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第2のモナ・リザ!?

こんにちは!美術解説するぞー!です!

この記事では、2枚目のモナ・リザとも呼ばれる作品について紹介したいと思います!

この第2のモナ・リザと呼ばれる作品が、なぜ描かれたのか。
実は、はっきりとしたことは分かっていません!笑  

たからこそ!あえて解説したいと思います!(あくまで一個人の見解です!)
いろんなご意見いただけると楽しいですね!

1.オリジナルのモナ・リザ

オリジナルのモナ・リザが、こちらです。

《モナ・リザ》1503-1519年頃
77×53cm
ルーブル美術館

改めて紹介する必要がないほど有名ですよね。

作者はあの、レオナルド・ダ・ヴィンチです。
(ちなみに「ダ・ヴィンチ」とは、「ヴィンチ村の」という意味です。)

この作品に描かれている女性はどこか神秘的な雰囲気です。
 背景もどこかわからない不思議な場所で、現実世界の人なのか判断しかねます。  

感情が読めない表情だし、謎が多い女性として、神話と絡めたり憶測も含めていろんな説がある絵画です。
(ちなみにこの謎めいた微笑を「アルカイックスマイル」と呼びます。日本でも仏像などによく見られますので、注目して見てみてください。)  

この作品は、スフマート技法を使って描かれたものです。
スフマート技法とは、輪郭線を描かずにものの形をぼかしながら描く技法です。この技法を発明したのは、絵画史上ですごくすごく革命的な出来事でした。
(この話は別の機会に詳しく紹介したいと思います。)  

いつも顔に話題が行きがちですが、美しい手も見所のひとつです。
(この時代にこのように手を大きくちゃんと描いている作品は少ない。)  

吉良吉影さんが惚れてしまうのもわかる気がしますw 
(ジョジョの奇妙な冒険第4部の敵キャラです)

2.第2のモナ・リザ!?

続いて紹介する作品はこちら↓

《真珠の女》1858-68年頃
70×55cm
ルーブル美術館所蔵

作者は、ジャン・バティスト・カミーユ・コロー
(長いww)   

この作品の作者は、モナ・リザのことについて触れていません。
ですが、その構図があまりにも似すぎているので、
「第2のモナ・リザ」と呼ばれることがあります。

みなさんには、レオナルドのモナリザと比べてどんな女性に見えますか?  私には少なくとも神々しい存在には見えません。

どちらかというと、貧そう。貧しいけど美しい。
どこかの村の娘でしょうか。
「現実味のある女性」そんな風に見えます。
(画家の自宅の近所に住んでいた古織物商の娘ベルト・ゴールドシュミット(16-17歳の頃)をモデルにしたという説が有力ですが、諸説あります。)

表立って感情を出していない部分も、モナリザと共通しています。しかし、その瞳の奥には秘められた強い意思を感じますよね。
全体の姿から溢れる雰囲気は非常に気品高く、女性的な曲線の柔らかさと美しさがとてもすばらしいです。
コローならではの、色数を抑えた褐色的な色彩・とても落ち着きのある色調が、対象の雰囲気をより引き出していますね!

コローはきっと、

「現実世界にも、貧しい生活の中にもモナリザのように、こんなに美しい女性がいるんだよ?」

と世に投げかげているんだと思います。

それは自然主義という、この時代に流行った画風の考え方からも推察できます。

3.自然主義

これまでの神話や、イメージの世界中心の画風、お金持ちの生活風景を記録する画風から、
画家が現実世界や貧しい生活の中にテーマを見出した時代です。
バルビゾン派とも呼ばれています。

~自然主義画家の作品紹介~

ジャン・フランソワ・ミレー

《落穂拾い》1857年
麦の収穫の後に落ちた麦の粒の残りを、一生懸命に拾い集めている人々の姿です。
お金持ちの人たちは暗黙の了解で、この行為については咎めなかったそうです。

《晩鐘(ばんしょう)》1857-59年
一日の終わりを告げる鐘に祈りを捧げる人たちの姿です。色合いや雰囲気からどんなイメージが伝わってきますか?

決して豊かとは言えない人たちに対する、画家の優しい視点が現れているようですね...

コローの代表作はこちら↓

《モルトフォンテーヌの想い出》1864年 89×65cm
ルーヴル美術館蔵

この作品はコローの代表作で、皇帝ナポレオン3世の命令により、国家が買い上げた作品としても知られています。すごい笑

コローの作品は実物を観てもらえるとわかるのですが、所々に明るい輝きを放つ、光のような点が散りばめられています。
別の作品ですが、その様子が少し伝わるものがあったので観てみてください!

《樹々の間に差す陽光》制作年不明

これは決して絵の具が飛び散っちゃったわけではなく、意図して描かれたもので、光の演出(キラキラ)や鑑賞者の視線誘導のためかと思われます。

改めてこちらの作品を観てみてください。

近景の水辺に咲く花々
枝を大きく左に傾けて葉を茂らせた木々
そこに散りばめられた白の輝きが、まるで楽譜の音符のように見えます!風のささやきのような爽やかな旋律を奏でているようです!

背後の湖面の静けさが、対比によってその効果を高めていますね!花や実を摘む女性と子供たちのほほえましい様子も、世界観をより華やかなものにしています。

しかし、この作品の印象はだんだんとそういった明るい印象から、哀しさを帯びてきます。
左側の木には豊かに葉を茂らせる生命力がもう感じられません...
となりの生い茂る大樹に対して、かつての勢いを失った寂しい木。しかし、女性が手を伸ばしている先には花や実のようなものが見られます。
終わりゆく命と次に始まる命。まるでこの木の枝と女性の関係は、ミケランジェロが描いた天地創造の一場面を描いているような繊細さが漂っている気がするのです。

ミケランジェロ・ブオナルローティ
《天地創造》1508-1512年(一部抜粋)
神とアダムの指の指が触れ合う瞬間

するぞーは個人的にコローの作品がとても好きです。  

このさびしさ漂う色合い
でも、どこか懐かしい感じ
絵本の中のような、のどかな空気感
現実のような、物語の中の世界のような抽象性

部屋にも複製画を飾っていますが、眺めていると心が落ち着く感じがするのです。

4.さいごに

モナリザは描かれた当初は、あまり注目されていなかったそうです。
モナリザが神話と絡めて、今みたいに話題なったのは19世期初めです。

そして、コローがこの真珠の女を描いたのは19世紀半ば

するぞーの見解がどうであれ、絶対関係あるのは間違いないと考えるのです。
いずれにしてもこの2つの作品が、同じルーブル美術館に飾ってあるのは素敵ですよね!

この記事が少しでもみなさまのお役に立てますように。 

それではまた!


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