舗オープンに込めた想いなどをたっぷり伺ってきましたよ〜!
1.釣りゲームに飽きた少年、ロールケーキに出会う
久保(以下くぼちー):
今日はよろしくお願いします!
まずは、ちゃいさんの簡単なプロフィールを教えてください。
ちゃいさん(以下敬称略):
はい。1992年5月生まれ、岐阜県大垣市上石津町の出身です。
3兄弟の真ん中で、姉と妹がいます。
くぼちー:
おお、私が引っ越してきたばかりの岐阜のご出身なのですね!
小さい頃から、「チョコレート屋さんになろう!」という夢はあったんですか?
ちゃい:
いいえ、幼少の頃は魚が好きで、よく絵を描いていました。
『川のぬし釣り』っていうゲームを知っていますか?
それがとても好きで、大人になったら漁師になろう!とも思っていたんですよ。
くぼちー:
あら、小さい頃からスイーツに興味があったのかと思っていました!
では、いつ頃からお菓子作りに目覚めたんですか?
ちゃい:
きっかけは、中学1年生の冬休みにロールケーキを作ったことですね。
やり込んでいたゲームをクリアした後で、結構退屈していて(笑)
そこで、姉が借りてきたお菓子作りの本を読んでいたら、食べたくなったんだけど、頼んだところ「自分で作ったら?」と。
「まあ暇だしやってみるか!」と挑戦してみたのがきっかけです。
くぼちー:
「自分で作ったら?」と言ってくださったお姉さん、グッジョブですね。
最初からうまくできましたか?
ちゃい:
いえ、本を見ながら作ったのですが、見事に大失敗。
でもそれがなんか悔しくて、何度も作っていくうちにのめり込んで行きました。
ちゃい:
結局この中学1年生の冬休みと中学2年生の夏休みにお菓子をガンガン作って。
そこからある程度、自分が行くのはお菓子の道だろうなと思っていましたね。
その後、専修学校への進学を希望したそうですが、ご両親の勧めもあり普通科の高校へ。
高校3年間でも食への興味は尽きず、卒業後は京都の製菓専門学校へ進学されます。
2.カカオの農園で感じた、生産者に貢献したいという思い
くぼちー:
京都での学生生活はどうでしたか?
ちゃい:
とても大きな出会いがありました!
まずは、チョコレートが大好きな友人と出会ったこと。
その子と話をしているうちにチョコレートに興味が湧いて、僕が京都に進学した年にオープンした『DARI K(ダリケー)』というお店でアルバイトをしました。
くぼちー:
『ダリケー』、恥ずかしながら名前だけは聞いたことがあります…。
どのようなチョコレート屋さんなんでしょう?
ちゃい:
簡単にいうと日本で「Bean to Bar チョコレート」を始めた先駆けのお店です。
初めて食べた時の感動や、理念に共感してお手伝いをさせてもらっていたのですが、その流れで20歳の時にインドネシアにあるスラウェシ島という島のカカオ農園にも連れて行ってもらいました。
くぼちー:
スラウェシ島、初めて聞いた名前です…!
当時の感想を教えてください。
ちゃい:
カカオ豆って、当たり前だけど人が作ったものなんだなということを実感しました。
お父さんがカカオを収穫して、お母さんが料理を作って、子どもたちはカカオの森で遊んでバナナを食べたりココナッツを取ったり…。
日本でチョコレートを作っているだけじゃ見えてこない人々の暮らしや営みがそこにありました。
くぼちー:
私も『美観堂』で働いていて感じることがあるのですが、実際に作り手さんの顔を拝見したり、製造過程に触れたりすると、「この商品に込められた思いをしっかりと伝えなきゃ!」と背筋がシャンとします。
ちゃいさんは、現地の暮らしを見て、何か心境の変化はありましたか?
ちゃい:
そうですね、カカオ豆を扱う責任みたいなものが芽生えました。
元々、「将来はお店を作りたい!」と思っていたのですが、生産者の人に何らかの形で貢献できるような仕組みを作ったり、カカオのストーリーなども伝えたりしたいなと。
大きくいうと、自分の事業を通して何らかの社会貢献ができるようになりたいと思うようになりました。
この経験は、ちゃいさんの中でとても大きなものとなり、製菓専門学校卒業後は、そのまま『ダリケー』に就職されました。
その後、同じお店で出会った奥様と結婚し、地域おこし協力隊として奥様の地元である岡山県倉敷市にお引っ越し。
今は、ご夫婦のチョコレートショップ『SUNCACAO』を運営されながら、『美観堂』の姉妹店である『はれもけも』の店長も勤められています!
3.実店舗を通して、新しいライフスタイルを広めたい
2018年7年のスタート以来、店舗は持たず、イベント出店や卸などで活動してきた『SUNCACAO』さん。
イベント先でお客様に「店舗はありますか?」とお伺いされても、「いつかはしたいですね〜」と答えていたそうです。
そんな中、2021年1月に実店舗『sunny pantry』をオープン!
(店舗名がSUNCACAOでない理由は、一つ前のnoteに記しています)
その背景には、ちゃいさん夫婦の「ゼロウェイスト」に対する思いがありました。
くぼちー:
店舗オープンおめでとうございます!
私も先日伺いましたが、量り売りが新鮮で楽しかったです!
このスタイルは、当初から考えられていたんですか?
ちゃい:
来てくれてありがとう!
元々『SUNCACAO』の活動をする中で、環境問題を踏まえてパッケージもなるべくプラスチックフリーにしていきたいなと思っていました。
夫婦で考えて行く中で辿り着いたのが「ゼロウェイスト」という考え方なんですよね。
くぼちー:
ゼロウェイスト?
ちゃい:
ゼロウェイストとは、ゴミをゼロにすることを目標に廃棄物を減らすこと、そもそもゴミを生み出さない取り組みのことです。
ゼロウェイストを実行するなら、量り売りのお店がしたい、なるべくゴミを出さないライフスタイルを実行して広めたい!と思い、オープンさせました。
くぼちー:
確かに!
マイ容器を持参して好きなものを好きなだけ買えば、ゴミも出ないし食品ロスもないですもんね。
ちゃい:
そうそう。
楽しみながらお買い物をしてもらった結果が、エコに繋がっていけば最高だなと思います。
4. インタビューを終えて、好きになってしまいそうでした
なんてかっこいいんだ...!というのが、インタビューを終えた後の率直な感想です。
ちゃいさんは私より2つ年下(平成4年生まれ)なのですが、私の何歩も先を見据えている感覚。
自分たちが提案したいライフスタイルがしっかりと頭の中にあって、それをご夫婦ができる形で、ブランドと実店舗に美しく落とし込まれている。
えらぶっていない柔らかな人柄も相まって、『SUNCACAO』『sunny pantry』ともに、必ず愛され必要とされるブランドになるだろうなと感じました。
惚れっぽい私は、すぐに人を好きになってしまうのですが(あ、私2年前に籍入れてた)、それは今世は置いといて(笑)
これからもブランドのビッグファンとして、応援していきたいなと思います。
5.SUNCACAOのチョコレートが買いたくなったら
『美観堂』のネットショップにて、10種類以上のラインナップを揃えております。
気になった方はぜひ、覗いてみてくださいね。
(おまけ)本日の王子さん
私が執筆をしている間、ずっと隣でぐうぐうお昼寝をしていました。
少し見切れている昭和チックなデスクは、岐阜の大家さんからいただいたもの。
剥がし忘れのシールが可愛くって、最近の私のお気に入りです。
それでは、今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
美観堂の久保がお送りしました!